11.勤務初日終わりです!
「ここか」
~酒場クルコン~
昨日アリスさんと一緒に行った魚料理がおいしかった酒場だった。
新しいなと思ったら最近できた店で許可証があったのでお昼がてら確認しにいくことに。
「とりあえずご飯食べるけどなにを見てくればよいのか」
「いらっしゃいませ! おひとりさまですか?」
「……そのバッチギルドの方? 本日はなにか御用でしょうか?」
「いえ本日は実地調査を兼ねてお昼をいただきに来ましたので私のことは通常の客として扱っていただければ大丈夫です」
「わかりました! こちらへどうぞ」
とても元気そうなウェイトレスさんだ。 獣人族のようで猫耳が生えていてしっぽがぴょこぴょこしている。
昨日も来ていたが通常の飲食店という雰囲気でお酒が自慢とのことで夜はすごくにぎわっていた。
クルーラコーンとはの町名前のようでお酒が有名な場所らしい。
そこの産地直送ということを売りにしていた。
「ご注文があればお呼びください」
「注文表は昨日と一緒ということは昼も夜も同じなんだな」
とりあえずお昼から酒を飲む人が少ないのかお客さんはまばらだった。
昨日は魚料理を食べたので今日はモーにしてみようかな。
コボルト村でも食べたが普通にお肉だったのでとてもおいしかった。
「すみません!」
「はーい! お決まりになりましたか?」
「ではモー料理とおすすめは何かありますか?」
「おすすめはマッシュですね」
「ではそれもお願いします」
マッシュが何かわからないけどポテトかキノコだろうな。
「ではモー料理とマッシュでお酒は……さすがにお仕事中は良くないですね」
ウェイトレスさんがいそいそ頼みに行ってくれた。
酒場だからか女性客は少なそうで男性客が中心のようだ。
魚を食べている人や野菜を食べている人でお酒を大量に飲んでいる人もいてここは今後も売れそうだ。
とりあえず見たこと感じたことをメモに書いておく。
「お仕事中すみません。お食事です」
「ありがとうございます。そういえばお勤めは最近からなんですか?」
「そうです。 一カ月前にできました。私はここの店長の娘なんで開始からやってます!ほかにも3人ほどギルドから紹介していただいてありがとうございました。」
ふむふむ紹介状の内容とも差異がない。まさか店長の娘さんだとは思わなかった。
「お客さん昨日の夜も女性の方と来てくださってましたよね?」
「えっ覚えてるんですか? すみませんそこまで覚えてなくて」
「一度見たお客さんの顔を忘れないのが私の特技ですから!私の名前はクロエといいますので以後ごひいきにしてくださいね」
ウィンクをしながら自己紹介をしてくれた。
「クロエさんありがとうございます。私はコガネといいます。個々の料理はとてもおいしいので通ってしまうと思います」
「おっと話過ぎました。ごゆっくり」
とりあえず冷めてしまう前に食べてしまおう。
マッシュはポテトだった。これもおいしい。これは問題ない。
ばっちり飲食店だな。てかここが不正していたら泣く。
「ありがとうございました!」
おいしくいただきました。
お腹もいっぱいで元気になった、二件目のところに行こう。
今度は装飾品屋っぽい。
ここは魔石と呼ばれるものを取り扱っていたり戦闘に役立つアクセサリーを取り扱っているお店のようだ。
うん。たぶんアクセサリーショップ、装備やって感じだろうな。
~アクセサリーセン~
入ってみると少し薄暗い。
先に一人お客さんがいるようだがローブを羽織っていて顔はわからない。
中を見回してみると値段もばらばらでいろんな宝石が並んでいた……効力はわかんないけど。
あれ?さっきいたお客さんがいなくなってる。
出ていく音とかしなかったんだけどな。まぁいいか。
「すみません。ギルドの者なんですけど少しお話いいでしょうか?」
「なんだギルドの者か? 客じゃないなら早く帰ってくれせっかく売れそうだったのにお前のせいで客が帰ってしまった」
「許可証はもらってるんだから文句ないだろ?」
「取り扱い商品としてはここに並んでいるものがすべてなんでしょうか?」
「そうだがそれがどうした」
「取扱商品に貴金属等ということが書いてありましたがすべて魔石やアクセサリーしかなさそうでしたが」
「まだ始めたばかりで商品が届いていないんだよ。そんなこともわからないのか?」
「すみません。今日初勤務なのでわからないことも多いんです」
「ふん」
そういって奥の部屋に入って行ってしまった。
とりあえずある程度は見回れたしこれで帰ろうかな。
やはりこういった店は頑固おやじがやっているんだろうな。
この要領でほかの店にもいくつか回ってみた。
服屋、果物、宿屋といった街にあるお店を回ってはどんなものがあるか確認していく。
地図も覚えられるし確かに新人が仕事を覚えるのにこれはいいなと思った。
~ギルド~
「ただいま戻りました」
戻ってみるとエラさんは外出中のようでいないようだ。
ソフィーさんは相変わらず異常なスピードで紙を書いている。
「ソフィーさんお疲れ様です!」
「……はい」
もう慣れてきたが紙を渡された。
~お疲れ様!~
コガネ君お疲れ!
