その13:訓練最終日
目が覚めると、俺は元いた寝床に戻っていた。
横を見ると、すやすやと眠る凛さんがいた。
昨日俺の意識を奪った大量の情報は、今では綺麗に並列化されている。
しかし女神め...…。
いきなり俺を拉致ったと思えば無理矢理チート改造しやがって!
ほんとあいつの考える事はよー分からん。
まー、なっちまったもんは仕方ない。
この力で無双しながらスローライフに過ごすのも悪くない!
何事もポジティブに!
とりあえず、凛さんを抱き枕にして二度寝しよ。
そして再び眠る俺ーーー
〜4時間後〜
「エリス、起きろ〜」
凛さんか...…。
「むにゃ、あと1時間だけ.…..」
まだ眠いのです...…
「起きないなら、こっちにも考えがあるよ」
毛布から飛び出た尻尾を握るられた。
「ひゃん!あ...…あん!り……凛さん何を!?」
尻尾を握られただけなのに、ここまでいやらしくなるとは...…。
我ながら恐ろしい。
って、それどころじゃねーー!!
「起きるかい?」
まだ尻尾を放してくれない凛さん。
「お、起き…あっ!ますから。はぁん!尻尾は..….らめぇ〜!」
「わかったのならよろしい」
やっと放してもらえた。
「はぁ、はぁ、はぁ.…..お姉ちゃんの悪魔、鬼畜!尻尾を握るなんて、信じられません!」
恨めしそうな目で凛さんを睨む。
「エリスが早く起きないのが悪い」
くっ、それは...…。
「そ、そうですけど....尻尾は敏感なんですから!」
顔を赤くしてうつむく。
自分で言って恥ずかしくなってきた。
「悪かったよ、次はしないからさ」
「むーー..….約束ですよお姉ちゃん」
次やったらハリセンボン飲んでもらいますよ!と付け足す。
「ああ、わかったよ」
「絶対ですよ!」
「はいはい」
まったく、凛さんめ...…。
よりにもよって尻尾を握るとは!
おかげで変な声が出ちまったじゃねーか!
いつか凛さんに ひぎぃ、らめぇ〜! とか言わせてやるよ!
禁断の扉?
知るか!
これは性戦じゃー!!
勝てばよかろうなのだ〜!!
「何か邪なオーラが..….」
だから、何で気づけるんだよ...…。
何かのスキルか?
「まーいい、今日は訓練は訓練でも戦闘系じゃない。街に着いて商売をする時の練習をするよ」
何!?
「リベンジはどうなるんですか凛さん!」
「まぁ、昨日の続きはいつか埋め合わせるよ」
そうか.…..仕方ない。
「続けて良いかい?」
「はい、すみません」
「まず私は、商売は商売でも店を相手に商売をする商人だ」
なるほど...…ある意味運送業って感じか。
「当然相手は値切ってくる。そこを、いかに値切らせずに売るかが焦点になってくる」
「それで、私は何をすれば良いんですか?」
「ああ。エリスには交渉を担当してもらいたいと思う」
それまた何で?
「凛さんの方が経験があって良いと思うのですが...」
「確かに私には経験がある。でも、交渉は私よりコミュニケーション能力がある、エリスがやった方が良いと私は思ったんだよ」
コミュニケーション能力?
「私がですか?」
「ああ、エリスの対人コミュニケーション能力は私より優れている」
「そこまでハッキリ言われると照れますね〜」
「実際本当のことだからね」
そうか...…。
俺のコミュ能力はそこまで高かったのか……HAHAHA!!悪い気はしないぜ!!
「また調子に乗ってる...…」
「は、ははは.…..」
俺は顔に出やすいのだろうか...…今度ポーカーフェースの練習でもしておくか。
「さて、交渉の注意事項を教える。まずはーーー」
そこから凛さん直伝の、交渉術講座が始まり。
終わる頃には夜になっていた。
「終わった〜、座りっぱなしだったから腰が痛いです..….」
「ババ臭いよエリス...…」
あー、こんな時は銭湯に行きたい……。
生粋のジャパニーズ・ピープルの俺には、風呂なしの生活はキツすぎる。
「明日はいよいよ街に着く。今日は早めに寝て明日に備えな」
いよいよか。
異世界に来てから初めての街...…。
「そんな顔しなくても大丈夫だよ。エリスなら何とかなるさ」
「お姉ちゃん」
「それに、何があったかは知らないが。エリスの魔力総量がとんでもないことになってるからね」
「な……何故それを!?」
エ…...エスパーですか!?
「心配しなくても大丈夫だよ。私が特別なだけだから」
そ……そうか。なら良いけど。
「どうもエリスは異質だからね、もう慣れたよ」
「異質ですか...…」
そこまでか!?
「エリスには剣士より魔法使いの方が向いてるかもね。いつか杖を用意しないと」
「すみません、何から何までご迷惑を..….わっ!」
凛さんに正面から抱きしめられた。
「何を今更、エリスは私の妹だろ?家族の為に何かするのは当たり前だよ」
「お姉ちゃん!」
まじ凛さんかっけー……イケメンすぎる!!
惚れる〜!
「お姉ちゃん...…私のお嫁さんになってください!って痛〜!」
久しぶりに、凛さんチョップをくらった。
やはり痛い!
「何馬鹿な事言って!女の子同士でって...…」
珍しく顔を真っ赤にして、凛さんが何かブツブツ言っている。
「お姉ちゃん?」
「もう寝て良いよエリス」
へ?
いや、ちょっと待って、ちょっと待って、お姉〜ちゃん!
「え?でも、まだ夜ご飯を食べてないじゃないですか」
「い..….良いから……良いから寝なさい!!!」
「は、はい〜〜!!」
有無を言わさぬ凛さんの迫力に、戦略的撤退をする俺。
俺そんな悪い事したかな?
そんな波乱に満ちたやり取りで、訓練最終日が終わった。
ここまで読んでくださり、ありがとうございますございます!!これからも本作品をよろしくお願いします!
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まいど四葉であります!
訓練編?が終わりました〜...
書いてて何度も行き詰まりそうになりましたが、何とか書き終わりました!
いよいよ都編?が始まります。
新たなメンバーも加わえるつもりですので、応援よろしくお願いします!




