第十一話《六夜スロウスXI》
ユニーク五千突破ですΣ(゜д゜lll)ちょっとびっくりしました。読んでくれてありがとうございますっっ(^_^;)!
天満 現世。
第一級犯罪魔法師で名前を知られる、世界最強クラスの召喚魔法師。
その実力は、もはや語るまでもない。
そんな魔法師と、九々津たちは対峙していた。
「……ふむ、ウィングレックスを一撃ですか。最近の学生はレベルが高いですな。君もそのクチかね?」
「……面倒だ、黙れ。犯罪魔法師《天満 現世》」
灰色の眼を光らせ、九々津は魔力を解き放って現世を威嚇する。
凄まじい魔力が放出され、威嚇の対象ではない刹那岬たちの方が怯えてしまったほどだ。
しかし、当の本人である現世はピクリともしない。
代わりに、驚愕を顔に浮かべている。
「……本当に驚きました。何者ですか、あなた」
「俺は九々津だ。覚えなくてもいいぜ……。陽見池、千堂。刹那岬ともう二人の後輩、それに天狗とフェリーで帰れ。俺はこいつを足止めする」
ーー足止め。
確かに、九々津はそう言った。それはつまり、検挙できるとは思わないという事だ。
あの九々津がそんな自信なさげなことを言うのは初めてかもしれない。
それほどまでの相手なのだ。
「な、なに言ってんだお前!」
「そ、そうだよ六夜! 私も戦……」
反論する千堂と陽見池。しかし、それは途中で遮られた。
九々津と現世の凄まじい魔力が、二人を威嚇したのだ。
「……行け」
有無を言わせぬ声。
千堂と陽見池は悔しそうに下唇を噛み、刹那岬を抱えてその場から全速力で飛び去る。
「な、なにしてるんですか、千堂先輩! 陽見池先輩!」
数秒して、九々津を置いて逃げたという事実に気付き、刹那岬は叫ぶ。だが、千堂も陽見池も飛ぶ速度は落とさない。
「落ち着いて刹那岬ちゃん! あそこにいたら、逆に邪魔になっちゃう!」
「あんな魔力初めてだぜ……。それぐれぇ、強えんだよ……現世はな」
「……ッ……!」
もはや、なにも言えない刹那岬だった。確かに、九々津のあの魔力が互角と言えるならば自分たちは邪魔以外の何者でもない。
自分の無力さを呪いながら、そして心の中で祈りながら刹那岬は飛ぶ。
「……先輩、死なないでね……」
ーーーーー
「さて……。行ったか」
陽見池たちが自分の魔法の範囲外に出るのを、陽見池の魔力の動きで感じ取ると、肩に乗せているカメレオンと遊んでいる現世に視線を移す。
視線に気づいたのか、カメレオンと遊ぶのをやめる現世。
「うーむ、君は憑依魔法の類ですかな? 髪の色が変わりましたが……。ああいや、眼もですね」
心底不思議そうに九々津を観察する現世。
不快そうに眼を細め、九々津は首を鳴らす。
「まあ憑依っちゃ憑依かな。……勝手にされてるだけだけど」
ーー勝手にされている。
九々津の言葉には矛盾があった。
それに気がついたのか、現世も眉をひそめる。
「……されてる、だけ?」
おかしい。その言葉は、あきらかにおかしかった。
なぜなら、憑依魔法とは憑依する側とされる側の同意が得られてこそ起動出来る魔法なのだ。一方的な憑依などあり得ない。
「……どういうことですかね?」
「面倒だから答えない」
「では答えて頂きましょうか……。私は、知りたいものは必ず知るッッッッ!」
バッ、と両腕を左右に広げ、そこから魔法陣が現れる。
右からはスケルトンロード。左からはシャーマンロード。
どちらもロード系統の手強い魔獣だ。これほどの魔獣を同時に操れるとは、やはりかなりの実力者だ。
「実力行使ですッッッッ!」
二体は叫びをあげ、剣と杖で攻撃を仕掛けてくる。
普通ならば尻尾を巻いて逃げ出すところだが、九々津は動かずに、
「【分銅】掛ツー」
灰色の魔法陣が、二体を縛る。
ロード系の魔獣が二体とも動けなくなるほどの魔力なのか、魔法陣はロードが暴れてもビクともしていない。
そのまま九々津が追い打ちの魔法。
「【グラビティプレス】」
ベヘモットの時と同様に、シャーマンロードは肉を撒き散らして潰れた。スケルトンロードは身体が割れただけで、死にはしなかったが空中で落下していったのでおそらくは粉々だろう。
「……その魔法……。あなたの魔法ではありませんね?」
カメレオンと戯れながら、片手間に問うてくる。
九々津は無言。
「……もう一度見せて頂きましょう」
また魔法陣から、スケルトンロード。今度は一体だけだ。
ちっ、と舌打ちをしながらスケルトンロードの剣を受け止める。
「【花火】ッ!」
九々津の手のひらを中心として、小さな爆発が起こる。
が、スケルトンロードには効果は無かったのか、口元を歪めて盾で殴りつけてきた。
「くっ……! 【グラビティプレス】ッ!」
先ほどのように、身体は割れるのではなく、魔法陣からの効果によってスケルトンロードの身体は粉々に砕け散った。
その様子を、現世はニヤついて見ていた。
「……その魔法、やはり、やはりそうですか! は、はっは、はっはははははははっ、はははははははははッッッッッッ! 見つけましたよ、見つけましたァァッ!」
「うるっせーな、お前は」
興奮して、大声をあげて笑い転げる現世をよそに、九々津は眠そうに欠伸をしていた。
眼鏡の奥の瞳が怪しく光り、それは九々津の灰色へと変化している髪の毛の眼に集中している。
「こんなところにいたのですね……! 【七大罪】が一人、《怠惰のベルフェゴール》!!! とうとう……見つけましたよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
高笑いが止められていない現世。
対するは、まだ眠そうに。
「……【七大罪】、ねぇ……」
などと言いながら、呑気に欠伸する九々津だった。
今回短いし、ちょっと急展開だった( ;´Д`)
次回、九々津のスゲー過去を明かします!




