襲撃 ④
その時だった。
また何処か遠くで。
パラパラッと 小さな音が微かに聞こえた。
『?でも 聞き間違いじゃ無いわ?!』
耳に伝わる残響音が 僅かに先程と異なったからだ。
ーーーーーーーと
コロコロコロコローーーーー
リーダー格の男の足下に、後方の何処からか。
金属製の黒い小さな筒が コツンッーーー 転がって来る
黒い塊を見るなり、フレイヤは再び両耳をしっかり掌でガードし、唇を開け、ガバッと身体を床に伏せる。
キーーーーーーーーーーーン!!!
音響閃光弾!!
耳をつんざく凄まじい激烈な鋭い音と 一瞬で白く周囲を染め抜く激しい強烈な閃光ーーー!!
続いてモクモクと広がる白い煙ーーーーーー!!
どこからともなく煙幕は部屋一杯に 瞬時にくまなく広がった。
バリン ドカッツ!!
ウッという、くぐもった音とドサリという音が、あちらこちらで断続的に響き渡る。
突然、全ての音がしなくなった。
フレイヤは床に突っ伏していた肩を、トントンと穏やかにタップされる。
「もう大丈夫ですよ」
聞き慣れた優しい声が 耳元でした。
『・・・・・・・・・・』
フレイヤはうっすらと目を開ける。
『・・・・・・・・!!ーーーーー』
涙腺が緩みそうになるのを必死で堪え忍ぶ。
そこには「城」〜深い樹海で別れた時そのままのガッシリと頑丈な 特殊部隊のフル装備装束で。
全身バトルスーツで完全武装の〜極めて背の高い、目出し帽の男ーーーーが。
信繁がいた。
「よく頑張りましたね」
特殊部隊隊員は敵側に素顔を晒すことは厳禁。
万が一自身の素性が明らかにされると、彼らの大切な身内の人間に誘拐、拉致監禁、殺害など間違いなく生命の危機が及ぶからだ。
勿論それによる卑怯な脅迫も並行して行われる。
だからどの国籍、如何なる惑星の兵士であろうとも、強襲現場に突入の特殊部隊 隊員達はもれなく目出し帽等で身体の特徴を伏せ正体を隠している。
だがフレイヤにはそれでも直ぐに、自分の前の相手が誰だかわかったのだ。
自分を安心させようと優しく励ましてくれた声だけでーーーー
「信繁様!!」
『今は泣いては絶対にダメだ!!』
そんな場合ではないと、フレイヤは込み上げる物をグッと堪える。
でも手の小刻みな震え、足のガタ付きが止まらない。
とーーーー!
いきなり急に、グッと大きな身体に引き寄せられるのだ。
「本当にーーー!! よく頑張られました」
『信繁ーーーー様ーーー??』
気がついたら、フレイヤはスッポリと 大きな体の中に抱き締められていた。
「本当に よくぞご無事でーーーー!!」
記憶の中では常に余裕綽々で冷静だった、そんな信繁の声が微かに震えていたのを フレイヤは包まれる腕の中で確かに感じとった。




