↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

117/149

面会二日目 ①


信繁は次の日もフレイヤ王女の病室を訪れた



実はその日の朝の定例会議後ーーーーー……

城主にふと呼び止められた





「今日から上手くいくと思うわ?」


ニコッと そう軽やかに耳打ちすると……


〜ウフフと、曰くありげな微笑みを魅惑的に頬に浮かべて執務室に悠然と去って行った。



「?」


何だあれは?



ーーーー何なんだ一体?!



信繁は怪訝に思ったが、何せ時々、理解をポーンと超えるよくわからない無茶苦茶な反応をする相手なので


『考えても無意味ーーーか?』


……それ以上深く考えないことにした。

 

何故ならば、ああいった人種は信繁の実家に何と3人と一匹


父(言うまでも無い変人奇人、地球外知的生命体)


母(冷静沈着頭脳明晰な分 父より厄介)


妹(憎たらしいが超カワイイ小悪魔系最も困ったタイプ)


北斗星(ジャーマンシェパード)(大変勇敢で賢いがストーカー気質)


ーーーと全種類の変人変犬がコンプリートされていた。



「上手くいくって本当なのか?」



……で、事実その通りになったのだ。


フレイヤ王女と会って、直ぐに動揺しそうになる。



ーーーーー『全然違うじゃないか!!』



そう

前回の、昨日の面会では完全に……


〜全身の毛をフーーーッと逆立てる爪を剥き出し暴れ狂う反応〜


……の、山猫ソックリ!!


戦闘モードバリバリだったフレイヤ王女だったのだがーーーー



面会2日目の、今回は何と何と……!!


まるでうって変わって友好の好意的表現〜〜〜〜



ゴロゴロゴロニャンと甘えて喉を鳴らす家猫……のようなのだ



わからない・・・・・・



全くわからない






『何があったんだ?!』

 

信繁は内心 ウ〜〜〜ンと首を傾げる。



まさかーーーー…!

彼女も城主と同じ未知の種族なのか?


あり得る


本気であり得る!!


「雅説」では、随分健気で真面目なタイプに思えたのだがーーーー


・・・・・・レディは男にとって永遠の謎だ



考えても無理〜と仕方なく気持ちと頭を切り替えた。




複雑怪奇、単純な自分には わかりようもないのだ。

 

あの小さな碧すら、怒り狂って〜怒り出すと手の打ちようが無くどうしようもなかったのだ。



信繁はガックリと 早々に白旗を揚げる事にする。


しかし疑惑と動揺を巧みに、いつもの悪戯っぽい笑顔の下に押し込む。



物事の「牽引役」

リーダーの自分がへたったら上手くいく物も上手く行かない。



一種の擬態


そういう態度は昔から得意だったのだ。


ともかく今日の面会は上手く行きそうでホッとする

 

自分は明日は「用があって来られない」


飛行艇の重要な2次試験〜実技試験の為に朝から遠く離れた訓練施設だ


何とか明後日に「今日が」繋がればいいのだがーーーー


そんな祈りを込めて、「信繁班」総力を挙げて皆であーでもないこーでもない、タップリ準備した小型機材を運び込む。


 


『何とか上手く行くといいが……』



”今回のアイディア” を出したのは何とヨンだった。


コロニー都市D-01生まれのヨンは、クリストファー王太子暗殺未遂事件でテロ行為を起こした犯罪により、上官らと共に城に収監された。


そして彼は「生涯たった一つの望み」で、なんと信繁班への配属を希望し、城主を「ええええ〜!」ひっくり返させたのだ。


確かに、熱烈な切ないまでに思い詰めた執念〜事情を聞けば、全員「成程」とは思ったのも事実。


「まぁ、希望を叶えるのに今回たいして経費もかからないし?」で、「承認」。



現在、肉体に逃亡防止用チップを埋め込んだ上で、時々お試しとして、班内のあれやこれやにスポット的に参加が叶ったのである。



**************



「ちょっとヨン、こっちへ来い」


『?何だ?』


「少し話さないか?」


信繁の美しい流暢な連邦英語。

 

ヨンにしてみれば、とてもこれが母国語では無いだなんて信じられない。



『やはり迷惑か?』


信繁が個人的に自分を呼び出すのはきっと何か有るのだろう。

ここからの逃亡防止か?



世の中信じられないレベルの「上」が居る。


生活水準、その他諸々。


ヨンにとって信繁は知れば知る程、叶わない存在に他ならなかった。


彼は決して偉ぶった事は言わない、挑発行動も取らない。

 

むしろ穏やかで腰も低く、普段は育ちのよい綺麗で上品なボンボンだ。

 

がーーー側に立つと わかる


『コイツは強い』



・・・・・・何かが圧倒的に違った



そもそもヨンにとって彼〜

信繁は憧れであり生涯目指すべき高みだと心に誓って来た。

 

支えと目標があると人間強い。


彼が出会った〜「子どもの頃の信繁の 映像」



ずっとずっといつかーーーー


彼に出会って戦って ”勝つ” 武道の対戦相手として。


それが眼も眩むような ”望み”


初めて会った時、深い樹海に潜伏中の戦闘艦内のバトルで自分は負けた。

 

結果は〜ボロ負け、全く異次元の強さだった。

 

だがしかしその時は大いにヨンは満足した

ーーー達成出来そうも無かった ”悲願” の結果は出たのだから。


しかしそれから暫くして、奇妙な焦燥に悩まされ始める。


どうしてもーーーもう一度

 

イイヤ

 

彼と共に手合わせをしたかった


『じゃないか?少し違うかーーー』


会えば欲が出る


モットモットーーーもっともっと


もっと


技を知りたい

 

彼の下で学びたい

 

次なる高みをーーー見て見たい



もっとーーーーーーーーーーーーー!!


欲は膨らむばかりだった。


だからこそ ”城”での規約に無い約束事


「唯一つの願い」として彼と共に働きたいーーー


無茶ぶりはわかっていたが、城主に『そう願った』のだ。



そんなことを思うヨンが警戒しつつ、反面怯えの心も持ちつつ言われた通りに信繁の側によると、予想外の対応が待っていた。



「このヨンからのアイディアはすごいな」

信繁は提出のチップ文章内容を丁寧に確認しつつ、嬉しげに感心の声をあげて唸る。


ヨンは内心本気で驚いた。


まさかの展開すぎて、囚人としての分を忘れそうな気がした。



「気分が晴れます」


元来、無口なヨンは、ボソッと答える。



「自分はよくみていました」


ーーーええ、貴方の試合映像以外では。


孤独に苛まれ仕事に行き詰まるとーーー……


こういった迫力のある、気持ちが上がる動画をずっと見ていました。


 

「結局は人は独りです」



ーーーーヨンは想像するのだ。


華やかに見えるこの人達は狭いコックピットでー……


どう思ってたのか


何を感じていたのか

 

死の恐怖はなかったのか……

 

そう思うと……深く共感するんです。



とーーーヨンはそういう内容を言おうとしたのだが、相手に上手く、気持ちがとても伝えられそうもなかったからやめておいた。


だがどうやら、文章から意図は汲み取ってもらえた様子で、ヨンはホッとする。



「へぇ・・・・・・?」


「信繁さん! これお姫様、空挺の方ですからいいかも!!」


子龍も雅も余所者の彼を少しばかり見直したようだった



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。