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秘密の内緒話 ②


「えっとーーーどう答えていいのかしら?」


「”お付き合いされている女性の数”  ですか?」


困ったような表情を浮かべているばかり。



「ひょっとして貴女方の”どちらか ”が、恋人同士なの?ノブシゲと?」


 「「 ????? 」」



「そんなに〜綺羅星の如くの、美しい彼女さんがいらっしゃるって事かしら?」


「ーーー??」

 


わからないわけが無いと思うのだが、2人とも 何故か返事をしない。


 

「あのですねーーーー

こういった事は誤解があるとマズイですから、翻訳機を1度、介します」

 

「少々お待ち下さい」



彼女達は丁寧に、美しく滑らかな、連邦英語でそう答えるとーーー


コミュニケーションツールとして用意した、複雑な会話対応のカスタマイズした私物、各自の高性能自動翻訳機を操作し始める。



フレイヤはもう1度 同一の質問を繰り返す。


装置の翻訳言語に彼女達の顔色がサッと変わった。

 

ジャパンの言語で訳され内容を理解したのだ


「それはありません」

 

「皆に優しい方です」


逆バージョン〜

ジャパンの言葉から連邦英語に設定された翻訳機の音声は、今度は甲高い口調でキンキン、そう返答を返す。



「彼お付き合いしてる方、大勢いるでしょう?」


ジャパンの言語に翻訳された音声を聞くと、2人ともブンブン手と首を大きく振った。


即座に「違う違う」という、大きなボディランゲージを示す。



「そんな方 聞いたこともございません!!」


「『勉強と仕事が恋人』だと仰られています」


「ですから皆 私ども女性職員は、彼の勉強を邪魔しないよう、言い交わしてるんです。

ノブシゲ様はどうしてか……

賑やかな場所で集中して行う事を好んでいますから。


えぇーーーそれを破ったら、後で政治力のある『取り巻き』


いえ、”大ファンの方”に怒られるんです

周囲をグルリと取り囲まれてーーーーー……」



「ーーーー何だか凄いですね、怖いですよ?」


「えぇまぁ、信繁様は公平に『皆の物』ですから仕方有りません。

逸脱行為は困るんですよ」


「本当に 信繁様はとても面倒見の良い優しい真面目な方です。

そこがいいんですよ。


ちなみに聞いた話では……物凄いお家のお坊ちゃまなのだそうです。


元々、家業を継ぐべく、大企業の経営者と将来成るように厳格に厳しく育てられて来た方だとか」


2人ともそこまで早口で言い切ると、しゅぅぅぅぅ……

何と! 耳までボウッと真っ赤に染めて俯いてしまう。


ーーーーどうやら人格的にも相当まともらしい。

 


『でもーーーそんな良いところの人物がどうして?

こんなところで特殊部隊、どうして警護なんかしてるの?


変すぎて よくわからないわ?!』



ーーーーーーーーーーー謎過ぎる



フレイヤは、キリリと居住まいを正しはっきり言う。

 

「これから定期的に、その『ノブシゲ』という男性が、どうやらこの病室を、私に会いに訪れるはず。


どうぞ其方の面倒事の方も 宜しくお願いーーーー」


フレイヤがーーーー言うやいなや


2人ともガバッと顔を上げ、目を輝かせて夢中でしゃべり出す。



ガンガンガンガン まるでマシンガントークだ


あまりのスピードに、話す速さが翻訳機の能力を越えてしまい追いつかない。


『どうしちゃったって言うの?!』



興奮が一段落すると、先輩格の女性スタッフーーー名前は「澪花」


後輩の、彼女が業務ペアを組む相方は「比呂美」というのだが……


改めてフレイヤ王女に懇願する。



「この事が 医療スタッフに知れ渡ると。

王女様の看護を熱烈に希望される方々が、必ず男女問わず激増、間違いなく医療棟に殺到するでしょう。


城にはーーーー本当にすばらしいキャリアの方がいるのです。


私達も自分達が持つ技能に、全く自信が無いわけではありませんが。


ーーーですが

能力キャリアとも、留学経験とか、あるいは、そうですね

 

例えば銀河連邦所属のーーーー

国境を越えて活動する医師団に数年随行した事があるとか〜で……

 

そういった我々が足下にも及ばない、キャリア的にビックリする程柔軟で度胸のある優れた医療関係者がいくらでも。


〜〜それはもう沢山いらっしゃいます。


そうなっても……


……どうか、我々を貴女の看護から外さないで欲しいのです。


私達もーーー

最後まで貴女様のご様子を見届けて

 

ここでの緊張とご不安の多い、初めてのご出産までずっと付き添い、無事職務を完走、勤め上げたいのです。


我々は王女様を、心からお慕いしております。


王女様の看護は、これまで以上に励みます。

 

ですから……ご無理を言うようですが、どうか私、澪花と比呂美を 宜しくお願い致します」


そう言うと2人揃って最敬礼の「礼」をフレイヤに深々と行うのである。


 

『そこまで私の事を想ってくれてただなんて……!』



かつて自分に…


最後の最後まで、命を預け運命に付き従ってくれた艦のクルーの輝く笑顔が頭の中に甦る。


思わずーーー胸が苦しくなる。

 

皆無事だろうか……?

