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異世界最強の転移者と15人の美少女闘刃姫  作者: 西村将太郎
第5章 産業革命
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5-5 モンゴルからの客

ご愛読、ありがとうございます。

モンゴルから使節が来ます。

 大けがを治したナータをファティマ王国に連れて行ったクーヤだったが、ナータを押し付けられそうになって、慌てて帰って来た。


 〇ファティマ王国 王の執務室 転移172日目

 クーヤが帰った執務室では、ナータを除くファティマ王国国王家族での話し合いが行われていた

「ナータは自分の部屋に戻りました」

「王よ、ナータをあの男に嫁がせるとはどういうことですか?!」

 早速、王妃が噛みついてきた。


「まあ聞け。あ奴の知識はこの世界の物とは思えん。お前達、あ奴の国に見当がつくか?」

「いえ、まったく。織田信長という覇者も聞いたことがありません」

 王太子が首を振った。


「俺はあ奴が伝説の落ちてきた者ではないかと思っている」

「たまに異世界から落ちてくる者が居ると聞いたことがあります」

 次男が得意げに話す。


「そうではない。千年前に予言されたこの地球を救う救世主だ」

「そんな話は眉唾ではないですか?」

 まあ、俺もそのまま信じることはできんがな。


「しかし、奴は知識だけではなく、作ることが出来る。俺も若い頃に他の落ちたものに会ったことがあるが。知識はあるがそれを作ることはできなかった」

「そうです。我々だって剣は知っていますが作れませんからね。専門職でもないと」

 そう言うことだ。物を使うことを知っていても作ることは難しい。専門の知識が居る。


「ナータの話を聞く限り、奴は鋼を作り、魔道具を作り、布も作ろうとしているらしい」

「それぐらいなら我々の周りにもいますよ」

「奴はそれを大量に作るのだ。それで単価を下げ、庶民に簡単に買える値段にまで下げるのだ」

 庶民がそれを作る対価として賃金を得、作った製品を買える。それが大事らしい。


「良く解りませんが、それでどうなると言うのです?」

「俺も良く解らんが庶民が潤うと言うのは解る。それをナータに調べさせたいのだ」

「なるほど、話がつながりました。それでナータを嫁にと」

 王太子はうんうんと頷くが王妃は気に入らない。


「そんなことにナータを使うと言うのですか?」

「そんなことと言うが、ナータはクーヤに惚れておる。あいつも喜んでいる」

「それは・・・そうですが・・」


「あいつは可愛そうに貧相な体をしていて、異能も気味が悪いと言われている。こちらでは幸せな結婚は望めないのだ。解ってくれ」

 ファティマ王国では女性は豊満な肉体が好まれる。やせっぽちなナータは敬遠されがちなのだ。


 王妃は何とか納得してくれたようだ。

 後はナータに積極的にアタックさせよう。


 ******


 〇闘刃姫寮 執務室 転移179日目

 あれからナータはしょっちゅう寮に来るようになり、特にアオイのやってる魔道具工場に入り浸っている。

 高炉は無事動き始め、大量の鋼を供給し始めた。圧延工場でそれをレールに加工し、鉄道を作り始めた。

 この鉄道は鉄鉱石や石炭の鉱山に直結する予定だ。


 俺も一時期の忙しさはなくなり、ゆっくりと過ごせるようになった。

 あちらこちらから人も集まってきて、工場も動き始めている。

 後は生徒を募って学校を始めるぞ。


 そんなことを考えているとナビさんから報告があった。

『ヒルダとミヤに新しい異能が発現しました』


「はあ?!異能が後からできるってあるのか?」

『はい、自身の特性に合った異能が発現することがあるようです』

「もしかして日本人にも発現するのか?」

『さあ、それは解りません』


「まあ、いいか。二人の異能はどんなのだ?」

『ヒルダは獣属性、ミヤは闇属性です』

「どんな内容なんだ」


『獣属性は自分より弱い獣や魔獣をコントロールできたり、自身の獣性を上げたりできるようです。

 闇属性は自身の気配を消す技や相手の視覚を奪う技が出来るようです。

 二人ともジュレイやドーテにように異能が成長するようです』

 そうか二人は最初槍の攻撃魔法だけだったけど、結晶化や均一化なんかの生産系の魔法が増えてったもんなあ。


 そんな時ドーテが飛び込んで来た。

「旦那、助けてくれ。殺される」

「穏やかじゃないな。どうした?」

「アオイさんが石炭からゴムを作れって言うんだ。そんなのできる訳がないよ」


 ドーテは必死に訴えるが、ゴーレム車は天帝様から量産せよと言われている優先課題だ。せっかく幹線道路を拡張補修しているのに走らせるゴーレム車がないと言われているのだ。

