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第四章 終章 ①

 

城・特殊部隊~数班による、深夜帯某作戦〜合同における制圧はいとも簡単に終了する。


ジャパンの運営するスペースコロニー、RURI-Aに住む「闇のフィクサー」


ーーー非合法組織の間で、永らくそう呼ばれ続けた怪人によりジャパン富士樹海に持ち込まれた国籍不明の宇宙戦闘艦は、人知れず排除。


特殊部隊各班の隊員達〜

彼らの精神的核になり獅子奮迅の活躍を見せたのは、精鋭「信繁班」である。


信繁の武道による鬼神のような肉体的身体の動きは、高額な契約金にて警護するボディガード陣すら凌駕し拘束。


怪人のジャパン入国後の動きは、監視衛星による国内移動経路についても全てつぶさに何もかもモニタリングされていた。


怪人は自分に敵対した5人兄弟が、城へ収監される時を同じく潜入。


ーーーおそれ知らずにも最先端の兵器をフル装備、密やかにジャパン国内へ入国したのだ。


独自論理で、自分に身の程知らずにも目障りに傲慢に逆らった憎き彼らを、怪人自らの手で直々に始末しようとたくらんだかと思われた。


ーーー「五人会議」での審査の結果

治外法権的権限を持つ、超法規的領域である城への攻撃という銀河絶対のタブー


〜禁忌に対しての、ぬぐい去れぬ黒い疑惑がもたれた事で審議に掛けられた。


怪人の身柄確保決定は、五人会議メンバー全員一致の結論である。




「速やかに全ての銃火器の使用をするべし」


「どんな手段をも決して選ばず、生死に関わらず確保せよ」




「城」は公然の秘密とはいえ、絶対に表に公表することができない矛盾を孕む特殊極秘収容施設である。


手段を選ばず、襲撃その他を前もって回避・排除するのは存在の防衛上、至極当然の当たり前過ぎる責務でもある。


因みに一応は、城主は前もってジャパン内閣府にも形だけの連絡をし、やはり先方からも如何にもおざなりな、形式だけの極秘許可が送られて来た。



「うーーーんとぉ……」


城主はセッセと城が誇る高性能マザーコンピューターをこき使い、ドサリと疑惑を炙り出す。


〜今まで司法の目をかいくぐり、「闇のフィクサー」〜怪人が黒い疑惑を持たれていた様々な事件の数々。


ーーー関与する裏情報

コロニー都市の監視カメラからも、とっくに消去されたはずの犯行映像をサルベージ、解像度を最高グレードまでアップした上で引っ張り出した。


〜例え犯行時刻が深夜でも、これではまるで昼間のような鮮明さだ。



「ふふん、クッキリハッキリねー♪」


城主はしかも更に、誰が見たってこれでは言い逃れは難しい様に、カラー立体再現を全角度よりグルグル隅々回せるようにも科学班に命じた。


それから人工知能での合成映像ではないという、ジャパン政府公式発表の目印もマーキングとして取り込ませる。


抜け目なく城が持つ特殊経路より、厳然たる物的証拠も山のように回収した。




ーーー過去、ジャパンが運営するスペースコロニー RURIーAから出航、宇宙空間にて爆発炎上した未解決「スペースシャトル爆破テロ事件」


被害者周囲で生きる、星の数ほど多くの人々の一生を、一瞬で根底より狂わせた悲劇。


ーーーこの許しがたい犯罪。


シャトル搭乗名簿に一名だけ、正体不明の偽名で登録された乗客がいた。


おそらくこの人物が「何かを」、コロニーRURI-Aより持ち出そうとして、組織に見せしめ的に殺害されたのだろうと城のマザーコンピューターは結論付けた。


「よっぽどのものかーーーーはてさてそうでないのか、はこの先、しっかり締め上げるといたしましょうか?」


なにせ手段なぞ、城にはいくらだってあるのだ。


本人が忘れている深い記憶すら特殊機器で取り出せる上に、巨大クリスタル球に写し出し、大勢の他人が秘密を勝手に覗く、暴くことすら可能なのだから。


城主は心を込めて、怪人が背後で黒幕として暗躍したとする決定的、絶対的な動かしがたい「証拠」も執念深く追跡選別、手に入るだけ、揃えるだけだけ揃える


深くは何も言わず語らず説明せず、いつものように知らん顔でジャパン内閣府に提出した。



城主は勿論「銀河最強の報道集団」と自ら自負する「電脳ジャーナル」本部に。


スペースシャトル爆発事件における子細を、キッチリはっきり政府に送ったものと同一資料でリークすることも忘れなかった。


後は例え自分が放っておいても怪人が操る組織の壊滅に尽力、正々堂々いつの日か彼らの手で、陽の当たる正義の司直の場につかされることであろう。



「だって行いは円をえがくのだものねぇ〜♪


洒落たあだ名の怪人君も、一生ツキまくりってぜーんぜん有り得ないって、そんなアホほど簡単な事もわかんなかったのかしらねぇ〜」


〜まぁいずれにせよ、ザマァーーーミロだわ!!あっはっはっはぁ〜〜〜



「ーーーにしても今回電脳ジャーナルは、棚からぼたもち状態。

一番得をしたのは本当、彼らよねぇ〜


ぁそだ♡ まーーた一段と、高い名声を何ぁんにもせずに銀河に轟かせるってのはちょっと面白くないわよねぇ。

じゃ、箏と凪君の悲しい恋物語を売り込もうかしらー


うん、例えばぁーーーー


〜悲恋のせいで精神的に負荷かかかり続け、兄弟をマネジメントし銀河一の音楽集団に育てあげると言う愛する彼女の遺言、愛の誓いを叶えたもののとうとう燃え尽き力尽き、精神が壊れてしまいました。


兄弟仲の良い音楽集団は秘された全貌の全てを知り、心の療養中の彼を兄弟全員で今度は恩義のある自分たちが助け、手強き病と戦うことに決め、音楽家としては無期限の休養に入ったと」


ええ、これならば、事件に対して当たらずとも遠からずだしーーー?

不審がる世間にも十分言い訳はたつわよねぇーーーー


ファンの心にも「なら仕方がないよね」って響くだろうし??



「こちらの収監もまぁ、数年単位でも辻褄が合い別段怪しまれないだろうしね」



城主はウッフッフと笑い寛ぐと〜

自分が座る革の立派な椅子を、クルクルキャッキャ、大いに回して楽しんだ。



無論、こんな微細な手心で、まさか御遺族や大切な生命を手折られた人々の哀しみが癒えるとは到底思えない。


大切な、失われた命がこの世界に還ってくる訳でも無い。



ーーーだけど何にもしないよりはうんとましだろう。



散々椅子に遊び飽きた城主は、自分以外誰も居ない執務室内で、ふーーっ……


大きく溜息をついた



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