タイトル未定2026/08/17 08:03
設計事務所では、設計チームが作った設計図を元に、野田がパソコンで立体化させ、野田のまわりでは歓声があがった。
「野田君凄いよ!」
パソコンを目の前にして座っていた野田は、照れ笑いをした。
「早速このデーターを、設計部のパソコンに送ろう」
社員の言葉に、野田はデーターを送った。
定時の時間が迫る中、外回りに出かけていた流花と安達が戻ってきた。
落ち着いた後、流花と安達は野田が作った映像を見た。
「あの野田君が、作ったのか。凄い!」
安達は、野田を褒めまくった。
「野田君のパソコンの腕前を、白田さんは知っていた?」
「はい。前に一度、見せてもらいました」
「そうか。あんな可愛い顔をして、ギャップが凄いなぁ」
「コンピューターに強いアイドルで、売れそうですね」
流花の言葉に、安達は笑った。
業務が終わり、流花が事務所を出ると、野田が後ろから駆けてきた。
「白田さん、俺が作ったデーター見てくれた?」
「さっき、見せてもらった。さすが野田君!安達さんも、絶賛していたわ」
「白田さんに、そう言ってもらえるだけで嬉しいよ。俺にとって、最高のご褒美」
言いながら野田は、流花の両手を握りしめた。
「どさくさ紛れに、手を握っているんじゃねえよ」
その声に振り向くと、いつの間にか田中がいた。
「あっ、田中君。いたの?」
「さっきから、ずっといた。てか、いつまで手を握っているんだ」
言いながら田中は、流花の手を握っている野田の手を離した。
野田は、大きな濡れたような瞳で、じっと田中を見つめた。
野田に見つめられた田中は、さすがに後退りをした。
「な……なんだよ。そんな目で、見るんじゃねえよ」
「白田さん。俺がいない間、田中君にずっとしつこくされていたの?」
流花は思わず、大笑いをした。
そんな流花を見た野田は、嬉しそうに田中に言った。
「あっ、ウケちゃった!」
「なに、喜んでいるんだ。おい、行くぞ」
田中が歩きだすと、野田が田中を追いかけた。
「なんで、あんたが来るんだよ」
「だって、『行くぞ』って言ったから」
「あんたに、言ってねぇよ!」
少し離れた場所から、田中と野田を見ていた流花はそっと微笑み、二人を追いかけた。




