その27:独房からの脱出
かなりゴタゴタしていますが、気にせず読んで頂けたら嬉しいです。
ギィーっと鉄の扉が開いた……そこには、唖然とした様子の小肥り男が立っていた。
顎が外れんばかりに口をあんぐり開けている。思わず吹き出してしまいそうになったのは秘密だ。
「な、何故……だ?」
俺が逃げ出せると思っていなかったのか、一人でブツブツと呟きながらこっちを見ている。
そりゃ……、こんなか弱そうな女の子が、あの鋼鉄製の手枷を外せるなんて普通考えないわな。
でもまぁ、ちょうど良い。
どうせ殺す予定だったんだ。
探す手間が省けて助かった━━━と、言いたい所だが惜しいな……、俺と同じような目に遭わせて殺したかったんだが。
今は脱出が最優先だ。復讐は、後々じっくりやるとしよう。
ゆっくりと出口へ向かって歩いて行くと、小肥り男が騒ぎ出した。
「ひぃ!こ、此方に来るな━━━かはっ!」
一瞬で背後に回り込み、手刀を首に当てて意識を刈り取る。
驚いた事に、身体強化を使わないでこの速さだ……、一歩踏み出した感覚で瞬間移動レベルの速度が出た。
首筋に当てた手刀も、危なく首を切り落とす所だった。
しかし、こんな知ってたかの様に説明できるのは、動体視力も飛躍的に上がっている為だろう。
何故か左目に違和感があるな……。
男を左目の視界に納めると、全身を巡る魔力の流れがハッキリ見える。
同じように、空気中に漂ってる魔力も見える。
某忍者マンガの写◯眼みたいだな……視界が少し赤っぽいのは気のせいでは無いだろう。
予想外のアクシデントはあったが、ようやく脱出できる。
さて。それでは━━━、
「宣戦布告としますか」
俺は不敵に笑いながら、壁に自分の血で宣戦布告を残しその場を去った━━━。
◇◼◇◼◇◼
「しっかし……無駄に広いな」
現在俺は、現在進行系で迷子になっていた……そりゃ、案内も無しに歩き回ったら迷うわな。
それでも気配を消しながら進んで行くと、金庫室の様な場所を見つけた。高い魔力を感じる。
「死にそうなら早く脱出しろや!」と思うかも知れないが、キュウを喰ったから、最初ほど焦って無いのも一つの原因かもしれない。
決して好奇心に負けた訳じゃないとだけ言っておこう。
まっ。今の俺にかかれば、こんな金庫なんて無いも同然だ。
鍵穴に土魔法で作った鍵を挿し込み回すと、ガチヤっと心地良い音をたてて金庫の扉が開いた。
今の俺ならル◯ン三世と良い勝負ができるかもしれない。
そして中に入ると、体育館程の広さの部屋に、国の国宝とでも言うべき代物がところ狭しと置かれていた。
「おぉ……すげーな」
思わず感嘆の声が出る。
とりあえず全て亜空間……この名前も変えるか。心機一転っというやつだ。
某狩ゲーを参照して『アイテムボックス』と名付けるか。
『アイテムボックス』に国宝全てを入れる。
慰謝料って事で良いよな?……ね?
金庫の中はきれいさっぱり片付いた。
なんという事でしょう……劇的ビフォーアフターだな。
思わぬ臨時報酬を得てから脱出を再開する。
◇◼◇◼◇◼
外に出ると、辺たりは暗くなっていた。
これなら夜の闇に紛れて脱出できそうだ。
後ろを振り返って見上げると立派な城が建っていた。
俺は今まで城に幽閉されてたのか……。
すると必然的に、俺を拉致したのはこの国の重鎮だろうと理解する。
だが、そんな事は関係ない。
何処の誰であろうと━━━、
「俺に敵対したからには……殺してやるよ」
そう独り言を呟き、俺の姿は王都のやみに消えていった。
まいど、四葉です。
最近話の展開を考えるのを苦労しています。
文才が欲しい……。
もう少し王都編が続きますが、根気よく付き合ってください。
これからも本作品をよろしくお願いいたします。
誤字・雑字の報告も引き続きよろしくお願いいたします!




