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第6話 旅に出ます

翌日、私は旅の道具が入った大きめのリュックを背良い、この村を出る事にした。



家の前にはニーナさんとアレクさん、ロウさんの三人が、私を見送るために立っていた。



「ユナ……いつでも帰って来て良いんだからね」



ニーナさんはそう言うと、私の頬に手を当て、すぐさま優しく自分の方へ抱き寄せた。



「はい……今までありがとうございました」



私は自然とニーナさんの背に手を回し、呟く様にそう言った。



「……寂しくなるな」



私達の様子を見ていたアレクさんがそう呟くと、突然ロウさんがズボンのポケットから何かを取り出し、私に「はい」と渡して来た。



「……これは」



どうやらそれは鉄で出来たブレスレットの様で、中央には紫の美しい宝石が埋められていた。



「それは、マギアブレスと言って、魔力を抑えてくれる魔法道具だ。ユナは魔力をコントロールするのが苦手だから、道中に何か問題を起こさない為のお守りだ」


ロウさんはそう言うと、どこか恥ずかしそうにそれを見つめた。



「ふふっ、ロウったら、そのブレスレットを買いに何度も市場まで行って——」



「ちょっ、おいっ?! やめろよ母さん!!」



ロウさんは顔を真っ赤にしてニーナさんにそう言った。



そんなロウさんを、ニーナさんとアレクさんは微笑ましい様子で見つめていた。



私もつい、心の底から小さな笑みが溢れてしまう。



この村で過ごした日々が、走馬灯の様に駆け巡る。



私は小さく息を吸い、呼吸を整える。



「じゃあ、行って来ます」



私は三人の顔をしっかり見つめ、そう言った。



「行ってらっしゃい」



その言葉と同時に、私は柔和な笑みを浮かべ、彼らに背を向けた。



この世界に来て一年。



晴れ渡る空の下で、私の異世界での旅が今、始まろうとしていた。 

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