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異世界最強の転移者と15人の美少女闘刃姫  作者: 西村将太郎
第5章 産業革命
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5-4 伝説の男

ご愛読、ありがとうございます。

今回はナータを送ってクーヤがファティマ王国に行きます。

城を抜け出したナータは手柄がなく困っていたペルシャ帝国の密偵達に襲われて大けがを負ってしまう。なんとか瞬間移動でクーヤのそばに来た彼女は献身的な治療を受けた。


〇闘刃姫寮 転移172日目

『もう命の危険はないでしょう』

アオイの輸血を受け、ナビさんからお墨付きを貰ったナータはまだ眠ったままだ。


「服を着せるのに一回お風呂に入れましょう」

マシロがナータの顔を覗き込んで言った。

サイズ的にはアオイかミヤの物が着れるかな。着れなかったら日本で買うか。

「適当な服がなければ日本で買ってくれ」


「男の子の服ですか?」

「君達も男物は解らんだろ。女物で良いよ」

「そうね。体は女の子だから」


「持っていくぞ」

アカネがシーツで簀巻きにしたナータを担ぎ上げる。

「僕も行くう」

ヒイが後を追うとハイジがついて行く。


「私達はソファーと絨毯を洗濯しましょ」

アオイが先頭になって作業場にソファーと絨毯を運ぶ。


舞い降りたトラブルと言うより、落ちて来たんだけど。

まあ、ナータが意識を取り戻すまで、何にもできないしなあ。

放っておくしかないか。


仕事の続きをしていると女の子の格好をしたナータが現れた。

白の端正なワンピースに身を包んだ姿は全くの女の子だ。

「なんで僕にこんな格好させるのさ?」


「じゃあ俺の服を着るか?」

俺とナータの身長差は30cm近くある。

「そんなの着れるわけないよ」


「じゃあ、我慢して、結構可愛いしな」

俺がそう言うと顔を伏せた。

「そ、そんなわけないじゃない」

あれー、もしかして照れてる?

肌の色が濃いので赤くなってるかは分からないけどな。


「それでどうしたんだ?」

「それがね・・・」

ナータは自分が襲われた経緯を話した。


「でもあんな大けがしたのによく治せたね」

ナータはスカートをまくり上げて自分の腹を見る。

パンツは穿かせてあった。よかった。


「これこれ、君は今女の子なんだからおしとやかにね。そうだ、なんで男の格好をしてたんだ?」

「だって、女じゃ世界を回れないし、父上や兄上が許可してくれない」

どういうこと?女の子では襲われるってことかな。


そこでナータはハッとする。

「あんた、見たよね?」

「え、ああ、お前の裸か?血塗れだったから仕方ないだろ」

「触ったの?」

「女の子だったから、拭くのはミヤに任せたよ」

ホッとしている。

なんか折り合いをつけたようだ。


「早く帰ってやらないと向こうは心配してるんじゃないか?」

「そ、そうだね」

なんかモゾモゾして考えてる。

たぶん帰りたいんだけど、怒られたくないと言ったところかな。


ナータはハッと顔を上げた。

「ねえ、一緒に来てよ」

「へ、なぜだ?」

「だって、父上達が君に会いたがってたし、僕への怒り攻撃が・・・」

あ、俺で身内のお小言を回避する気だ。

そりゃ注意されて外出して。しっかり密偵に襲われたんだから、いい訳のしようもない。


「まあ、素直に怒られておくんだな」

「ひどい、君が悪いのに!」

なぜか俺に対して怒って来た。


「俺が何をしたって言うんだ?」

「君が従者の力を解放しておいてくれたら、密偵なんかに負けなかったのに」

「また制限しておくよ」

「なんでなんだよお!?」

「力を手に入れると魔人にでも突っかかりそうだからな」


俺はナビさんにナータの従者契約を再び制限してもらった。

監視もできないのに解放できない。それぐらい彼女は危なっかしい。


突如、寮中にナータの泣き声が響き渡った。


ウワアアーン!!!


