Method20:JOKER1
タイトルバックイラスト:西山りょう
その昔、かにがRPGツクール2000で制作したゲームの小説化!
ゲーム版のメッセージや内容を抽出したものを再構成し、西山さんが小説化を担当しました。
エンドレス・ロード関連作品。
https://ncode.syosetu.com/n7077gj/
不思議な体験をした2日後。
学校が終わり、由香は繁華街より1本奥の道をひとり歩いていた。
「やぁ、こんにちは響由香」
「……え?」
振り返ると紫の髪に緑色の目をした自分と同じ背丈の少年が立っている。
幼顔の少年は明らかに由香より年下に見える。
「あ、あの……こんにちは……」
挨拶しながら由香は突然現れた少年を悟られないように観察した。
(誰なんだろう、この人……。知り合い、じゃないよね? 心当たりもないし……)
(でも、なんで私の名前を知っているのかな……?)
「えっと、あ、あなたは……?」
「自己紹介がまだだったね。僕の名前はアッシュ。普段はジョーカーと名乗っているけどね」
「ジョ、ジョーカー?」
『ふふっ』と戸惑う由香を見て少年が笑う。
「ねぇ、君と少し話がしたいんだけど。いいかな?」
「う、うん……」
由香は不思議な感覚に包まれていた。
ジョーカーと名乗るこの少年とは初対面のはずだが、もう何度も会っているかのような既視感がある。
「立ち話もなんだから、落ち着ける場所へ行こうか」
「……う、うん」
ジョーカーが先に歩き、路地裏に面した小さな喫茶店に2人して入る。
ガランガラン。
ドアベルが鳴り、ウェイトレスがやってきた。
「いらっしゃいませー! 2名様ですかー?」
「は、はい……」
「では、お好きな席へどうぞー!」
ジョーカーは店内を見渡して奥まった席を選んだ。
2人席に向かい合って座った由香はおずおずと切り出す。
「えっと、話って何なのかな? ジョーカーくん……って呼んでも良いのかな?」
「いいよ」
ウェイトレスがお冷とおしぼりを持ってきたので、ジョーカーがミルクティーとオレンジジュースを頼んだ。
(あ、あれ? ジョーカーくん、なんで私の好きな飲物を知っているのかな……)
ウェイトレスが一礼して離れると、ジョーカーの表情が引き締まる。
「率直に訊くけど、君はこの前見た不思議な夢のことをどう思っているんだい?」
「え? ど、どうって……?」
「夢だと思ったかい? それとも現実だと思ったかい?」
「え……? うーん……、わからないよ……。現実というのも何か違う気がするし……夢かと言われれば、それも自信がないよ……。
たぶん、現実と夢の間のような……そんな感じかなあ……?」
「ふーん、なるほどね。確かに、そんな感じかも知れないね」
「でも、ジョーカーくんはどうしてそのことを……?」
「失礼します」
お盆を持ったウェイトレスがやってきて、テーブルに注文の飲み物を置いて去っていく。




