タイトル未定2026/08/17 07:45
チャーハンを食べ終えたマスターは風呂に入る為、リビングを出た。
大門は、マスターが使った食器を洗った。
マスターはリビングを出て、浴室に行く前に寝室に向かった。
寝室に向かっていると、浴室を出て寝室に入ろうとしていた流花と、鉢合わせをした。
マスターは流花と一緒に、寝室に入った。
寝室のドアを閉めると、マスターは背後から流花を抱きしめ、流花の頭に頬を乗せた。
「……シャンプーの香りがする」
「マスター、おやじみたい」
「みたいじゃなくて、おやじです」
マスターと流花は、静かに笑った。
笑い終えると、マスターと流花はベッドに横並びに座った。
ベッドに座ったマスターは、流花の手を握った。
「大門が、流花と結婚しないのは、自分のせいでは?と、言っていました」
「そんな!大門君のせいなんかじゃないのに」
「大門には、ちゃんと言ったから大丈夫です」
ホッとした流花は、マスターを見つめた。
「ごめんね。マスター」
マスターは、黙ったまま流花を見つめた。
「私、わがままで」
マスターは何も言わず、流花を抱き寄せた。
「流花……」
「マスター……」
同時に言いかけて、マスターと流花は小さく笑った。
「流花、なんですか?」
「マスターこそ、何を言おうとしたの?」
「いえ、何でもありません。風呂に入ってきます」
マスターは立ち上がると、風呂に入る支度をして、寝室を出ていった。
寝室のドアを静かに閉めたマスターは、ドアを背中に立ち尽くした。
マスターは流花に『田中君と、会っていたんですか?』と、聞きそうになった。
マスターは、薄々感づいていた。
今夜流花は、田中と会っていたことに。
……流花が、誰と会おうが、それは流花の自由だ。田中君の名前を出せば、流花が苦しむだけだ。流花を、苦しめてどうする……。
寝室のドアから離れたマスターは、浴室に向かった。
ベッドに座り込んでいた流花は、マスターが閉めた寝室のドアを見つめていた。
流花はマスターに思わず『なぎちゃん、赤ちゃんを身ごもったの』と言おうとしていた。
親友のオメデタを、マスターと共有したいだけだった。
……結婚に興味がない私が、マスターにそんな話をしたら、マスターが戸惑うだけだ。マスターと、私の子供……。
想像しただけで、幸せな気持ちになる。
……でも私は、放任主義の両親の元に育ち、自由奔放に生きてきた。
結婚して子供を産んで、育てる自信なんて、正直私にはない。
私は、マスターの重荷になりたくない……。
マスターと流花は、本音を語れないでいた。




