ロームルスの姪、アグライアの心情 ④
トール軍部要職の〜軍事参謀長官職につく叔父様の〜ありとあらゆるネットワークと方策を使っての必死の捜索の結果
2年後ーーーー……
この世で不可能の事が無い筈の叔父上ですら万策尽きる頃、思いがけない事が切っ掛けで漸く姉の居所が判明した。
だがーーー…… 何もかも既に手遅れだった。
惑星「地球」ーーー龍の形をした島国「ジャパン」
かの国、その中でも特に秘密のベールに厚く覆われた……
伝説的な最悪の忌まわしき場所!
1度入ったら最後……2度と元の社会に出る事が叶わないと云う、絶対的脱獄不可能の”究極の監獄”
銀河最高の鉄壁の防御壁を張り巡らせた、特殊監獄。
異次元 高次元空間に造営された「城」へ……!
新生ラオコーン・軍事政権、父を殺してその地位に就任した新しい大統領の直の依頼によって、タレイアはここに収監されていたのだ。
もう……どうにもならない
そうーーー……
最愛の姉タレイアは、厳重な特殊警備設備の中に収監された、囚われ人の身の上だった。
わかった切っ掛けは、「トールの大天使」のお導きとしか言えない。
惑星フレイ第5王女ーーー……フレイヤ様が、銀河中の最も悪名高い監獄〜
彼女も又、城に収監された事による。
「あそこは、銀河中のアンダーグラウンド情報が集積された場所だからね!」
ロームルス叔父様が秘密裏に〜手薄になったほんの僅かな「隙」を狙い撃ちし。
恐ろしい程の高額の契約金を結んでまで 監獄内部情報を一か八かでハッカーに探らせたのだ。
ーーー叔父様は生き生きしていた。
あんなに 綺麗な碧い目が表情豊かにキラキラ輝くだなんて、何だか見てはいけないものを見る気がして
ーーーー切なかった。
……叔父様は、私が大好きな優しくて格好いいロームルス叔父様は、昔から
大昔から
母とタレイアの事になると、もう夢中だったから!!
モヤモヤする気持ちの中、急に記憶の深い闇の中から……
揺らめきながら、プカリと浮かんで来た〜ある不思議な思い出があった。
「君の姉君タレイアの居所がわかった!」
……〜心から嬉しげに報告をしてくれた叔父に、ふと思い出した、その……”とある短い伝達の思い出”〜
姉からの「ホログラムメッセージ」の事を伝えた。
ーーー言わずにいられなかったのだ。
あれは、軍事クーデターが起きる本当に ”直前” の出来事だ。
ボンヤリーーー叔父の久々の明るい顔色を見て、ぁあーーー瞳の色が私達に、少し似ていると思った。
それが引き金になりーーーそう言えばタレイアから「謎めいた奇妙な」伝言が。
しかもーーーー!! わざわざ、最新式ホログラム通信での連絡。
銀河を瞬時に跨ぐ為、通信費が途轍もなく莫大な方法の、そんな有り得ない不可思議なメッセージが1通、そう言えばあった事を突然思いだしたのだ。
ーーーあの時、丁度私は、授業の関係で居住区を留守にしていた。
「なんだろう……??」
ホログラムの着信に気がつき直ぐに返信をしたのだが。
ところが待てど暮らせど、どうした訳か? 姉からのアクセスは無かった。
ーーーー嫌な予感がした。
何時も私が返送すると、直ぐに ”連絡” を、必ず再びしてくれる、そんな優しい姉だったのに??
不安に思いーーーーー
普段は禁忌と言って良い特別な緊急の通信網で……! 直接ラオコーン政府と連絡を取ろうと頑張った。
しかし~……全くアクセス不能状態で、通信機器は不気味に沈黙。
シーーンと いつまでも静まりかえるばかり。
その謎がやっと解けたのは……
電脳ジャーナル緊急速報~ 最新配信記事からである。
電脳ジャーナルの ”記事” はーーーー
ラオコーン大統領府が軍部クーデターにより堕ちた事。
父や母や姉の平和な居住区全てが、紅蓮の炎でメラメラと焼き尽くされた事を映像にて伝えていた。
あの時ーーー寄りにもよって、どうして家を留守にしていたのか!!
悔やんでも悔やみきれず自分の愚かさを呪い……
神様を呪い
……あんなに国の為に働いた、私の家族を見殺しにして……!