 

陰で劣悪な仕返しを受けてないだろうか……?



「わかったわ」


フレイヤが明るい声で了承するとほーーーーっと、甘く蕩けるーーー

安心しきった表情を浮かべた。



 

「いいえ私からも どうか宜しくお願い致します。

我が儘も絶対言うと思うけれど……

勘弁して下さいね?」


「いいえとんでもない!」


「そんな…!!王女様は礼儀正しくて とってもお綺麗で素敵な方です!!」



医療スタッフの2人は零れる笑顔を振りまいた。


花のように瑞々しい 健康的な美しさが溢れ出、ワッと一気に病室が明るくなった。


フレイヤも、何だか重苦しかった気分がウキウキ軽くなり、この人達に出会えて良かったと思うのだ。


 

「でも信じられないですね……

今後ノブシゲ様が直々に始終出向いてくるだなんて

ーーー嘘みたい


あの『1回』だって〜

『一体何で来たんだろう??』ーーーって思いましたもんっっ」


 

「あの方ーー 分刻みで特にお忙しい方だからね。


きっとココの所長が絡む直接の人事介入〜それもかなり強引な依頼でしょうね。

 

だからなるべく、せめてお邪魔にならないように配慮が大切ね。


気に入りのお飲み物も用意しなくちゃ……

ノブシゲ様は、タダでさえ疲れでしょうーーーし?」


「そうそう!

フレイヤ様と接して、和んで貰いたいですよねっっ!」


 

フレイヤはコッソリその様子を観察する。

 


『ここまで周囲に本気で慕われている男性にーーーー酷い男はいないだろう』



どの銘柄の ”ミルクティー用の茶葉” がいいか?


キャイキャイ如何にも楽しげな議論が始まる様子を見て、フレイヤはしみじみ思った。


「そうだっっッーーーーーー!!」


「何よ?ーーー?突拍子も無い声を出して……」



「王女様と『お近づきの印』にーーー……!」



後輩は何やらゴニョゴニョと先輩格の澪花に

ーーーー秘密の『内緒話』を耳元で囁いた。



『??』


「ーーーーそれは良いかもね?

親睦にもなるし、信繁様を知る上手い手段かも」


「でしょでしょ?」


にしても信繁様、いつも優しくて穏やかな方のに、今日ちょっとーーーー

尖ってなかった?」


「そうそう!

何だか お疲れみたいだったし……怖かったです

圧のオーラが半端なかった!!


噂によると、もう直ぐ合格率的に相当厳しい飛行艇の試験らしいですよ?

〜きっとそうですよぅ〜〜〜〜!!


後少しで大事な試験が近いから、きっとナーバスなのかも?」


「……何でそんな事 知ってんの??」


 

「やだなーーーー先輩〜〜何ーーーっを今更!!


ノブシゲ様の事だったら、この私に 何でも聞いて下さいよっっ!

取り巻き、ファンクラブのリーダーに私凄く可愛がられてますから!」

 


「……そう」


「いやいやいや そんなに褒めないで下さい!」

 

「褒めてないしっっ!!」

 


「エッヘン!」っと、”変な威張り方”〜をした、明るくって元気溌剌自慢の後輩に、ベテランの澪花は肩をカクッと落とし溜息をつく。


賑やかな時が流れる、そんな夜間帯だった。




「こんばんわ……!!」

 

「来ちゃいましたぁーーーーっっ」




2人のスタッフは勤務後、ひそやかに病室に忍んで来たのだ。


その夜の警備は、初めて女性特殊部隊 隊員〜だったので、全然人目は気にならない。

 

「書き物滅茶苦茶たまってるでしょ? いっといで」

 

「ぇ いいんですか?澪花さん〜」


「終わったらおいで、でないとまた怒られるわよ?

ーーーー今度何かご馳走してね」


 

澪花がそう言って上手に「追っ払い」、宿直の医療スタッフは 今はナースセンターに詰めている。


2人は『あるモノ』を いそいそと用意して来ていた。


それはーーーーーー!!



信繁を隠し撮りした、女子職員の間で密かに深くディープに 出回っている


ーーーお宝映像




その中でもーーーーーー!!

(当然 私物だ)



記録チップ「 極秘 」扱いになっている特別の


厳重なパスワード付きで秘匿した、超お宝ホログラム映像を、各各持ち寄り、フレイヤにこっそり見せてくれたのだ。



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