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番外編2 子龍の学生時代の思い出 (18)


「桜香 桜香ーーーーありがとなぁ……

俺と哲兄〜お前いなかったら〜 あの場で間違いなく死んでたよ!!


お前は命の恩人だよ!!


でも あんまり無茶するなよなぁーーーー 

心配したゾ ホントに……〜〜!

マジで心臓止まりそうだったんだぞ?」



どこかキョトンとする顔〜

人間だったら ”そんな感じ?” の桜香嬢は「なんのこっちゃ?」という様子でありながらも


”新しい夫”

気持ちが高ぶり、完全に取り乱す自分が配偶者と認める子龍に それでも、大人しく抱き締められていた。




ーーーその時……!〜である。



子龍と桜香の周りを、ヒューヒューピーピーという口笛と割れんばかりの大歓声!


パチパチパチ〜〜〜

いつまでも鳴り止まない 大きな拍手が取り囲んだ。


「これほどの勇気ある少年を見たことが無いッッ!

〜”これが初めて” という全く銃初心者と思えないガンファイトに我が輩は驚いた!」


「何という友愛!」


「是非とも……!

銃火器に関する正規の教育をきちっと彼は今後するべきだ!」


ーーーー惑星トール、銀河連邦加盟惑星中最強と謳われる軍事惑星。


最高の 「その道エキスパート」が大勢揃う星


この星はそういった ”事情” で、特殊専門機関の教育システムが充実していた


地球〜

特に法律で何百年も平和主義を貫くジャパンでは、こうはいかなかったろう。



子龍は内心『偶然だろ?』と思っていたが、即座に潜在能力を見抜いた〜

その日に鹿狩りに参加した紳士達の見立ては正しかった。


事実あれよあれよ〜という間に、子龍は同世代の中でも凄まじいスコアを連続してたたき出し、周囲を圧倒する勢いでグングン頭角を表しトップに躍り出た。






「ねぇ哲兄〜……?」

「ん〜?どうしたんだい?」


「あのさーー……俺、玉蘭と桜香に付き合って……

生活習慣として狩り場の遠方物がよく見える様になったのがま〜……利点だったかもなぁ?」



子龍は哲に不思議そうに聞いた



『おかしいーー……』


何故だ??


子龍にもどうしてかーーー?だなんて、自分の射撃が何故そんなに命中率がいいのかわからなかった。


何かどこか〜明らかに自分と、射撃場の同年配の彼等と違う気がした。


「いいやーーー自分が異質なんだーーーー!」



子龍はあの熊の動きが全てスローモーションーーーー


否、打ち明けてはいなかったが ”あの時”、実は猛獣の動きが場合によっては静止して見えたのだ。



ーーー桜香が落鳥した瞬間から、ピタリと空中にグリズリーの腕が凍り付いて見えた、

まるでピンで留めつけられた蝶のように。



だから撃つなど造作も無かった

 

そんなだから、ガッと〜毛むくじゃらのフトコロに飛び込むのは全然怖くも無かった。


コマ送りの様に動き出したノロマな熊を、自分は仕留め打ち倒したにすぎないと思っていた。


「偉ぶるも何も、脳の緊急時における突発的作動だろ?」




そうだ絶対……そうに違いないと思っていた


自分は決して異常者じゃないと……!




子龍はその後、広く浅くの、平たく言うと誰とも深い付き合いもしない器用な生き方で人間関係をグイグイ回しまくる。


自分を信頼する武術コーチ陣や長兄の哲


自分の半身〜

大切で信頼する美しい忠実な桜香さえいれば「他は何もいらない」


ーーーードライ過ぎな程 シビアに考えていた。



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