番外編3 フレイヤ姫に捧げる富士登攀計画 (20)
さてーーーー時は移る
見るからにスポーツやってます!
富士山系のマラソンの練習中です!……にしか見えない高身長揃い、ぱっと見でも明らかに”多国籍”の海外勢を率いる信繁班〜…
ーーー警備ドローンを頭上に従える藤チーム
流石に商店街等の中はノンビリと歩く歩行者との接触事故を避ける為にランは控え、それに走るとーー……!
『窃盗事件』……
盗難後の外国勢窃盗集団が善良な店主から逃亡を謀ろうと追いかけられ〜ドタバタと逃げている様に見えなくも無い。
「勘違いされる行為は慎むべき」 信繁は全員にそう言い渡す
藤の言う通り職務質問はされず、むしろ……その逆が起きる。
合同メンバーは何と道行く地元の人達にも、彼方此方で好意的に話しかけられた
ーーーそれも何度も何度も。
「ほほぅ、最近はやってるんだねぇ〜!」
「来年に向けて練習かい?せいが出るねぇ」
「若いのに奇特だねぇ〜」
信繁はニコニコと人なつっこい仏さんのような笑みで高齢者の方々の目線にスイッと膝を折る。
面倒そうな嫌がる様子は見せず、相変わらず”聞き役”の才能は抜群だ。
質問への優雅な受け流し方も堂に入っている。
「そうなんです、今年こそは”100マイル”に出ようかなーっとこうして今〜
仲間で訓練中なんですよ!
ーーー昨年は”後ちょっと”で、ダメで」
信繁はサングラスをそういう時は必ず外している。
そして……目を覗き込み堪らない優しい笑顔でニコニコニコッと微笑むと人なつっこい茶色の瞳が悪戯っぽく輝く。
「お兄さん格好いいねぇ、ウチの孫なんかどうかい?」
「お孫さんきっとおばあちゃんに似て美人に決まってるから『選び放題』〜
むさ苦しい自分なんか相手にしませんよ」
「はははぁ〜そうかいそうかい〜〜! 上手い事言うねぇおにぃさん〜!」
「そんなこと無いですよーーー?」
「だけどまぁ、選考漏れ、ソイツは無念だったねぇ
お兄さんは良い体をしているからねーーー…ぇきっと次は大丈夫さ!
実は私も1回だけ出場した事があって、グルリ富士山1周は大変だったけど面白かったよ」
「凄いですねぇ!」
「はははぁ『冥土の土産』さ、夜〜山裾の稜線〜、一直線にピカッと光の帯が出来るんだよ。
今でも思い出すけどーーーアレは美しくってねぇ」
「へーーーっっそれは何ですか? おばぁちゃん??」
「出場の、二晩走るランナーが頭に着けた装着が義務づけられたヘッドライトの灯りだなんだよ。
彼等が点灯する光の帯さ!
……アレを見た瞬間の感動は今でも決して忘れられないんだよねぇ〜〜」
「それは是非見たいですねっっ!」
信繁は最後までニコニコ応対し、そうしたフレンドリーな姿勢を崩さず商業地区と、街中の中心街を無事通過、誘導を図った。
但し ”富士山に登る事” 富士宮ルートでの富士山登山
ーーーーこれからの登攀については一言も言わない。
今現在の軽装は不審に思われるだけーーー
”無用の混乱は絶対に避ける”という一種の要領と独特の考え方がそこにあった。
「そんな格好で!!」 見た瞬間「言うに決まってる」
それについても事実よくわかっているのだ。
信繁としては ”友好的であることは示し、好奇心は満足させる”
……が自分の要求事は通す。
主眼の目的は果たす
不審に思われる事で、善良さ故の不安感からタイムロス、足止めを食い、
下手に引き留められて緻密に計算した登山計画に歪みが出るのを避けたかったのだ。
まず何が何でも結構な街中にある(起点を含めて)2番目のチェックポイントを決めた時間で通過する。
電脳でのアクセスで位置情報を送る。
ーーーこの場所は湯治場も兼ねており、ここで着替え兼、軽いマッサージやストレッチを各自行う。
こうした事は後でまとめて〜ではなく実は定期的に少しづつ行った方が逆に効果的である。
水分の補給や行動食の栄養も少し取る
ーーー……マダマダ先は長い




