第1章妖怪飛脚 とある男 その8
ボチボチ頑張ってます。これを含め、あと二三回でこの章は、終了します。
月姫は、空を見上げていた。
月姫は、こうして、数日毎夜、何時間もの時間、空を見上げて過ごした。
外は、冷えており、妖怪村の集会所には、囲炉裏があって、月姫は、暖をとることが出来た。
月姫は、集会所の中にいるといたたまれない気持ちになった。
月姫は、集会所のから外に出たきり、体が冷えてきても、集会所の中に入ろうとはしなかった。
集会所の中には、与平の死体が運び込まれていた。
与平は、遊郭の宴席で突然苦しみだした。与平の連れ、数人も苦しみだした。与平とその連れとともに、生気の抜けた体が残った。
月姫は、遊郭の奉公人の助けを借りて、月姫が育った通称妖怪村の与平と与平の連れの生気が失せてしまった人形のように見える身体を妖怪村の集会所の建物の中に運び込んだ。
与平たちの容態は、数日たっても好転しなかった。しかし、その一方で悪化したり、腐敗する様子でもなかった。
与平の瀕死の状態については、月姫には考えがあった。与平のお座敷で、その日緊急事態が生じ、与平とその一行は、仮死状態に陥ったわけであるのだが、月姫は、最初は気が動転したのではあるが、すぐに、月姫は、自分を取り戻し、このような非常事態において、月姫は、自分がなすべきことを、冷静に判断していった。月姫は、このような事態が起こることを事前に想定して、この事態に対応して、やるべきことを予行演習でやって来たような行動のスピードと的確さであった。
月姫は、仮死状態にあった与平とその連れを妖怪村に運び込むと、すぐに、例のとある男、案山子男の富三の住まいを訪ねた。
月姫は、とある男、案山子男の富三を頼ろうと考えたのだった。
というのは、富三は、臨死の状態から、回復の見込みがないどころか、何日も危篤の状態が続いた後、奇跡的に息を吹き返したという体験を持っていた。
そして、以前から月姫は、富三から、富三を死の世界から、浮世に呼び戻してくれた恩人の話を聞かされていたからである。




