その14:街じゃなくて国?!
今俺は、馬車の屋根裏部屋でオリジナル魔法の練習をしている。何故チートなのに練習が必要かって?
知ってると出来るは違う......使い方がわかっていても、うまく出来なきゃ意味がない。
今練習しているのは『結界魔法』だ。
どんな魔法と聞かれても、文字通りとしか言えない。
イメージとしては、ガラスの箱を思い浮かべてくれ。
さて、そんな意味不明な魔法だが使えれば結構便利なものだった。
練習にはキュウにも協力してもらっている。
結界魔法で出来る事は囲ったり、持ち上げたり、貫いたりする事が出来る。
あとは応用だ。
体を部分的に結界で守れば即席の防具になるし、物を囲ってそのまま消滅させる事も出来る。
一見最強の魔法に見えるが、ちゃんと弱点もある。
まず大きくすると程耐久力が下がる。この結界には耐久値があり、それを超えると壊れる。作る際に使う魔力の量で耐久値が変わる。
次に結界を移動させる事は出来ない。例えばキュウを結界で囲って、そのまま移動させようとしても少しも動かない......しかし、これらの弱点を踏まえた上でもこの魔法は練習する価値がある。
他にもわかった事がある。
まず魔法には属性があり火、風、土、水の4大属性。
その他に光、闇と対極2属性。
さらに、世間一般では無能と蔑まれている無の全8属性がある。
俺はどの属性でも使えるらしいが、普通は1〜3つだそうだ......が、当然使えるにしても得意、不得意はある―――何事にも個人差というものが存在する。
しかしだ諸君......俺は全て試した結果、全て得意だった。完全なチート野郎である。
実験は驚きの連続だった......薪に火をつけようとしたら火力が強すぎて消し炭になったり、水をコップに注ごうとしたら威力調整をミスってコップの底に穴が開いてリンさんをクールに怒らせたりと......まぁ、色々あった。
おっと、話が逸れたな!得意と言っても、利便性とはまた別の話だ。
中でも土魔法は便利だ!
屋根裏部屋を魔法を使って広くしたら、凛さんが目を丸くしていたのは記憶に新しい......当然元に戻したが。
何故かって?
広くした事で馬車の重量が増して速度が落ちたんだよ!俺は悪くねぇ!全部根性無しのチョ○ボが悪いんだ!!
そうやって時間を潰していると関所が見えた。
慌てて耳をバンダナで覆い、尻尾を腰に巻き付け隠す。
街の中ではずっとこれなんだよな〜。
「止まってください」
いかにも偉そうな格好の役人が出てきた。
「関税を払ってください」
ほー、関税を取って街に入る商人を絞っている訳か......やるな異世界。
「いくらだ?」
「銀貨2枚です」
高いな......この国では銀貨1枚で1カ月暮らせるそうだ。2枚って事は2カ月暮らせるってわけで......それを普通に払ってくスタイルのリンさん。意外とお金持ち?
「はい、確かに受け取りました。それではこちらが入国証です」
鉄|(恐らく)のカードを渡してくる役人......てか、街じゃなくて国?!
「説明プリーズ、リンさん!!」
「ありがとう」
「それでは良い旅を」
「......」
マイクを握った形の手をリンさんに向けて固まっている俺を蚊帳の外に、普通に手続きを終わらせるリンさん......スルーですね、わかります。
「さてと......ん?どうかしたの?」
「いいえ、何でもないです......ええ、ないったらないんですよ!」
「そ、そうかい」
若干気圧されているリンさんをよそに、勝手に不機嫌になる俺。主な原因、内なる羞恥心―――そんな俺の内心を見透かしたように、フッ、と微笑む表情が見惚れるほどきれいで、それを隠すつもりでさらにムスッとした顔になる。
「ふふふふっ......」
「ちょっとお姉ちゃん、人の頬を突っつくのは止めてもらえませんか?」
割とナチュラルに不機嫌オーラを醸し出してみる。今きっと俺の周囲には暗黒のオーラが渦巻いていることであろう!
ツンツンツン。
「......」
何てことだ......暗黒のオーラを突き破られるとは―――てか絶対楽しんでるよねこの人!さっきから緩みきった顔で俺のもちもちの頬をツンツンしてくるんですけど?!何?俺って愛玩動物なの?あっ、俺って猫だったよちくしょう!!
「あっ、見えたよエリス。あれが王都桜木王国だ!キリッ」
「......」
ダメだこの人。なんだよ「キリッ」って......ただ効果音つけただけじゃねぇーかー!!意趣返しのつもりで渾身のジト目をリンさんに向かってダイレクトアタック!!
するとバツが悪そうに両手をあげて、お手上げのポーズをとるリンさん。
今回のおこちゃm......義姉妹戦争はまいどありがとうで俺の勝ち☆
と、おふざけはここまでにして真面目に景色を眺めてみる―――ここからでもはっきりわかる巨大な城壁が国そのものを囲っていて、中心には立派な城が建っている。
眼下に広がる巨大な国......前世では決して見られない景色が今目の前にある......それだけで俺は心が躍るのを意識した。
「思ったより大きかったかい?」
「はい......最初に街だと聞いたものですから」
「あー、なるほどね」
納得だよ、と言って微笑む凛さん。俺も自然と口角が吊り上がる......この時俺はワクワクしていた―――後にあるトラブルに巻き込まれると知らずに。
ここまで読んでくださり、ありがとうございますございます!!これからも本作品をよろしくお願いします!
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どうも、四葉です.....
すみません!街[国]に着くまで行きませんでした。
次話で街に入ると思うので、よろしくお願いします!




