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第9話 食堂

「これ、本当に食べても良いのですかっ?!」



「うん、良いよ」



お腹を空かせた少年を、私はそのままに出来ず近くの食堂で少年にご飯をご馳走する事にした。



食堂には人が賑わっており楽しそうな声が響き渡っている。



少年は目の前に置かれた食べ物を前に、少年は目を輝かせて涎を垂らしていた。



「では、頂きます」



少年はそう言いひと口頬張ると、顔からは笑顔が溢れ

幸せそうに食事を味わう。



「美味しそうに食べるなぁ」と感心し、私もつい彼につられて腹の音が鳴りそうになる。



そんな彼を私はじっと見ていると、彼はある時急に食べている手を止め、周囲を気にする様に視線を巡らせた。



「どうしたの?」



「い、いえ……別に……」



彼は被っているフードを触り、顔を隠す様にフードを深く押し下げる。



彼の仕草はまるで誰かに追われている様に見えた。



「ねぇ、どうしてそんなに顔を隠してるの?」



「……っ」



私がそう聞くと、彼は突如ピタッと動きを止めて黙り込んでしまった。



何か変な事を聞いてしまったのだろうか。



突然彼と私の間に暫く沈黙が流れる。



「……えっと——」



私が口を開けると少年は立ち上がり、私に向けて深く頭を下げた。



「すみません、用事があるのを忘れていました」



少年はそう言うと、「本当にありがとうございました」と言い、走る様に食堂を出て行ってしまった。



「えぇっ?! ちょっと!!」



私が少年に声をかけるも、彼の姿はもうなかった。



私が机に目をやると、そこには綺麗に食べ尽くされた食器だけが残ってた。



「……どうしたんだろ」


私は彼に何か気の障る様な事をしてしまったのだろうか。


私の胸には、小さな違和感だけが残っていた。

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