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一般生徒Aの俺が学園のお嬢様達から好かれている。何で?  作者:
第二章

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第66話 口を開けてください

「……」


 今、俺は台所で溝口と並んで食材を包丁で切っている。溝口から俺に手伝うようにとのご命令である。いや、全然良いのだが先程から黙っているのが不気味でしょうがない。


「……、溝口〜、後はどうすれば良いですか〜?」


 何故か敬語になってしまう俺、何か溝口から放たれるオーラが怖いんだもん。別に俺怒らせるような事してないんだけど。


「……、桑原さんと何かあった?」


「え?」


 俺に対して何かを言いたいのは予想していたがそれが気になっていたのか。


「ああ、遅くなった理由か。え〜と、桑原さんがナンパされてな。野郎達と揉めちゃったな」


「それで峻が助けたの?」


「あ、ああ。まあ俺が隣りにいるのにナンパされるなんて俺が頼りなく見えるんだろうなあ。はは」


 俺は照れくさくてわざと冗談ぽく笑って話す。


「そんなのアンタのことをよく知らないだけだよ」


 溝口を見ると真面目な顔をして食材を切っている。冗談を言っている訳じゃないようだ。そう言ってもらえるのは嬉しいけどやっぱり照れるな。


「そ、そうか?俺に女子を口説く度胸なんて無いぞ」


「はあ……」


 溝口は包丁を持ったまま俺の方を向く。え、もしかして俺刺される?取り敢えず危ないから包丁を置こうね。


「いつか、女の子に刺されないと良いね」


「包丁を持ちながら言うな。冗談に聞こえないんだよ」


 溝口はフンと言いながら再びまな板の方に向き直り食材を切り出した。こわ〜。


「はあ、やっぱり二人でなんて行かせなきゃ良かったな」


「そうだな。そのせいでナンパされちゃって面倒な事になってるしな」


「……」


 再び、溝口が黙ってしまう。俺間違ったこと言ってないよな?今、その話をしてたんだし。とそんな話をしていたら食材の切り分けも終わったので庭で待っているみんなの所に行くか。俺と溝口で食材を皿に乗せて持って行く。


「お待たせ〜」


「あっ、お二人共ありがとうございます」


 三人が駆け寄ってきてお礼を言ってくる。庭にはバーベキュー用のコンロとテーブルや飲み物、取り皿などが用意されている。


「じゃあ、取り敢えず乾杯する前に食材焼いちゃうか」


 俺はトングで肉をコンロに並べ、皆で紙コップに飲み物を入れる。


「じゃあ乾杯の音頭は峻がやってよ」


「は、はあ?俺じゃなくて竹之内さんとかが」


「峻君、お願いします」


 四人共、俺を見て笑顔で待っている。ええ、こういうの柄じゃないんだけどな。


「え〜、ではお集まりの皆様、遠路はるばる……」


「そういうの求めてないから。早くしろ〜」


 俺が話そうとしたら溝口から茶々を入れられる。お前らがやれって言ったんだろうが!!


「あ〜、もうじゃあ乾杯!!」


「かんぱ〜い」


 皆は一斉に飲み物を飲み始める。何だよ、挨拶必要無いじゃん。俺はため息をつきながらコンロを見て肉が焼けてきているのを見て野菜も並べ始める。


「肉が焼けてきたから食べたい奴から並んでいけ〜」


 俺はトングを持ってコンロの前に立って皆を待つ。真っ先に来たのは桑原さんだった。


「おおきに」


「おお、どんどん食べろよ」


 俺はトングで肉を持って桑原さんが持つ紙皿に肉を乗せる。その後に来たのは溝口だ。


「ちっ、二番目か」


「別に肉は沢山あるんだから順番なんてどうでもいいだろ」


 溝口は小さい声で「ありがと」と言いテーブルに戻っていってしまう。全く素直じゃない奴だ。


「戸松君こそ、男子なんだから先に食べた方が良いのでは?」


 続いて太田さんが来た。肉を配っている俺の事を心配してくれているのか。優しい子だ。


「大丈夫だ。まだ沢山焼いているし、俺もこの後食べるよ」


「それなら良いんですけど。ありがとうございます」


 太田さんもお礼を言いながら肉を受け取ってテーブルにいる二人と話し始める。最後は竹之内さんだ。皆を待ってたのだろう。


「峻君」


「竹之内さん、どうぞどうぞ」


 俺は竹之内さんが持っている紙皿に肉を載せてやる。これでひとまず一巡したし肉を足してまた焼かなきゃな。俺も食べたいし。


「ありがとうございます」


「また焼くからちょっと待っててくれな」


「……、もしかして峻君まだ食べてないんですか?」


 俺が紙皿や割り箸を持っていないことに気付いたのかそう言ってくる。


「ああ、もっと焼いときゃ良かったな。次量足して焼くから待っててくれ」


 俺は正直後からでも食べれれば良いのでそう言ったつもりなのだが竹之内さんはため息をつく。え、何で?


「峻君、口を開けてください」


「え、何で?」


 俺が首を傾げると竹之内さんの紙皿から箸で肉を持って俺の顔の眼の前にまで持ってきた。


「はい、あ〜ん」


「え、それ竹之内さんの分だし……」


「あ〜ん」


 その剣幕に押されて俺は観念して口を開ける。その瞬間、肉が口の中に放り込まれる。


「私達に遠慮は不要です。でしょ?」


「はい……」


「ちょっとそこ〜、何あ〜んしてんのよ!!」


 その様子は案の定、溝口に見られて大騒ぎになった。

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