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第21話 不穏な空気

次回は明日更新予定です。

カルラ都市に着くと、そこはもう人が集まり溢れかえっていた。



「凄い人集りですね……」



「そうだね、はぐれない様に気をつけないと」



私たちはくっ付き、なるべく離れない様に歩く。



メインストリートでは屋台やお店がいくつも出ており、野菜や果物などが新鮮な状態で売られていた。



「わぁ、ユナさん……これ、とっても美味しそうです……!!」



ルークは赤い果物に指をさし、輝く目で私を見つめる。



「……しょうがないなぁ」



私はお店の人に声をかけ、ルークに果物を差し出した。



「ゆっくり食べるんだよ?」



「はい、ありがとうございますっ!!」



ルークは満遍の笑みを浮かべ、果物を口に入れる。本当はあまりお金を使いたくないけど……なんかルークを見てると買ってあげたくなっちゃうんだよね。




「そう言えば聞いた? 夜になると現れるって言う——」



「あぁ、私も聞いたわ……本当物騒よねぇ」




背後から女性の話し声が聞こえる。



噂話だろうか……この都市は比較的治安が良いって話だけど。



「ユナさん……」



「……ん?」



ルークに声をかけられ彼の方を見ると、彼の口は真っ赤に染まっていた。



「ちょっ?! 大丈夫っ?!」



「すみません……」



彼は涙を浮かべながら今にも泣き出しそうな目で私を見つめていた。



私はすぐさまお店の人に声をかけハンカチをもらった。



「……ふぅ、危なかった」



何とか事なきを終え、私たちは今メインストリートから離れた道を歩いている。



「ユナさん、どこへ向かっているんですか?」



何も知らないルークは純粋な顔で私を見上げた。



「えっと……仕事を貰える……場所」



私がそう言うと、どこかルークは申し訳なさそうな表情を浮かべた。



「すみません……僕のせいで」



「いや、ルークのせいじゃなくて……元々ここへ来たらお金貯めようと思ってたし……」



正直、手持ちの金は以前よりかなり減ってしまった。



飲み食いしてるとお金ってすぐ減るんですよ。



しばらく歩いていると、一軒の建物に辿り着いた。人気はなく、どこか薄暗い空気が漂っている。



「……こんにちは」



私たちはドアを開け、カウンターに座っている男性に声をかける。



男性は煙草を吸い、鋭い目付きで私たちを見つめた。



「なんだ……ガキか」



男性は愛想なくそう言い、「ふんっ」と馬鹿にした様に笑った。



「ユ、ユナさんっ……」



ルークは私の袖を掴み、怖がっている様子を見せる。



「あの……私たち、仕事を貰いに来たんですけど」



私が真剣にそう言うと、男性はしばらく私たちをジッと見つめ、口を開いた。



「……いくら欲しい?」



「え」



「金に困ってんだろ?いくら欲しんだ」




男性はそう言うとジッと圧をかけ、からかう様にそう言った。



この人、私たちで遊んでないか?



「……そうですね、金貨を何枚か頂けたら嬉しいです」



私がそう言うと男性は「はっ」と笑い、私たを見つめた。



「金貨を何枚……? そんなんで良いのか、嬢ちゃん?」



「……それはどう言う」



私がそう聞けば、彼は怪しい笑みを浮かべた。



「良い仕事がある。簡単に金貨を集められて今すぐにでも取り組める仕事だ」



私はゴクっと唾を飲んだ。



「どうだ、この仕事——引き受けるか?」




彼の問いに戸惑うも、私は「はい」と答えた。


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