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面会三日目 ③

『明日ーーー来てくれるの?

そう言ってーーーまた来ないかも知れない!』


 

モヤモヤモヤモヤモヤモヤ 不安が頭をもたげる。



「こういうストレッチは、1度にやってもお体がビックリしてしまいますから。

そうですねぇーーー

明日は軽めのヨガをしませんか?」


『明日?! 明日来てくれるって言うの?! ホント?!絶対?!』



「出来るの?」


ところがフレイヤは、内心のワクワク〜 天へ昇りそうなキャーーっと嬉しい気持ちを押し隠し、あろう事か、わざとブスッと答えてしまうのだ、


ホッペもプーーーッと膨らませて、チラッと睨む。

 


「ええ多少は、これでも武道の指導員の端くれなので」


信繁は〜それにはまるで反応せず、シャラッと答えたからフレイヤ的には面白くない。

 

『何かムカつくわーー!』

フレイヤは自分ばっかり振り回される様で……ちょっとばかり面白くない。


『フーーーンだっ!』


「あぁそれから、先程の ”お話の続き”〜ですが」


「?」


「自分からここへ、先程説明の、女性施術者を呼んでおきます。


ドクターとナースステーションの責任者の方には、自分が直接話をしますからご心配には及びません。

……宜しくお願い致します」


医療スタッフ両名も、礼儀正しく信繁に頭を下げる


「それとーーー……遅くなりましたが、コレをフレイヤ王女様に」


信繁は、物陰の鞄から小さなペタンとした包みを取り出し差し出す。



『何処に隠してたの?!』


まるでーーーー忍術使いだ。


大きさは大体、10×10㎝程度の極々小さな物


信繁は先輩格の澪花にも見せ、「施術の後でフレイヤ様へ」


そう言い残し、今度もまた礼儀正しく、いつもの様にチェアを畳み帰っていく。

 



『?』

 

……何だろうか?


そう思いあぐねているとーーーー……




「コンニチワ! プリンセス・フレイーーヤ ♪ ♪」


間をおかずに、また別の客人がやって来たのである。

 



ーーーー誰ッッ!


「信繁さんかーーーら、私、お話を聞きましぃーーーた!


気分悪いって? それーーー良くないねーーー?

肩と首の、凝りをとるから、楽にしてねーーーっっ


怖くなーい! 怖くなーい! 皆、終わると喜ぶよ?!

 

ついでにお耳も、綺麗にするねーーー!

お姫様も〜っと、もーっと、美人になるよ、これは楽しみだーーー!!」



訪れた謎のおば様は、ガッハッハと大らかに笑うと、フレイヤはあっという間に、彼女の発するよくわからない強気の雰囲気に巻き込まれてしまうのだ。


ガラガラガラッと部屋に運び込まれた、奇妙な形態のベッド。

 

顔の部分がクッション状態〜

でもってドーナツ型にまぁるく穴の開いた、不思議な斜め型の診療台にお腹が負担がないように、上半身をもたせかけられる



「では、開始致しまーーーーす♪」


「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」



痛い!スッゴく痛い! 信繁の嘘つき!



「だっはっはっは〜〜〜〜お客さん硬いねぇ、私そんなに力入れてなーーーい。


これじゃぁーーー気分悪くて、当たり前だね。


プリンセス よく頑張ったねぇーーーー!!


貴女随分我慢強ーーーい、でももぅ大丈夫だよーーー!!」




どうやら一区切りついた様子で、フレイヤはホッとする。


でーーー


ーーーーフゥやれやれ、なんとかやっと終わったと思ったら、ひぃぃぃぃ……


『コレってどういう拷問なの?』



耳の穴に、長〜い円筒形ペーパー製の細長い筒ーーーー!

 

少々のパラフィンを詰め〜〜〜ボッと火を付けて、瞬時に消火。


「ほら出来たーー!! お姫様快適ね! さぁーぁー見てごらんなさいねっっ」



スパッと切れ味が良いナイフで筒を開いたところ、謎の施術者が言った通りに中には確かに分泌系汚れが沢山付着しているのだ。


理屈では、上昇するぽかぽかの熱気で上がったらしい。


まぁ確かにーーースッキリ


気分も身体も、ビックリしすぎたせいかもしれないが



ーーーー体が羽のように軽い!!


 

「〜〜〜〜!」

『もうっっっ!』


信繁が、にやぁ〜〜〜っと、チシャ猫みたく悪戯っぽく笑った意味ーーー


やっとわかった。




こうして驚きと共に、気分が少し落ちついた頃、信繁の置いていった贈り物を開けてみる。



「これ何?」


「まぁかわいい!」


「”おにぎり” ですね!

『ライスボール』とも言いますが フーン〜保冷剤でも冷やしてあるんだ……」


開封すると、中にはちっちゃなちっちゃな、親指と人差し指でチョンと摘まめるサイズの、本当に小さな三角形の ”おにぎり” が4つ、収められていた。


「……どうです?

お食べになれそうですか?」


だからフレイヤは少しーーーせっかくだしと試してみる。


はむっっ

「ーーーーー?」


どうして?!


理由がわからないがーーーー匂いが全くしない。

コレならいけるかも!



「多分ーーー……冷蔵庫でも、予め冷やされてたんでしょうね?

そういえば私、聞いたことありますよ〜妊娠の悪阻中……冷え冷えの


売店で売ってるシンプルな、普通のおにぎりなら食べられたって言う同僚の話。


彼女は、具材は入ってない物が1番好きだったそうです」



「……」


ぱくっ

フレイヤはおそるおそる、他も口に入れてみる。

 

黒い部分が見た目、カーボンみたいで不気味だったけど我慢をする。


「美味しい!」 ーーーー全然嫌な感じがしない。

それどころか、口の中にヒンヤリした粒々がホロホロ解れるのがなんだか楽しい


『全然固くないし? とっても不思議!!

冷たくて冷えていて、何だかとっても美味しい!』


ーーーーあっという間に完食。


エッと思われる、これくらいの少量の方が、今の彼女にはベストである。




「凄いですねぇ」


「〜〜〜流石としか言えませんねぇ信繁様。

伊達に、特殊部隊の班長職で頑張ってる方じゃ無いって事よ。

とにかく格好良すぎだわ!」


二人はホーーーッと感動の溜息を漏らすのだ。



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