初日なのにいろいろ歩いて疲れなかったかな?
エラさんも今日は戻ってきたら帰っていいよって伝えといてといわれてるから報告は明日で大丈夫だよ。
初日から外出なんてやる気があって凄いね。
私は外出るの苦手だし人としゃべるの苦手だから尊敬しちゃうな。
明日も頑張ろうね!
「ソフィーさんありがとうございます。まだ夕方なんですけど帰っていいんですか?」
「……うん」
「なん……だと」
帰っていい?まだ夜でもなければ朝日も昇ってないぞ?
コボルト村が特殊なんだと思っていたがここも夕方に帰るのが普通なのか?
「いやさすがに新人が先輩より早く帰るなんてできないので、今日の資料をまとめてエラさんに報告してから帰ります」
「……」
とりあえずソフィーさんから紙が出てこなそうなので肯定だと思う。
「じゃあ向こうで作業してますね」
今日のメモを見返して整理を始める。
町の地図もある程度今日の外出で把握してきたし店がどういった種類があるのかも把握することができた。
エルフのお偉いさんが来ているから結構エルフを街で見かけたりするし警備兵のような人も多い。
さすがにすべてを回りきることができなかったから商店街中心になったけど活気があって治安もよさそうだ。
ぽんぽん
「ん?」
ソフィーさんが肩をたたいて手紙を渡してきた。
~帰らないの?~
コガネ君集中しているところごめんね!
私は帰るけどコガネ君どうする?
この感じだとエラさん帰ってこないかも。
とりあえず挨拶だけしとこうと思って初日お疲れ様でした。
「あっわざわざありがとうございます。もう少しで終わると思いますのでお疲れ様でした!」
「明日もよろしくお願いします」
そういうとソフィーさんは帰ってしまった。
「慣れたけど手紙ではめっちゃ饒舌。面白い人だな」
窓から外を見るともうまっくらだった。
「やべこの世界時計ないから何時かもわからないな」
許可証に関しては地図の場所ごとに分類してまとめて回れるように整理した。
これなら明日から効率よく回ることができるだろう。
報告書に関してもまとめ終えたし、一通り目を通したからあとは明日からのルートを確認しとこう。
ガチャ
「すみません。コガネさんいますか?」
「え?私ですか?」
振り向くとアリスがいた。
「ふぅやっぱりまだいた。仕事終わってないの?」
「いや夕方くらいに帰っていいって言われてるけど」
「じゃあなんでまだ仕事してるの?もう夜遅いよ?」
「帰るタイミングがわからなくて」
「そんなことだろうと思ったから迎えに来たよ。ご飯も食べてないんでしょ?」
「よくご存じで……ごめんなさい帰ります」
アリスが笑っているのに怖い。
これはやらかした帰ろう。
「まったくコガネは私がいないとダメなんだから」
「うーんこればっかりは」
「コガネが帰ってこないから心配だったんだから。せっかくご飯作って待ってたのに冷めちゃった」
「ごめん。ってかご飯作ってくれたの?」
「そうだよ。初日だし疲れて帰ってくるかなって思ったから」
「なんて持ったないことをしてしまったんだ俺は……先に食べてて大丈夫だったのに」
「……だめだよ」
「わかった。今日からコガネにルールを作ります。晩御飯は一緒に食べること」
「え?」
「いい?ほかの人と食べるときは必ず連絡をすることこれは一緒に生活するルールだからね!」
「わっわかったそうしよう」
そこから今日はどうだった、初仕事でこんなことをやったとかアリスと一緒にご飯を食べながら話した。
そういえばこっちの世界に来てからアリスとご飯食べるのが日常になっているな。
「そうだこれプレゼント」
「えっそんないいのに」
アリスが腕輪?のようなものをくれた。
「時間わからないからコガネはいつまでも働いちゃうんだろうなっておもったから、これつければわかるようになるよ」
「あっそういうのがあるんだね。それは助かるよありがとう」
「ごめん。俺もなにかアリスに用意して入れば……」
「大丈夫だよ。その代わりちゃんと約束守ってね」
「了解」
こうして俺の初出勤が終わった。
アリスから早く帰るよう約束されてしまった。
心配かけないように明日から気をつけよう!
また明日から俺の異世界就職ライフが始まるぜ!!!
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