Method19:時の迷宮6
タイトルバックイラスト:西山りょう
その昔、かにがRPGツクール2000で制作したゲームの小説化!
ゲーム版のメッセージや内容を抽出したものを再構成し、西山さんが小説化を担当しました。
エンドレス・ロード関連作品。
https://ncode.syosetu.com/n7077gj/
回想から目覚めるように気がつくと、由香と佑実子は白い大きな扉の前に立っていた。
扉の前にはあの虹色に輝く鳥が飛んでいる。
『よくぞ試練を乗り越え辿り着いた……。時に戒められた哀れな者達よ……』
『私は”時”の管理者、ヴィルジェル……。さあ、行くがいい。解放の時だ』
「行かなきゃ……」
由香が扉に手を伸ばす。
「そうですね……。私達の時間へ帰りましょう……!」
佑実子も扉に手を当てる。
2人で扉を押し開けると、眼の前がまばゆい光に包まれた。
「う……、う~~~~ん……」
由香は無意識に前髪をかき上げて目を瞬いた。
見慣れた天井が映る。
気づくといつもの自分のベッドに横になっていた。
「……私の部屋……?」
起き上がって見回すと、普段と変わらぬ風景が目に飛び込んできた。
「着替えなくちゃ……」
カーテン越しに差し込む朝日にのそのそとベッドから降りる。
結局の所、あの体験が夢だったのか現実だったのかはわからない。
学校への道を由香が歩く。
いつもの人混みも車列もちゃんと存在していた。
「う~~~~ん……」
不可思議な出来事の後だったので、由香は少し困惑して頭をポリポリ掻いた。
学校の下駄箱で上履きを出していると、佑実子が駆け寄ってきた。
「響先輩、響先輩!」
「な、なぁに……?」
「この前はファンタスティックな体験でしたね!」
「……うん、そうだね……」
キーンコーンカーンコーン。
ホームルーム前のチャイムが鳴る。
「先輩、また後でー!」
佑実子が元気に髪を揺らして廊下を走ってゆく。
由香は上履きを履いて自分の教室へと向かった。
夢か現実か。
あの日以来、由香を取り巻く運命が大きく変わることを彼女はまだ知らない。




