その21:色々と面倒な予感.......
辺り一面が血の海になる。
地面も壁も赤一色だ。
しーん、とした静寂が漂う。
静寂を破ったのはチンピラAだった。
「た、助けてくれ〜!!ば……化け猫だぁぁああああ!!!!!」
濃い血の香りが蒸せ返る中、Aが叫びながら逃げていく。
あっ、そう言えばバンダナ脱げちゃったんだっけ。顔とか覚えられたかな?
にしても、化け猫って酷くない?失礼な。
鋼のメンタルが傷付くわ〜……てか、殺っちまったな、しかも派手に。
だが不思議と罪悪感は感じない……相手がクズだったからか?
まあ良い、ここの片ずけをするか。
「亜空間・入」
空間が歪み、亜空間の入り口が開く。
すると、辺りに飛び散った血が亜空間に吸い込まれていく。
掃除機みたいだな……楽で良いけど。
◇■◇■◇
よし!とりあえず片ずけ完了。
後はあの女の子か……、近寄って脈を診てみる。
すると、
「……えっ?」
え?!嘘……心臓止まってない?!
まじか!
ふざけてる場合じゃ無い!直ちに心臓マッサージを開始する。
前世での学校で、授業の一環として習った事がある為スムーズに出来た。訓練大事。
人口呼吸が恥ずかしいとか言ってられない!
むしろ、キs.......人口呼吸を美少女に出来たから儲けものではないだろうか?
むさい野郎よりはずっとマシだな。
「けほ……げほ、げほ!」
おっ、生き返った!良かった〜……。
このまま死んだらどうしようかと思った。
「大丈夫?」
一応問い掛けてみる。
すると、
「あ……貴女は誰!それに、さっきの男たち……は……」
マシンガンの如く一気に喋りだす女の子。
あかんあかん、落ち着いてもいないのに喋るから、過呼吸になってる。
しょうがない.......。
「んっ……?!」
唇を重ねて呼吸を調節してやる。
ビクン、と女の子の身体が跳ねたが当然無視。
今思ったんだが、俺のファーストキスってこの子じゃね?
初めてが人口呼吸とか……泣けるな。
いいや!
俺のファーストキスは既にマイマザーにくれてやったからな!
別に悲しくないぞ!ないったら、ない。
10数秒たっぷり口付けしてから、唇を離してやる。
「ぷはぁ!……な、何するんですか?!私の初接吻を……!」
顔を真っ赤にしながら抗議してくる少女。
別に良いじゃん、減るものでもないし。
てか、初接吻って……。
「ところで、大丈夫か?」
再度問い掛けてみる。
「大丈夫なわけ!……あれ?普通に息が出来る……」
そうか、なら良かった。
「じゃあ私はこれで」
ふっ、俺はクールに去るぜ。
「ま……待って!」
呼び止められました。
有名な退場シーンだったのに……最後までやりたかった……。
「何ですか?」
「あ……貴女の名前を教えて欲しいの!」
「名前?エリス」
そう言い残し、今度こそ去る。
◇■◇■◇
取り残された少女……桜木 桜姫はエリスの去った方向をぼー、と眺めていた。
「エリス……一体貴女は何者?」
頬を赤く染めて、呟く。
「まぁいいわ。貴女が何者であれ、直ぐに見つけるから。だからーーー」
待ってて、
その呟きは、自分の元にやって来た集団によって掻き消された。
「姫〜〜!」
「「「「姫様〜〜〜!!!!!」」」」
やって来たのは、桜の従者の老人と護衛の侍達だった。
「ご無事でしたか!!怪我等はありませんか?!気分は大丈夫ですか?」
「「「「姫様〜!!大丈夫ですか?!」」」」
「大丈夫ですよ。心配を掛けてすみませんでした」
「姫様?本日はやけに素直ですな」
「うふふ、チョットね?」
「左様で御座いますか。ならば、直ぐに城へ戻りますよ!お父上様も大層心配しておられましたからな」
そうして桜一行は立ち去って行ったのであった。
ここまで読んでくださり、ありがとうございますございます!!これからも本作品をよろしくお願いします!
あと、ブックマーク登録・評価・間違いの指摘もお願いします!




