恋の結末 ③
「しかし不味い事になったな。
鉱山ではなく滅び果てた先住民族の聖地に立つ大神殿でいいのかな表現的に?!
巨大『宗教施設』〜だったとはね〜!」
大王の愚痴にロームルスもゆっくり頷くのだ。
「それを発掘した大統領一家は ーーー軍事クーデターで国家転覆。
主導的立場だったアグライア姫の姉君タレイア殿は、命こそあるものの悲惨な体験を経て、実に不幸で気の毒な境遇に置かれている。
そんな曰く付きの怪しげな場所を、進んで手を着ける事をーーー
あの頭の固い年寄り連中の『王城・元老院』が、諸手を挙げて
ーーー予算を出す許可をするとおもうかい??」
ロームルスが黙って横に首を振ると 「そうだよなぁ〜〜〜〜〜〜!!」
溜息をつくと、大王は、グーーっと椅子の背に体重をかけ目一杯伸びをし、その姿は やんちゃな子犬そっくりの仕草で。
「しょうが無い、この件は、もう少し熟成させてから改めて考えよう。
取りあえず場所と『秘密』は我々のもの、しばらく時間をおいても構わないだろう?
銀河一の美女ーーータレイア姫のご様子はどうだい?」
「まだ暫く時間はかかりますが、必ず元気になると 私は聞いております」
「遺跡〜というか、惑星の問題の場所の開発の権利を持つのは現在、囚われの彼女だけーーー!
もしも現政権の具体的な動きがあれば、ロームルス、お前が『違法行為』だと、銀河法に紐ずく正式な後見人として異議申し立ての訴えを銀河連邦に対して起こせばよい。
身内の合法的な訴えに誰も文句は言えないだろう、ロームルス、この度は色々とご苦労だった」
「身に余る もったいないお言葉でございます」
ロームルスのもったいをつけた言い回しに大王は再びニヤニヤ笑みを浮かべる。
「ーーーところで?」
大王がロームルスと アグライアの顔を交互に見つめ質問をする。
「お前のその大切な姫君を、わざわざこの場に連れてきたのは座標地図の安全のためだけかい?」
「違います」
「だろうな〜!」
ロームルスの言葉に大王は楽しげににこやかに返す。
『〜〜〜〜〜!』 アグライアの心臓は ドキドキ早鐘のように打ち始める。
『とうとうあのお話が〜縁組みのお話が、大王様とかわされるのだわ?』
アグライアの指先が カクカク細かく震え始める。
ロームルスはスルリと立ち上がり、着席していたアグライアにも起立を求める。
「私はアグライアを、末長く大切にする、正式に私の『妻』として迎えたいと願っております。
リーズ大王様からの 『結婚のご許可』を得るために、私はこの場に連れて参りました」
アグライアはあまりの驚愕に、呆然とその場に立ち尽くすばかり。
御伽話の麗しのお姫様のように、嬉しげに微笑みを浮かべる心の余裕など無い。
「ーーーおまえ姫君に、きちんとプロポーズをしたのかい?
ぁあ可愛そうに〜すっかり固まっているじゃないか?」
大王はやれやれ、といった風情で
「『あの場所』
〜今夜、使用を許可するからな、直ぐに整えるよう私から指示をしておくよ。
世話が焼ける朴念仁の君へ 私からの応援だよ」
「温かいご配慮 誠に有り難うございます。」
「ウダウダ〜そこで偉そうにご託を述べてないで姫君さらってさっさと行け!」
王城広報部 上品なお育ち純粋培養のお坊ちゃまスポークスマンが聞いたら腰を抜かしそうな、はすっぱな庶民的口調で言い放つ。
おまけに彼は右手で、ロームルスをシッシ!と手で追い払う仕草をするのだ。
ーーー生憎その時、丁度、大王の呼び寄せた人物が謁見の間に到着。
ロームルスはジャパンより、わざわざ呼び寄せた随行員の責任者としてもう暫く謁見の間に滞在、状況の推移を内心ハラハラとだが確認することにする。
彼自身、妃の最大の後見人であり、どうなるかの推移について極めて心苦しく感じていたからである。
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そんな彼らが慇懃に謁見の間より去って漸く「自分達の番だ」と、行動をいよいよ起こすという思いやりと良識があった
ロームルスは仏頂面で慇懃に会釈をすると、顔面蒼白の姪を伴い 謁見の広間を退出した。




