その26:絶望の中で俺は 後編
ーーー敵対する者は殺す……たとえどんな手段を用いても。
深く心に根付いた新たな価値観だが……、気持ちだけでは何の意味もい。
それ相応の力がなければ、そんな覚悟や想いなんて無いも同然だ。
それ以前に、まずは此処を脱出しなければ話にもならない。
何よりも俺自身、時間がない気がする……。
感覚神経が麻痺してきてるのか、回りの温度も空腹感もわからなくなってきた。
死が迫ってくるのを本能が告げている。
早く脱出しなければ冗談抜きに死ぬ。
そういえば……冷静になって考えてみたら、どうして魔法を使わなかったんだ?
いや……今思えば脱出の事をを考える余裕がなかったな。
いきなり拉致されて、見慣れない部屋に連れてこられて、訳もわからず拷問されて、痛くて、怖くて……。
ここは前世の安全・安心な日本じゃないーーーそんな事は前からわかってた……、
「その……はずなんだけどな」
やはり、心のどこかで勝手に思い込んでいたのだろう、「俺が死ぬ訳がない」と。
いつかのチンピラだって無傷で倒せたし、魔法チートだってある。
何より、凛さんが助けてくれると無条件に信じていた。
しかし、その結果が今の自分だ。
一人になれば何もできない無力な存在……。
だから、この先は俺の持てる全ての能力を使って、全力で生きてやると心に誓う。
ーーーと、その前に、
ガキーンと、音をたてながら手足の拘束具が外れた。
魔力で肉体を強化するありがちな魔法だが。初めて使ったため加減が難しく、体のあちこちが軋むように痛むが今は無視だ。
そして……、手足が自由になった俺は飢餓から解放されるべく、本能のままにキュウを喰らった……。
◇◼◇◼
「あ……、がああああああああぁぁぁぁああああーーーっ!!!」
キュウを……いや、下位であるがドラゴン族を取り込んだ効果は凄まじかった。
全身の骨と筋肉が壊れたと錯覚する程の……いや、実際壊れたと思うが、ドラゴンの回復力まで取り込んだ為に、壊れた骨と筋肉が異常な速さで修復されていく。
壊れて治る……、その繰り返し。
「ぐっ!が、がああぁぁぁああー!!」
激痛で床をのたうち回り、気が狂いそうになるのをなんとか繋ぎ止めながら、俺はひたすらに耐えた。
そして、でようやく激痛の嵐が止んだ。
全体の見た目はそう変わっていないが、力が……筋力が大幅に上がった……、気がする。
魔力も以前より増えてる。
多少罪悪感は残るも、生き残る為だと割りきる。
俺を貶めた奴らを皆殺しにしたいが、まずは此処を脱出して準備を整えてからだ。
這いつくばった状態からゆっくり立ち上がる。
すると、ギィーっと鉄の扉が開き、唖然とした様子の小肥り男が立っていた。
まいど、四葉でありやす。
大変お待たせしてしまった事を、この場を借りてお詫び申し上げますーーー、すみませんでした。
他にも、これまで投稿してきた話にも多々問題がありますが。
時間をかけて改善していくので、ご了承ください。
これからも不定期投稿が続きますが、これからも本作品をよろしくお願いいたします。




