↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界最強の転移者と15人の美少女闘刃姫  作者: 西村将太郎
第5章 産業革命
94/113

5-2 久しぶりのナータ

ご愛読、ありがとうございます。

今回はクーヤと周囲の出来事です。

 製鉄所が完成し、火入れ式を待つ中、天帝はなぜクーヤをこの世界に招き入れたかが分からなくなっていた。


 〇帝城 天帝執務室 天帝 転移169日目

 私はクーヤの召喚について、誰もクーヤがなぜ選ばれたかが解らなかった。

 召喚自体はクーヤの異能で行われたのだが、なぜクーヤを知っていたのかが解らなかった。

 もしかしてシンシアが知っているのかと考えたのだが、青龍国に問い合わせても、彼女も私が指示をして召喚したくらいしか覚えてなかった。


 私は兄上(コウメイ)を執務室に呼んで、私が感じた疑問を話した。

「ふむ、そう言えば何事も私に相談していたお前が、何も相談せずに召喚したな。その後のクーヤの活躍であまり気にすることもなかったがな」

 兄上は妹の質問に不思議そうに答えた。

「そうなのです。いつの間にか多数の異能を持つクーヤを異世界で見つけて、核爆発で魔力が満ちた時にこちらの転移ポイントを教えて、転移させる。あまりに都合良すぎます」


「ふう」

 兄上は大きくため息を吐いた。

「つまり誰かの思惑に乗せられてクーヤをこちらに呼んだと言うことだな」

「そうなのでしょうか?」


 兄上は笑った。

「そんなことが出来るとしたら、神様か悪魔、あるいはご先祖様かもな。クーヤはこれまでお前のために活動してくれた。これからもそうするだろう。そうするとご先祖様が一番怪しいかもな」

「兄上!」

 あまりに突飛な答えに少し怒ってしまった。


「まあ、怒るな。しかし、お前の疑問に論理的な回答も、解決に導くことも出来そうにない。そうなればご先祖様に導かれたと言うのが一番落ち着く」

 兄上は本気で言っている様だ。

 確かにあの時の自分は何者かに操られるように、短時間で解決策を出せた。

 ご先祖様に操られたと考えるのが、落ち着ける考えではあると思う。


 ******


 〇 天都 闘刃姫寮 転移170日目

 俺達は魔人との試合で達人で身体強化が同じくらいなら、同等の実力になることが解った。

 このままでは魔人と真剣での戦いになった時に。死人が出るかもしれない。

 そこで魔刃と異能を含めた戦闘訓練をしているのだが、戦闘用の異能を持ってるのがジュレイとドーテだけなので、あまり効率的とは言えない。


 この日は午前中、3時間の訓練を警らと近衛に付き合った後、寮に戻って食事となった。

 棒中心の警らにはジュレイとドーテが行き、長柄の武器が多い近衛にはマシロとアカネが行き、弓の訓練にはヒイとマールが指導者をインストールして俺とミヤと一緒に両方に顔を出している。


 アオイとライヤは魔道具工場でドワーフたちと工場のモーターとジェネレーターを発電機のライン、新しく作ったゴーレムエンジンを使った船外機のラインを見ている。


 散らばっていた皆が食堂に集まり、食事後のミーティングを始めた。

「もう、インストールした達人と同等まで技は磨いたし、魔力回路の調整で最高だし、もうやることないんじゃない」

 アカネが言うように、いつも結局はそこにたどり着いてしまう。


「ちょっと待って、ミヤちゃんはあの試合危なげなく勝ってるわ。ミヤちゃんの話を聞いてみたい」

 マシロはいつも自分から話すことのないミヤに話を振った。

 皆に注目され、ミヤは小さな声で話し始めた。


「私は早い段階で達人に追い付いたので、格闘技をインストールしました。いろいろと15種類ほどです。それぞれから私に合った技や動きを取り入れています。あ、ごめんなさい。今やってるので16種類目ですね」

