終章 ①
「ーーーなんでしょう」
フレイヤ王女救出任務からほぼ1月後、信繁は城主に執務室に呼び出された。
『……ワザワザ執務室に来させるとはーーー何かまた厄介な依頼があるに違いない』
信繁は入室前に こっそり溜息をついていた。
「あぁ やぁーーーーっと 来たわね〜〜〜!!」
既視感のある態度、城主はまた椅子をグルグルして遊んでいるではないか!
「……」
信繁はいきなりな挙動不審な行動に眉をひそめ、思いっきり身に覚えがある態度に眉を顰める。
「今日の晩、予定があるかしら?
……出来れば貴方の班員全員が望ましいんだけど」
「特に自分にはありませんが?
ですが1度ーーーー皆に確認をしてみます」
「ええ、是非そうしてみて?」
城主はそう言うとーーーーー左耳に美しい黒髪をサラリとかけた。
『ーーーーーくるぞ……飛び切り危険な命令が!』
信繁は思わず固く身構える。
「何も 嫌がらせみたいにそんな嫌な顔しなくっても〜〜〜〜!」
苦笑する城主に、難しい顔をした信繁は平然と言い返す。
「いいえ貴女には 前例がありすぎるので」
「まーーーーーー!! やーね!!」
城主はクスクス笑うが、一向に堪えた様子は無い。
それどころか、なんだか逆に楽しげですらある。
信繁はハーーーーッと大きく溜息をついた。
そんな彼の様子を見て、益々楽しげに声を立てて笑うのが憎たらしい。
『何なんだ一体……』
人を混乱させて楽しむという、本当に人が悪い上官であった。
**************
「何とかして下さい!!」
実は、城主はこの1月の信繁の様子に対し、彼の親友である副操縦士の子龍から直訴されていたのだ。
「任務とは言え、どうして真面目な彼に あんな厄介な『説得役』という役目を負わせたのですか??」
「それはまぁ……色々と、彼が適任者だったからよ?」
フンッと子龍は鼻で笑う。
「ーーーーーよくそういう事を俺に言いますね?
嘘は……
もう少し上手について下さい」
彼はせせら笑う。
「大体ーーー貴女はわかっていましたよね??
こうなることが全てーーーーーー!!」
彼は怒った、心の底から激怒したーーーと言っても過言でない。
「いいですかーーー?? 信繁は、アイツはもうーーーーーー!!
充分すぎる程!!手に負えない、抱えきれない荷物を背負っているんですよ?!
わかっているはずじゃないですか!!」
「まぁ……そうだけど」
「ええ、ええ、そうでしょう、わかっていたからこそ、この俺を!!
外交官の兄の哲の赴任と共に惑星トールに渡航し、留学先トールで嫌というほどあらゆる他言語と、銃と体術、銀河最強と言われる軍事訓練の修練を積んだ俺を!!
城ーーーー就職の際、ヤツの面倒を見るのが条件〜
信繁との、『ルームメイト』として最初っから計画採用、業務上のバディとしてもフォローするようーーー!
その上で、回転翼機の操縦法をトールで学んでくるよう貴女が直で指示を出したんでしょう!」
「ーーーーそうだったわね」