 石炭からゴムは作れないことは無いが多くの手順が必要だ。


 アオイはドーテの魔法を式にして魔石に組み込むことを目指している。

 今のところタイヤは日本から買うしかない。

 日本円も無尽蔵にあるわけではない。

 ということでドーテには頑張ってもらいたい。


「ドーテすまないな。信帝国のみんなが待ち望んでいるんだ。もう少し頑張ってくれないか?」

「出来たら旦那もうれしいか?」

 疲れ切った顔をしていたドーテが期待に満ちた顔をする。


「もちろんだ。ドーテだから期待してるんだぞ」

「仕方ねえな。旦那のためとあっちゃ頑張るしかねえか」

「すまないな」

 ちょっと心が痛い。出来たらなんか買ってやろう。

 ドーテは走り去っていった。


 しばらく、製鉄所の稼働記録を眺めていると天帝様から通信が来た。

『最近帝城を避けておらんか?』

「はあ、製鉄所が動き始めたので、なかなか離れられなくて」

『まあ、良い。午後から帝城に来い。命令だからな』

 これは逆らえんな。

「分かりました午後一番に帝城に伺います」


 ******


 〇帝城 天帝執務室

 俺が執務室に入ると天帝様と宰相がいた。

「よく来た」

 アンタが濃いって言ったんだろと思ったが顔に出すつもりはない。


「それで御用とは何ですか」

「早速ですか。実は・・」

 宰相に挨拶を抜いたのを怒られたみたいだが天帝様がそれを遮った。


「お主、モンゴル帝国を知っておるか?」

「はい、ヒツジやヤギの放牧が盛んなところで、弓騎兵は強力なところです」

 それくらいは俺でも知ってる。


「む、そうか。実はそのモンゴル帝国から使者が来る」

 この世界ではモンゴル帝国は中国を支配できなかった。

 激しい戦いはあったみたいだが、信帝国はモンゴルを撃退した。

 800年くらい前の話らしい。


「使者と言うのは何をしに来るのですか?」

「それじゃ、きゃつらは製鉄所とそれに付属する工場を見に来るのじゃ」

「はあ、何のために?」

 あの技術はまだこの世界にはない。見に来たって分からないだろう。


「来年から始まる技術学校に人を送り込むためじゃ」

「なるほど、その下調べと言うところですか?」

 まあ、それならいいか、短期間で技術が手に入ると思われるのには抵抗があるからな。


「そうじゃが、使者が問題だ」

「はい?」

「第一皇子と第二皇女がやってくる」


「ええ!意味が解りません」

 なんでそんな偉いさんが来るんだよ。


「実は、我が国との修好条約を望んでいて、これまでも何回か使者の往復があったのだ」

 ふーん、まあ、隣国と仲良くなるのは良いことだ。

「それでお前への依頼だが、皇子達の護衛だ。闘刃姫による護衛をモンゴル帝国が御所望だ」

「はい?」


 どういうことだ?なぜうちの子達が護衛をせねばならんのだ。

「モンゴル帝国も一枚岩ではないのだ。我が国に敵対意志を持つ勢力も居ると言うことだ」

「それが闘刃姫を使う理由ですか?」


 ゴホンと咳払いして天帝様は話し出した。

「闘刃姫は周辺国への抑止力として機能することを世界に知らしめたい」

 やっぱり、今なら近衛でもそこらの国の兵隊には負けることは無いだろう。

 しかし、闘刃姫ならばその十倍の力を持つと周辺国に見せるつもりか。

 まあ、その力を示すときはないだろう。


「依頼は帝城から製鉄所内、そして帝城への約5時間だ。同時に30騎のモンゴル騎兵が護衛に着く」

 まあそれくらいなら良いか。

「それぐらいならいいですよ」

「しかしな・・・いや大丈夫じゃろう」

 日程は1週間後くらいに到着して、一日休んで次の日になる。


 ******


 〇闘刃姫寮 食堂

「・・・と言うことでモンゴル皇族の護衛をすることになった」

 俺は帝城での依頼の内容をみんなに話した。


「絶対なんかあるね」

「確かに」

「クーヤさんが受けてきた依頼でトラブルがなかったことないからね」

 なんか俺がトラブル体質のような話し方をする。


「それってひどくない?」

「事実だろ」

「認めるべき」

「クーヤ殿って、そんなにトラブル体質なんだ」

 新入りのナータまでそんなことを言うのか。


「じゃあ、新兵器の開発を急がなくっちゃ」

「新兵器???」

「内緒、内緒。えへへ」

 アオイとナータが頷き合ってる。

 君達何を企んでるの。


 ******


 〇帝城正門 転移179日目

 あれから1週間、モンゴル使節は二日前に帝城に入った。

 俺達は護衛のため正門で施設の馬車を待っていた。

「アカネ、面を着けておけよ」

「分かってるよ」


 闘刃姫達はユニフォームを身に着け、各人のパーソナルカラーを各所に張り付けていた。

「ナータ、お前のパーソナルカラーは?」

「シルバーだけど間に合ってない」


 ナータは面を外したシルバーのウイッグが風になびく。

 ウイッグしか間に合わなかったか。

「これも間に合った」

 ミニスカートをまくるとシルバーの見せパンが顔を出した。

「それは見せなくていい」

 こいつはヒイ以上に恥じらいがないな。


 奥の方から騎馬が現れた。

「騎乗!」

 俺は合図を出す。

 皆はスクーターに跨る。


 先頭はジュレイとヒイ。

 次は俺がバイクに。

 馬車の右にアカネとライヤ。

 馬車の左にマシロとナータ。

 次はアオイとミヤ

 最後はドーテとマールだ。


 モンゴルの騎馬は馬車と俺達を囲むように

 並んだ。

「アカネ、外に出る前に面を着けろ」

「あ、」

 忘れていたようで慌てて面を着ける。


 行列は粛々と進み始める。

 だいたい製鉄所までの道を30分かけて進む。

 行は何事もなく製鉄所に着いた。


 馬車が停止するとナオジと数人のドワーフが馬車に向かって最敬礼を行う。

 馬車の扉が開くと、執事が出てステップを置く。

 それから出てきたのが20台半ばの男、服装から見てこれが第一皇子か。

 次に出てきたのがやや冷たい目をした美しい少女、いや淑女と言うべきか、これが第二皇女だろう。


 俺はナオジのそばに移り、闘刃姫はあらかじめ指定された場所に散った。

「信帝国相談役クーヤと申します」

「技術学校校長ナオジと申します」

 俺とナオジは二人と握手をして製鉄所の見学順路に着いた。

面白かったですか?何かで評価して頂けると参考になります。

次回はモンゴルに異変が・・・。

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