 おいおい。俺でも剣以外は4種類だぞ。ほら皆呆然としてるだろ。


「そうか一つの流派で満足してちゃダメなんだ。他の流派や格闘技も習わないといけないんだ」

 ジュレイが体育会系の乗りで言い出した。目から炎が出ていそうだ。


「おおお、俺が未熟だったぜ、俺もミヤちゃんに負けないように頑張る」

 ドーテも燃え出して、皆して別格闘技をインストールすることになった。

 まあ、日本は格闘技大国、マイナーなものも含めれば100では利かんだろう。


 もともとは護身用に始めたんだが、いつの間にか少数精鋭の舞踏家集団になっちゃたな。

 しかし、魔人とも戦うことになった以上、足踏みしている余裕はない。

 ラッソの約束は信用できると思うが、ゼブルの事もあるからな、用心しておかないと。


 その時だった。

 食堂にナータが入って来た。

 ファティマ王国も王子と名乗る彼は短めの銀色の髪、濃い褐色の肌、彫りの深い整った顔を笑顔にして呼びかけた。

「やあ、ちょっとお願いがあって来たんだけど」


 まあ、ミーテングも一応の結果が出たし、聞いてやってもいいか。

「今、会議が一段落したところだ、入ってこい」

 その声にナータはニシャッと顔を崩して歯が白く輝く。

 俺の向かいに座っていたマシロは気を聞かせて立ち上がった。


 マシロの立った席に座ったナータはすぐ話し出した。

「君に教えてもらった魔刃だけど、周りが覚えられなくてさあ、教えに来てくれないかなあ?」

 やっぱり難しかったか、俺達でもナビさんが魔力のバランスとったり調整したりしてやっと覚えたんだからな。


「だからお前も俺の従者になってやっと覚えたぐらいだから、おいそれとはいかんだろうなあ」

「そのうち出来るようになっていくさ」

 アカネが軽く茶々を入れる。


 俺も暇ならファティマ王国を見に行きたい。

 なんせ魔人と互角に戦っている唯一の国だ。

 しかし、俺には火入れ式やら船外機やら喫緊の所用が待っている。

「すまないが俺はしばらくテントを離れられない。また機会があれば呼んで欲しい」

 俺はナータの要請を断った。


「仕方ない、分かったよ。その代わり来れるようになったらすぐに来てよ」

「ああ、分かった」

「それでさ、魔人と試合をしたんだろ。教えてよ」

 一瞬、沈んだ顔をしたがまたほほ笑んだ。こいつはへこたれねえな。


「ああ。いいぞ」

 俺は試合の話を始めた。


 ******


 〇 帝城 天帝執務室 天帝

 私は朝議の内容を宰相に確認していた。

 そこに兄上が現れた。

「おい、クーヤのところに怪しい奴が現れた」

「コウメイ殿、それはどういうことかな?」

 宰相が反論しようとする私をとどめて聞き返した。


「言葉の通りだ。奴の寮に髪の毛が銀色、褐色の肌の少年が現れた」

「それはファティマ王国の王族に連なる特徴ではないですか?」

 宰相が私を見て言った。


 私だってクーヤがファティマ王国の王族とつながりがあるなんて知らない。

「玄武国の王族の娘を従者にしたと言う報告もある」

 そうなのか?私は知らない。


「最近彼は我々に内緒で行動することが、多くなっているのではないか?」

 知るか!、私はあいつが行動しやすいように相談役にしただけで、あいつ自体は信帝国に籍を置いているつもりはないだろう。


「兄上も宰相も何を言っている。

 あいつは朕の部下ではない。ただ、朕の依頼で働いているにすぎん。

 それを密偵の様に言われても困る」


「しかし、奴は我々の内情を知っている。もし、それが外に漏れたらどうするのだ」

 兄上はしつこい。

「依頼人の秘密は守る。それは最初に誓って貰ってる。兄上はあいつに密偵を着けているのか?」

「うむ、あの寮に出入りする者に情報を聞いている」


 これ以上言い合ってもらちがあかんか。

「ちょっと待ってくれ。あいつに問い合わせてみる」


「うむ、・・・そうか」

 私はクーヤに兄上の疑問を聞いた。


「玄武国の王族の娘だが、親に有力老貴族の妾にされそうで、助けてくれと言われて武芸も達者なので従者にしたということだ。

 ファティマ王国の王族の話だが身分は王子で、魔獣や魔人の情報を求めてこちらにたびたび来るそうだ。

 クーヤも助けられたりしてるので、魔獣や魔人の情報を共有しているそうだ。ファティマ王国は両方と戦っているからな」


「そうか、しかし他の国と情報交換などやめさせた方が良くないか?」

「魔人と命を懸けて戦っているのは誰じゃ!朕がそんなことを言えると思うのか!」

 兄上はちょっと考えて言った。

「そうだな。お前のことになると、つい過保護になってしまうようだ。気を付けよう」


 しかし、クーヤめ、また従者を増やしたのか。まさか嫁にするつもりではあるまいな。


 天帝様は自分がヤキモチを焼いてるとは考えていなかった。


 ******


 〇 ファティマ王国 王族の居間

 ナータは王城に帰ると父親の王から呼び出しを受けた。

 父親の居る居間に入ると父と二人の兄が居た。

「やあ、おかえりどうだった」

 父はすぐに信帝国での結果を求めた。


「忙しいみたいですぐには来れないそうです」

「そうか、あの魔刃と言う技は、対魔人戦だけでなく魔獣戦でも有効だ」

「覚えるには魔力と力のバランスが重要なようで、もし彼を連れてきたからと言ってすぐできるものではなさそうです」


「忙しいとは何をしておるのだ?」

 上の兄、王太子からの質問だ。

「高炉とか言う効率的に鋼を作る製鉄所やゴーレムエンジンを使った船のエンジン、魔力発電機なども作っていました」


「なんと、そのようなものを作れるのか?」

「はい、私が行った時は、外気温はかなり高かったのですが、建物の中は快適で見ると部屋の隅の箱から冷たい風が出ていました。発電機を使ったエアコンと言うものらしいです」

 私は向こうで驚いたことを話した。


「部屋を冷やすだと、考えたこともなかった」

 第2王子が呟いた。

「やはりクーヤと言う男、我が国に欲しいな。ナータ何とかならんのか」

「クーヤは信帝国の天帝のお気に入りです。産業革命に目途が立たないと難しいでしょう」

 王の言葉には悲観的な言辞をせざるを得ない。


「まあ、ナータが色仕掛けをしたってなびかんだろうし、どうしたもんか」

「私は向こうでは男で通ってます。無茶を言わないでください」

「分かってるよ」

 王太子は私の胸を見てそう言うのだった。失礼な。


 それから、クーヤについて報告した後の事だった。

「ナータよ、しばらく市井に出ることはやめよ。ペルシャ帝国からかなりの数の密偵が入っている様だ。

 いま、大掛かりな捜索をやっているがなかなか尻尾を出さんのだ」

「私は瞬間移動や重力制御の異能があるから間違いはありません」

 そんな事で私の行動を阻もうなんて許されないのだ。


「それでもだ!」

 父は大きな声で私に言った。

面白かったですか?何かで評価して頂けると参考になります。

ナータは女でした。まあ、この後の展開はだいたい読めますよね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。