何事とばかりにヒイ、マシロ、アカネが執務室に押し寄せた

君達よっぽど暇なんだね。

「センセーどうしてこの子泣いてるの?」

ヒイが俺に顔を寄せて、ちょっと首を傾げる。

うー、あざといけど可愛いぞ。


「ナータは俺を連れて行かないと親に叱られるんだけど、俺が行きたくないと言ったから泣いてるんだ」

「えー、怒られないなら、ついて行ってあげれば?」

ヒイが何を思ったのかそう言うと、ナータは泣き止みうんうん頷いている。


「エジプトの位置にあるんでしょう。ファティマ王国って。もし、信帝国の後世界を回るつもりなら行ってみても良いんじゃない」

マシロが後押しをするが、アカネとヒイにはエジプトがどこかかも判っていないみたいだ


「なにやってんのよ?」

ソファーと絨毯を洗っていたアオイとミヤが現れた。

「いや、ナータが親に怒られないように俺に着いて来いって言ってるんだよ」

「ふーんついて行ってあげれば」

アオイも簡単に言う。


「え、なんで?」

「その方が居ると面倒臭い仕事が増えそうですから」

ミヤも毒舌を吐く。

どうも、早く追い返したいらしい。

余程、ソファーと絨毯の選択が難しかったのだろう。

ジュレイ、ドーテ、ライヤはまだ戻ってこないみたいだし。


仕方ない、昼飯を食ったら行くか。


******


〇ファティマ王国 王城

その日の午後、俺はナータに続いてファティマ王国の王城の近くに飛んだ。

王城の中は人が多いので近くの人のいないところを選んだ。

ナータは慣れているのかそのまま正門に走って行った。


「ナータだよ。ただいまあ」

そのまま門番に話しかける。

「この人、父上のお客さん。通るよう」


流石に門番が俺をすんなり通すわけがない。

「ナータ様、陛下が心配しておられます。早く行ってあげてください。あなたはちょっと待ってください」

俺を詰め所に運ぼうとする。


「なんで、僕の言うことが分からないの?」

門番に突っかかるナータに俺は言う。

「多分、あのことが知られてるんだ。早く王様のところへ行った方が良い」

そりゃ娘が死んだかもしれないんだ。王様も心配してるだろう。


「駄目だよ。君を連れて行かないと僕が怒られるじゃないか」

おお、初志貫徹だ。って感心してる場合じゃないな。

「とりあえずらちがあきませんから、王様に連絡してもらえませんか?」

俺は門番に王様に連絡するように促す。


「はい、あなたの所属とお名前を教えていただけませんか?」

「私は信帝国相談役クーヤ・アサノと申します」

「ありがとうございます。あちらで少しお待ちください」

俺達は門番の詰め所の応接室に通された。


「もう、僕が説明してるのに何さ!」

「仕方ないだろ、アポもない知らない奴を通せないよ」

俺は門番の対応が間違ってるとは思ってない。


門番が使いに出した若い兵が走って戻って来た。

「陛下がお会いになるそうです。ご案内します」


案内されたのは王様の執務室だった。

部屋には王様、王妃様、王子が二人いた。

挨拶を済ませた後、王様が言った。

「ナータよ、今回の事件とクーヤ殿との関係を説明しなさい」


「アウ」

ナータは仕方なく、市場に行こうとして密偵に襲われて大けがしたこと、クーヤのところに行って治療してもらったことを話した。


「クーヤ殿、ナータの治療というか腕が無くなっていたはず、どのような治療を行っていただいたのか、ナータの腕は健在です。

本当にありがとうございました」

王様は頭を下げた。


俺はびっくりして両手を振って、言った。

「そんな、そこまで感謝されることじゃないので・・・」

そう言って俺って日本人なんだなあ。謙譲が美徳って染み付いてる。

などと思ってしまった。

ほら王様が変な顔してる。こんなやり取りは日本人同士でないと通用しないよなあ。


******


〇王様視点

何だこの男は、俺が感謝しているのに、それほどのことはしてないと言ってくる。

変わった奴だ。

やはり伝説の男なのかもしれんな。


それにしても若い。まだ十代に見える。

それにしても信帝国相談役を任せられる男だ。油断はできんぞ。

「信帝国の相談役と聞くが、具体的に何をされておるのかな」

「私は天帝様から帝国民を豊かに幸福にしてくれと言われて、産業革命を目指しています」


天帝の権力や権威ではなく国民の幸福だと?天帝は理想主義者か?

「俺には産業革命と言うものが解らん。どういうものか説明してくれるか」

「簡単に言えば国民が簡単にたくさんの物を作って、大量に輸送して売る仕組みを作ります。国民は物を作る代わりに賃金を貰って、物を買います。

ぅにはわずかに税金を掛ければ、今まで以上の税収が見込めます」


うーん、言ってることは分かるが、それが同国民を豊かにするのか、税収が増えるのかが解らん。

「すまん、君の言っていることがどういうことになるのかが理解できん」

「そうでしょうね。私が住んでいた国であれば、そう言うことを学校と言う施設で習うので大量生産やインフラ整備が経済を発展させることが解るんですけど」

俺を馬鹿にするのか?


「昔、私の国に織田信長と言う貴族が居ました。その男は関所を廃止し、ギルドを廃止しました」

うん、昔話か。関所を廃止したら敵の間者が入り放題だし、ギルドを廃止したら上納金を貰えなくなるではないか。


「信長の領地には多くの商人が出入りすることとなり、多くの金を落としていきました。信長はその金で兵隊を雇い、周囲の国を平定し、終いには全国をほぼ手に入れました」

なるほど金を手に入れる手段か。それなら分かるが・・。もう一つ理解できん。


俺は王子たちを見た。なぜか理解しようと懸命になっておるではないか。

「クーヤ殿、もっと詳しく知りたい!我が国にもその産業革命は起こせるのか!」

長男の王太子が握りこぶしを固めて叫んだ。

「あなたには、なぜそんな知識があるのだ。あなたは何者なのだ」

次男も新しい知識に興味があるみたいだ。


さて、その新しい知識にも興味はあるが、まだ海の物とも山の物とも解らんか。

そうか信帝国を見ながら取り入れるかどうかを判断すればよい。俺には格好の娘が居るではないか。

どうせ国内では鼻つまみ者の娘だ。


「話が脱線したな。娘を助けてくれた礼だがここに金貨を用意した。それとこのナータを貰ってくれぬか?」

ナータの顔が周知に染まった。まあ、危機を救って貰ったのだ。惚れても不思議ではない。

あたた、王妃が俺をつねって来た。

あとで、あとで説明するから・・・。


「いえ、金貨だけで・・・まだ知り合ったばかりですから」

クーヤはアタフタし出した。

フフフ、知能は優れていても、まだ子供だな。

面白かったですか?何かで評価して頂けると参考になります。

次回はモンゴル帝国から人が来ます。

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