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打ち上げで美味しいお酒を飲みましょう ③


信繁は腹を括り打ち明け始める。


「……『仮眠室』だよ、流石に疲れたんだ。

 

少しーーーー考えをまとめる為にだ、暫く、活動しすぎの脳を休めたかったんだよ。

 

むやみやたら活性化すればいいってもんじゃ無いしな?


それに30分程、誰とも会わずひっそり1人になりたかったしなぁーー」



「フーーーン、お前にしては珍しい事で……?

ソリャ相当なハードな会見だったんだな」

 


「つまりは いつもの”城主”との『詰め』、じゃあ無かったって事ですか??」



「ぁあ、行ったら肝を潰したよ。

最新式極秘回線〜……それも最新型ホログラム通信で、惑星トールの軍事参謀長官ロームルス閣下が居た」


「!!」


「……それ…は…」

「ーーーー!」



「ふっ、もうーー速攻、回れ右して帰ろうかとビビったよ」



信繁は、”班長”としてーーー


頼りがいがある、信繁班中核メンバーである自分を日々支えてくれる子龍と雅の2人、それから新戦力と育成中のヨンに……


今日の昼下がり、城主立ち会いの元で行われた執務室での会見、顛末をおもむろに語り始める。



信繁へのーーーー…… 直々のロームルスの依頼!



今夜はーーーーーー……


その重い出来事の意味する事を考えると、不屈の彼ですら飲まずにいられない。


信繁は自分用グラスに金色の酒をなみなみ注ぐ……


「まだ飲むだろ子龍?」


「くれ」


「……」


信繁は子龍の空っぽのマイグラスにも同じ様に注ぎ込むと、流れで雅とヨンにもハイボールを新たに作る。



特殊部隊〜作戦による出動は殆ど夜間である。



近年は人工知能・電子光学機器の発達により真っ暗闇でも昼間とさほど変わらない条件で活動が出来る。


幸いーーー……今夜は緊急出動も、明日の日の出に向けて運良く無さそうだ。




誰も何も言わない、無言の時間が暫く過ぎてゆく。







「ーーーーーーと 言うことなんだよ」


信繁は語れる事の出来る事情を全て話すと、最近長くなってきた前髪を、大きな手の長い指で煩わしげにグシャッとかき上げる。



「この先 一体全体どうなっていくんだろうな……」



優秀な彼ですら、全く今後の行く末が……読めなかったのだ。



専用のグラスに、むっつり固い表情で、爽やかな香りのウィスキーを再度なみなみ注ぐ。


アルコールに逃げることは普段しない彼にとって、コレは珍しい事だ。


しかし流石に、今夜はいい加減やってられない。



「こっえーーーーーーーーーーーーーーー!!」


「何もかも全てを知り、事情を踏まえた上で……信繁さんにその依頼って!!


何かとんでもない、不気味な思考力と神経の持ち主ですね?ロームルス閣下は」



「……妖怪だろ??」 ボソッと子龍が言葉を返す。



「惑星トールで〜ロームルス閣下についたあだ名〜通り名は『狼』


惑星フレイ攻略も、現実の指揮は ロームルス閣下だ。


ーーー例え艦隊先頭がトール大王だとしても、計画立案は 彼が絵図を描いたような物だ……


〜でなければーーーーーあれ程の、銀河でも高度な文化都市防衛機能を持つ1国の古王朝が僅かたったの ”2日”……


最も防衛に神経を尖らせる空域だ、首都である王都が易々と制空権を取られるなんかそもそもありえない。


政府機関が密集した国家の中枢〜心臓部、しかも主に王族が住む王宮が陥落する訳無いんだよ?



ーーー……銀河最強の軍事国家、惑星トール


しかも歴代最高と下馬評の参謀長官、不世出の軍人と評価が高い人物、類い希な能力を秘めた政治家。


……ーーーカラクリなんて、まぁそんなもんだろう」



信繁がグイッと金色のウィスキーを煽ると、グラスの中の丸氷がカランーーー

心地よい軽やかな音を立てる。



「でもーーー本当にたったそれだけの依頼なんでしょうか?」


不安ーーーー……不審げな表情の雅が信繁に聞く。



「わからないーーーただーーー仕事が簡単すぎると俺も思う……


先方に、こちらには予想もつかない隠された極秘事項があるのだろうな

『山が動く』ーーーーー……かも知れない」




何かがーーーー…… 起きる



手の中のグラスを手持ちぶさたにコロコロ回すと、金の液体の中 丸氷が軽やかに優雅にクルッと回転する。




「”言えない意図” ~お前の見立てではーーー隠された思惑があるって事か?」



「ーーーーーーー」


「そうなんだな?」


子龍の暗い指摘に視線を落とした信繁は無言で頷く。




「しかしーーーー……仮に ”あったとしても” ……!


俺達は単なる組織の『駒』にしか過ぎない、精一杯、踊るしか方策は無い」


「なんか腹立ちますね……?」


「だったら信繁、注意深く行動しないと 足下掬われるぞ?」


「わかってる……兎に角 Betーーーー

カードは『テーブル』に配られたんだ。

俺達は持ち札を握りしめ、何所までもトコトンやるしかない」



「”イカサマカード”ーーー 中に混じってなきゃ良いがな?」


「ーーーあり得る話ですよ?信繁さん」


「ーーーーかもな」


「いーけどよー 泣き寝入りは絶対にすんなよ? 

”班長”〜いや俺の、大切な ”機長” さんよ?」


「勿論だ」



全員の無言の熱い視線が絡み合う。




GO!!

 


ーーーーーとびきりの嵐が来る




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