助けて、守ってくれなかった恩知らずの祖国の国の人々を呪い、私は留学先で、この世の全てを恨みながら1晩中泣き続けた。
ーーーホログラム映像の姉は、輝く微笑で「ウフフフフ」……!!
堪えても堪えても 喜びが隠しきれない様子だった。
「次に連絡した時に教えてあげるね!
それまで お た の し み !! 」
ーーーいつになく、もったいをつけ 明るく凄く嬉しそうだった。
姉は何を私に〜……
「教えてあげる」 つもりだったのか??
そしてあの赤い光ーーー
ミステリアスな鮮やかな燃えるような紅い色、目を射る眩い煌めき
あれは一体全体、何だったのだろうかーーーー?
私の”たわいない話”を聞き、大切に保管、ずっと丁寧に保存していたメモリーチップを……
わざわざ人払いした叔父様の執務室で たった2人きりで見た。
私が叔父様に提出した、謎めいたホログラム映像を見たロームルス叔父様は何故だかーーー?
どういう事か、急に顔色を変えた。
何かジッと……〜
大きな掌のガッシリした指を組み合わせて長い間考え込んでいた。
そしてーーーー……ゆっくりこう私に約束してくれるのだ。
「タレイアの事だがーー勿論ーーー今は私とて無理だが……
大王様からも内密に承認を取り付け、必ず君を、城に収監中の姉上に会わせてあげよう。
”あの存在”……は……! 子どもを怖がらせる噂話レヴェルならともかく。
本来〜まぁ銀河『公認の秘密』ではあるが、内情や実情は銀河トップシークレットだ。
今にも全て知りたい気持ちは有るが、しかし ”私の低い身分”では……
あそこには 残念ながらアクセス不能なんだよ」
低い身分??? ーーー私は驚いた
ロームルス叔父様が、私に何を言ってるのか判らなかったからだ。
叔父様は〜こふんと小さく咳払いをする。
「あそこーーーはね、アグライア?
城、は、 ”本当のその星のトップ” そう!皇帝、王、大統領、国家元首……
これ以外でなければ、或いはこの現世〜で、人類最高の高位であられる尊きお方、ただお一人だけだよ。
営々と「永く続いた慣例」で、彼らの様な人間しか依頼の、最初の直接の接触は 厳重に禁じられている。
ーーーーそれが破られる事は絶対に無いのだよ……!
分不相応に掟を破り、下手に近づけば、施設への攻撃の意思有りとみなされ
『存在ごと』ーーーーー
簡単に丸ごと闇に葬り去られるんだよ!
”そんな事例”が……私の知る限りでも過去無数にあった。
『彼ら』にとって正式の接触方法〜……この国の場合で言うとだね?
リーズ大王が……自ら依頼をお出しになるしか術はないんだよ。
しかし〜…大王様の御意向があらば、初めて向こうも 固く閉ざされたガードを緩め
”こちらの依頼”に、誠実に、きちんと対応し応じてくれるだろう……」
「ーーーそんな事 出来るの??」
ロームルス叔父様はおもむろに ウンウンと頷いた。
「出来る!」
自信に満ちた声色だった。
「〜……私の見立てが『正しければ』 〜多分可能だ。
リーズ大王様も 必ずや推して下さるだろう。
ところでこの ”メッセージの事” 〜それと赤い光の事を、君は『誰か』に言ったかい??」
「〜いいえ、私ですら〜……あの大混乱で……
存在を今までーーー…… 一切忘れていました…」
「〜このホログラムメッセージの事は、絶対に誰にも言ってはいけないよ??
いいね? でないと最悪ーーー君の命にも関わると思うんだ。
私は絶対に……! 姉の娘の『君』まで失いたくは無い……
そうなったら、悔やんでも悔やみきれない!
亡くなった敬愛する優しい姉に申し開きが出来ない、いいね??
……約束だよ?」
「はいっっ!」
ロームルス叔父様の碧い美しい瞳は、今まで全然見たことが無い程!
本気で……真剣そのものだった。
姉タレイアは生きている
無事で この世で 再び逢えるーーーー!!
まだとても信じられない、白昼夢を見ている様だ
「わかりましたーーー……お約束致します」
私は叔父様の目を見て、ハッキリ承諾の意思を伝えた。




