第47話 帰り道のヒーロー達
手合わせのあと、
少し賑やかな帰り道です。
帰り道。
夕方の空気は、
少しだけ柔らかかった。
「面白かったよ」
マスターが言う。
「サンドイッチもご馳走さん。美味しかったよ」
ひらひらと手を振る。
「じゃあね」
そのまま、
軽い足取りで去っていく。
少しだけ、
静けさが残る。
その間を埋めるように、
声が弾む。
「ねーねー!」
海斗が、
すぐに湊に飛びつく。
「湊くん、お泊まりするんでしょ?」
「……ライガー、みようよ」
陸斗が続く。
湊が、
わずかに目を瞬く。
「お父さんここにいるんだけど……」
清吾が、
ぽつりと呟く。
どこか寂しそうに。
その肩を、
咲也が軽く叩く。
「腕、痛めただろ」
清吾が、
わずかに目を上げる。
左腕には、弁当の保冷剤が当てられていた。
もう、すっかりぬるくなっている。
「夕飯、俺が作るな」
その言葉が落ちた瞬間、
清吾の表情が、ぱっと明るくなる。
「いいんですか!?」
身を乗り出すように聞き返す。
咲也は、
小さく笑う。
「元々、夏希に頼まれてたしな」
「ああ!夏希さん……なんて気配り……!」
「まさに気遣いの女神だ!」
大袈裟に感動する。
咲也は、
苦笑する。
「そういえば、蒼井くん」
視線が、湊に向く。
「この間、仮面ライガーBLACK、面白かったって言ってたな」
湊は頷いて
「ええ。アクションのキレも良かったし、ストーリーも意外と大人向けで楽しめましたし」
その瞬間。
清吾の目が、
きらりと光る。
「なるほど」
ふっと顎に手を当てる。
やけに気取った仕草。
「湊くん、あなた、なかなか見込みのある人のようですね」
わずかに、
口元が上がる。
「仕方ありませんねぇ」
もったいをつけて言う。
「今夜は仮面ライガーBLACK RXオールナイトにしましょうか」
「やったー!!」
海斗が跳ねる。
「……見る」
陸斗も頷く。
湊は、
少し困ったように首を傾げる。
「RX?」
どこかで見たようなやり取りだ。
ーー似たもの夫婦だな。
咲也は、
小さく苦笑した。
湊は、無事にライガー沼へ片足を突っ込みました。




