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報道後 ②


「会話中に割り込みを失礼致しますーーー


現在フレイヤ妃様の身辺に

ーーーその様な動きがあるのですか?」



信繁は丁寧に、美しい発音で警戒心を持たれない様、柔らかい声を敢えて出す。


『何事も最適なタイミングが重要だ

今なら、俺が ”話題に入っても” 別段不審に思われないだろう』


 

信繁の滑らかな物言いに、ロームルスは我が意を得たりとばかり返事をし、信繁は内心ホッとする。



「ぁあーーー…… 誠、けしからん事にーーー!

 

王城で現在、あの御方を良く思っていない連中が暗躍しているのだよーーー!


勿論、そんな謀など叩きつぶすし、オメオメ私の前で無礼で身の程知らずな事は許さぬよ?

ーーー我が名誉にかけて決して好きにはさせぬ」


「ーーーー」


「しかしーーー信繁君?

彼らのような有象無象は残念ながら、今後も性懲りも無くあらわれるだろう。


だからフレイヤ妃殿下とも親しく、覚えが目出度い我が姪を推薦したならば……


こう言う言い方が正しいかどうかは、君に納得がいくかはわからぬがーーー


我が国との戦争で、帰る場所を失ったあの方に、今後ハッキリとした大きな政治的後ろ盾がつく為ーーー


未来永劫、王城で、穏やかに静かにお暮らしになる事が出来る。


あの方は知れば知る程、善いお方だ ……ーーーそう思ってね?」



信繁はーーー 「そうでしたか…深遠なる御配慮に心うたれました」


ロームルスに丁寧に深く礼儀正しく頭を垂れ、そうしながらさり気なく横目で、チラッとアグライアの表情を観察する。



アグライアはさも嬉しそうにニコニコ明るい表情で、叔父に対し微笑んでいる。



だが、信繁には「違和感」が感じられた。

 


『ーーー間違い無い』



眼の光が……暗い。


彼女は、嘘をついている。


しかも……困った事に、相当に年期がいっている。


何故ならばーーーー信繁も”同じタイプ” だったからだ


 

信繁には堂に入った ”堂々としたやり取り”、1目でそれがわかった。


誤魔化しなれてしまっている姿に心の中でーーーフゥッと溜息をつく。

 

『あ〜〜ぁーーー』


自分の周囲を気遣い、全然嬉しくなくとも「有り難う」〜


大人が喜びそうな様子で無邪気に子どもっぽく喜んで見せる、そんな事が実際、幼少時の頃からよくあった。


皆当然している事〜

しかも「正しい事」だと強く信じて思っていたから、疑念や疑問すら頭に浮かばなかった。



ーーーなのにそれがなんと大人になって、バレたのである。


城で、初対面の子龍に「完全否定」

グイッと、鋭く切り込まれて、思わず言葉を失ったことを思い出す。


「ぁのなぁ、オマエ何でそんな嘘臭い目をするんだ?」


「!!」

 

「ざけんなよ、信繁。

ーーー外交官ちの、腹黒坊ちゃんを舐めんなよ?! ぁあ?」



『〜子龍に言い返せなかったな、俺はあの時っっ』



胸ぐらを掴まれて殴り合いの大喧嘩、周囲は止める事も出来ずに右往左往〜


それ以来、子龍は何でも話せる数少ない友人になった。


〜イイヤ、唯一と言っていい。



『これはマズイーーー』 信繁は微かに頬を引き攣らせる。


確かに、その場は誤魔化しで丸く収まるだろう。

 

しかしーーーー!! そうすることの弊害も、身にしみてよく知っていた。


”先送り”に、ただ問題の時間軸をずらしたに過ぎず、正面から向き合わず逃げただけなのだ。


『〜誰も幸せにならないだろ 一体誰得なんだ?』



思わず抱いたほろ苦い気持ちに ”経験者”である彼は、更に心の中で呟く。




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