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第20話 不機嫌なルークくん

翌朝、私たちはセレーネさんたちにお礼をして家を出る事にした。



「気をつけてね」



「はい、ありがとうございました」



私がそう彼女たちに言うと、隣に居たルークが何故か捻くれながら「……ありがとうございました」と小さく呟いた。



「すみません……何故か機嫌が悪くて」



「良いのよ、気にしないで」



「ふふっ」とセレーネさんは優しく微笑む。



本当に申し訳ない……。



「じゃ、行こっか」



私は不機嫌なルークの手を取り、背を向けた。




 アルナ王国の中心部であるカルラ都市はこの村からはかなり離れており、私たちは村の近くから出ている馬車に乗って向かう事にした。




「ねぇ、どうして怒ってるの?」



馬車に揺られながら、横に座っている不機嫌そうなルークにそう聞くと「別に……」と眉を八文字にしてぶっきらぼうに答えた。



「……もう」



私は彼の態度に小さく溜め息を吐く。



何か怒るような事をしてしまったのだろうか。



私はズンと胸の奥が重くなった。



……でもまぁ、そのうち機嫌は治るだろう。



町に着いたら美味しいモノでも買ってあげようかな。



そう思い自分を落ち着かせる事にした。



「ユナさんが悪いんですよ……全部」



突然小さく呟いた彼は、耳を真っ赤にして蹲ってしまった。



「え、ごめん……」



「……気にしないでください」



プイッと両頬を膨らませ、ルークは私を見つめた。



暫く沈黙の時間が続き、景色でも眺めているとある事を思い出した。




「……そう言えばルーク、嘘ついたでしょ」



「……嘘?」



私がそう言うと、ルークは眉をひそめながらじっと私の顔を見る。



「うん。ルークが使った移転魔法さ、詠唱した場所から1㎞以内の場所に行けるって言ってたけど、あれ嘘でしょ?」



「何でそう思うんですか……」



「だって詠唱した場所と移転した場所、全然距離が離れてるから」



ルークは私の言葉を聞くともじもじと手を動かす。



「いや……あの時は……えっと……そう言うしかなかったって言うか」



冷や汗が彼の頬を伝う。別に怒ってないけどさ……。



「じゃあさ。私たちの約束の中に、二人の間では嘘をつかないって事を追加しよう?」



私はルークの顔を見てはっきり口に出す。



「怒らないから、これからは本当の事を言ってね」



「ね?」と私が小指を差し出し、ルークの指と絡めた。



「はい、じゃあこの話はこれで終わり」



「……ユナさん」



ルークは子犬の様な瞳で私を見つめてくる。多分、「ごめんなさい」って意味だろうけど。


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