チョウチョでアハハはあり得ない件
学校への行き道、アゲハ蝶がひらひらと飛んでいる。
「絵美ちゃん、アニメとかで女の子がチョウチョを指にのせてアハハウフフってするでしょ。」
「うん。」
絵美ちゃんは傍らを飛ぶ蝶にチラリと目をやる。
「でも、昆虫だよ?アハハな気分になる?」
「まあ、色付きの蛾だよね。」
「なんとか手に止まらせたとしてもさ、羽の下は、やっぱりリアルに昆虫じゃん。」
「昆虫だもんねェ。」
絵美ちゃんの口がじわじわと笑顔になる。
「だってさ……」
私は想像を口にする。
「絵美ちゃんさ、私が道端のシロツメクサとかタンポポ摘んで、
蝶々をアハハって追いかけてたら怖くない?」
「急に?」
とうとう絵美ちゃんが満面の笑みになる。
「怖いか怖くないで言えば、怖いかなぁ。」
「でしょ?」
私は勢い込む。
「あれさ、絶対、美人だから許されるんだよ。
チョウチョでアハハもさぁ……
チョウチョが昆虫じゃなくても、私には一生アハハは無理だよ。」
「まあ、チョウチョは昆虫だけどね。」
この物語の語り手・和佐ちゃんが出てくる現代恋愛を連載中です▼
成績はトップ。好きな子には、存在すら認識されていない――
高三の一年間、早瀬は同じ予備校に通う小楠さんをずっと好きだった
でも小楠さんは、早瀬が話しかけても気づかない。自販機で助けても、後になれば早瀬だったことすら覚えていない
三月、早瀬の恋は相手に気づかれないまま終わった――はずだった
硬派で不器用な早瀬くんと小楠さんの切なくて一生懸命な恋の一年。完結まで執筆済。
現代恋愛【硬派な早瀬くんの不器用な恋の一年】連載中です
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※この「小楠さん」が実は和佐ちゃんです。




