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驚愕の真相 ②


空を巡る星座の神話では昴(スバル)ーーーー

 

いにしえより「M45」〜このプレアデス星団をギリシャ神話の中では美しい仲のよい天空の7姉妹達と呼びならわして来た。

 

肉眼では「6」 ところがもう1つ、実は美しく輝く星が天にあったそうだ。


これは6つの星は見えるのに 「7つめは余程目が良くなければ見えない」〜


言われている事から来るらしいのだが、そのせいか、それこそ世界中に本来7個有った星がいつしか〜いつの間にやら何故か6個になったという伝承は各地に伝えられている。



神話では麗しい7姉妹の1人の”彼女”は、自らが産んだ慈しむ最愛の息子が、嘗て心を込めて作った国、素晴らしい美しき華麗なトロイアの町。


それが大戦争で燃えさかり灰燼と化し、愛する息子の子孫である人々が滅びてしまったという悲しみが余りに強かった。


この引き裂かれる心の痛みに耐えきれずとうとう一筋の流れ星となり地上に向けて堕ち、燃え尽きて消えてしまったのだそうだ。


そうではなくて或いは彗星になり、漆黒の無常の宇宙を旅する彷徨い人になってしまったのであると。



『確かにこんな良心的な人物もクーデター中、数人は必ずや居るには居たに違いない』


ーーーが、きっと蟷螂の斧〜

 

彼等も女神と似た運命を辿ったと信繁は苦い気持ちで想うのである。

 



鉱脈資源は、正に『トロイの木馬』状態だった。



座標開示を 最後まで拒んだ大統領夫妻は銃殺、そして生き残った娘はーーー


『……次次に不幸を呼ぶ魅惑的欲望の塊ーーーか……?』

 


極秘の場所~ 鉱脈の測定現場にも立ち会い『それ』を知っているのは 既にこの世でただ1人。


座標地図をどこかに、確実に今でも隠し持つのは、ここに収監の〜元大統領令嬢タレイアだけだ。



しかし動乱のショックと肉体 精神への拷問同様の扱い~


ーーー記憶の混乱で……精神の変調をきたした彼女自身、すでにそれの位置情報は失われてしまったに等しい状態。


だがたった一つだけ方策がないわけではない、ソレが彼女とは一心同体の存在、愛する姉妹アグライアを本人と再会させれば若しくは〜というプランである。



「上手く 〜2つの勢力から利用されたって訳ね」


「そうなりますね」



ーーーーー……事実は事実、信繁は城主に淡々と答えるに留める。



策略家で鳴らす惑星トール・軍事参謀長官ロームルスが、大王の気持ちを動かし超法規的処置を取って迄、こちらにホログラム通信で連絡をとって来た事。


 

姪アグライアの気持ちをくみ取りつつ、ジャパン『城』へ、莫大な契約料を支払ってまで来訪させる事が『出来た理由』。



本当の目的は、姪の「長女タレイア」が今となっては唯一心を開くと思われる人物。


妹アグライアからの説得~ 鉱脈をしめす筈の座標軸の情報収集だった。



『これか~!!』 信繁は思わず顔をしかめる。


敢えて……秘密を言わなかった 「知らせなかった」理由。



それを知っていたら、信繁が絶対にアグライアのガード依頼を受けない〜


しかも最悪〜「邪魔立てする事」が冷静に判っていたからだろう。



性格的に おそらく必ず弱者側に付くだろう事。


姉タレイアの失われた記憶再現を〜苦しい、ほじくり返す辛い行為を性質故に望まないだろう事。



しかしーーーもしもアグライアが「姉の説得に失敗」したら??


それを口実にカサにかかり「君も責任取ってトールに来い」〜とでも畳み掛けてくる気だっただろうか??


イヤそれは判らないが……「あり得る話」でもあり、またーーーー「絶対に有り得ない話」でもあった。



信繁は『やられた~!!』、鮮やかすぎる華麗な策謀に苦い顔を作るのだ。



頭の中でロームルスの『してやったり!』得意げな ”会心の笑み”が浮かんだ。


でもどうしてなのかーーーー『何かが心に引っかかった』


というのも、しかし……あのホログラムの閣下の口ぶりでは、彼は”本気”で姪のアグライアの事を気にかけていると思われたのだ。


『妙だな』


あの時のロームルスの目にはーーー彼女は自分にとって『心から大切』だと、その点だけに於いては極めて真面目で、全く嘘偽りが浮かんで無かったのだ。



同性である男にしか これだけは女性にわからない〜阿吽の呼吸の様なもの。


大切な姪というよりもおそらくその気持ちは……



〜但し肝心な本人が肉欲を弾き飛ばしたプラトニックで、純粋で深く真剣な気持ちに気がついているかどうかはーーーー別物で不明である。


 

男なら誰だってーーー好きな女の子の気持ちや願いは全力で叶えたいのだ。

 

父性愛に近い感覚で、ピュアに叶える事に喜びを見いだすものなのだ。



それを考えると、一概に一方的に「悪だ」」不純だ』と、ロームルスを酷い奴だと非難する事は信繁に心情的に出来なかった。




この先自分はどうしたものかーーーー


アグライア嬢には何故か、上流階級所属の人物にありがちな嫌らしさが一欠片もまるで感じられなかった。


……というよりも滅多にいないーーーー素朴で純情な人物。


繊細な美しい見かけと同じく、心根の真っ直ぐに透き通る極めて真面目、かつ純真な人となりに見えた。



だからどうしてロームルス程の人物が、あれ程ーーーー!!


自分に真摯に依頼をしたのかが、実際に面会し会ってみて実によくわかった。

 

ーーーー理解出来たのだ、




「そりゃぁ男なら誰だって、彼女を醜い物から遠ざけ、泣かせず傷つけずに大切に助け守りたいだろうな……」



狼と呼ばれ、忌み嫌われる男の唯一の弱点……


「トロイア戦争の英雄」アキレウスただ1つの急所……”くるぶし”があった様に



それが「彼女」なのだ。



この先は嫌でも騒乱に巻き込まれる事は必至、決して無傷では居られない。

だからこそ自分が選出されたのである。



『さてーーーと、ーーー……どうしたもんかな……?』

 

やり場の無い、やり切れない感情の為、信繁は 深い溜息をついた。





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