タイトル未定2026/08/17 07:20
大門が游太達とカラオケで盛り上がっていた頃、流花は大学時代の友人達と繁華街にある、大手チェーン居酒屋で盛り上がっていた。
卒業後やっと四人揃って居酒屋に行くことが出来、テーブル席に座ってから飲むピッチが早かった。
「ねぇ、ねぇ。資格を取る準備は進んでいる?」
賑やかな中、速水渚が突然爆弾を落とした。
テーブル席は、一瞬にして静まり返った。
その沈黙を、渚の隣に座っていた佐野が破った。
「資格を取るのを、放棄したからって、気軽に聞くなよ」
テーブルを挟んで、渚と佐野の向かいに座っていた流花と田中は顔を見合わせた。
「なぎちゃん、資格取らないの?」
流花の問いに、渚は恥ずかしそうに言った。
「……できちゃって」
驚いた顔をした田中に対し、流花は不思議そうな顔をした。
「できたって……?」
田中は流花に、そっと教えた。
「赤ちゃんだよ」
「赤……ちゃん?」
渚は、声を上げて言った。
「相変わらず流花ちゃんは、こう言うことに疎いんだからぁ!」
やっと理解ができた流花は、大きな声を上げた。
「なぎちゃんに、赤ちゃん!」
渚と佐野と田中は笑いだし、佐野が流花に聞いてきた。
「流花ちゃんは、どう?まさか、流花ちゃんも?」
「えっ?」
キョトンとしていた流花は、慌てて首を横に振った。
「ない、ない!それこそ、仕事と資格の勉強で忙しいし」
「じゃあ、マスターと会っていない?」
「それは……」
それまで黙っていた田中が、静かに言った。
「会っているんだろ。二人で、旅行に出かけたんだし」
佐野が、田中に聞いた。
「田中、やけに詳しいな」
「同じ事務所で、仕事をしているからな」
田中の言葉に、渚と佐野は顔を見合わせた。
佐野が、流花に聞いてきた。
「田中が流花ちゃんと、同じ事務所に就職をすること流花ちゃんは、就職試験を受ける前から知っていたの?」
「全く知らなかった。就職の内定をもらって、初めて知った」
納得した渚は、流花に聞いてきた。
「流花ちゃん、マスターと旅行に行ったんだよね?一泊したの?」
「……うん」
「お泊り旅行だぁ!何もなかったの?」
「何もなかったって?」
渚の意図はわかっていたが、流花はわざとらしく言った。
田中が、割って入った。
「何も、ないわけないだろ」
「私のことは、どうでも良いでしょ。お酒頼むよ」
流花は、テーブルの上に置いてあるタブレットを引き寄せた。




