第4話 マギレルモノ
目覚まし時計が鳴った。
ツルギはゆっくりと起き上がり、あくびと伸びをした。
スマホを見ると“圏外”の表示が。
「……なんだ?」
暗い。
朝のはずなのに暗い。
足元が見えないほど闇がかかっている。
まるで街が目を閉じているような感覚。
ただ街明かりや月光がないので、夜とも違う。
ツルギは服を着替えると、警戒しながら部屋を出た。
懐中電灯を頼りに廊下を歩く。
状況確認のため職員やムツキがいるであろう作戦室へ向かった。
「だめか?」
「はい、電子機器が全く使えません。モニターや施設内のカメラも映らず……」
「……なんなんだというのだ」
謎の状況への困惑が作戦室にはあった。
「父さん!」
ツルギが部屋のドアを開けて入ってきた。
「ツルギか!」
「父さん……これって……?」
「街も今、謎の停電と帳に見舞われている。おそらく……ghoskeletonの仕業だ」
「ghoskeletonがそんなことできるの?」
「ああ……。ghoskeletonにはいくつかタイプがあるんだ。攻撃型、寄生型、精神汚染型、生物由来型……そして今回のやつと思われるのが擬態型だ」
「擬態型……?」
「人里の建物に化けて根を張り、街中の電気、ガス、水道、インターネットを始めとしたインフラを破壊するタイプの敵だ。時間内に排除しないと街のすべてを乗っ取られる」
「ツルギ、ヒカリ、出てくれ」
「分かりました!」
「今回は時間内にghoskeletonを見つけ出し、すべて倒すことが目的です。残された時間は30分、健闘を祈ります」
「了解!」
オペレーターの通信を聞いてツルギとヒカリは操縦桿を握った。
カタパルトは使えないため、シャッターからスラスターを吹かせて飛び出た。
「夏野ツルギ、メスカ、いきます!」
「海月ヒカリ、μストマ出る」
2人は街の方へ向かうと、ghoskeletonを探し始めた。
「どこにいるんだ……?」
μストマのカメラアイがギロリと後ろ側へ向く。
2機の後ろからghoskeletonが襲いかかった。
ヒカリはビームアックスで素早く斬り落とすと、周りにghoskeletonが湧いていることに気づいた。
「これは……囲まれた……」
「しゃあない、いくよ」
「うん!」
2人はビームソードとビームアックスを構えて、斬りかかっていく。
メスカにghoskeletonが飛びかかってくるのを避けてビームソードで首を落とす。
上空からの攻撃も避けて、その更に上からビームアックスをヒカリは突き刺した。
周囲を囲むghoskeletonを次々と蹴散らしていくと、建物が姿を変え、ghoskeletonになった。
「あれが擬態型か!」
ツルギがghoskeletonの近接攻撃を弾いて斬り返す。
ヒカリはビームライフルを取るとトリガーを引き、ghoskeletonを撃ち倒した。
「まだまだ隠れてる!」
次々と溢れ出てくる擬態型。
ツルギは斬り、ヒカリは撃ち、その長期戦を続けてから残り1分がやってきた。
「どこだ!?」
最後の敵が見つからない。
ツルギは焦りながら探す。
そして見つけた、最後の1匹を。
「うおおおおおおお!!!!」
ツルギはビームソードで突きにかかった。
カウントダウンが迫る、あと4秒。
3秒
「届いた!」
ビームソードがghoskeletonへ刺さったのを感じると、ツルギはそこから十字に斬った。
あと1秒。
その瞬間、ghoskeletonは黒い塵になって消えた。
ツルギは大きくため息を突き、コックピットから帳から晴れた青空を見上げた。
「間に合った……」
今回出てきた機体
④エクセリクシ・μストマ
建造コード
ExE-0099-μ
機体名
エクセリクシ・μストマ
機体情報
ghoskeletonに対抗するために開発された巨大な有人人型戦術兵器。
ghoskeletonを視認、察知できる特殊体質の人間がパイロットとなることでその力を発揮する。頭部の前方は透明な半球状のカバーで覆われており、その中には巨大な二対のモノアイが搭載されている。モノアイは普段は上方を向いているが、戦闘時やghoskeleton観測時には軸を回転させることによって真っ直ぐに視点を変えることが出来る。腕部と脚部には機体の平衡感覚を保つための推進剤、感覚器官が搭載されており、パイロットと機体の連動性を高めている。




