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異世界最強の転移者と15人の美少女闘刃姫  作者: 西村将太郎
第5章 産業革命
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5-1 製鉄所完成

ご愛読、ありがとうございます。

5章が始まりました。

この章では産業革命の進展と主に信帝国以外の国との関りを描きたいと思います。

 玄武国の事件が終わって一週間、ようやく休みの取れたクーヤは伊河のほとりに腰かけて、下流に見える製鉄所や工場群を眺めていた。


 〇学校建設地 転移168日目

 ナオジ達にそろそろ製鉄所を動かしたいので人員を確保して欲しいとお願いされている。

 西域から来た白虎国の人達は主に事務系で働いてもらうために出来上がった寮で勉強中だ。

 作業人員を新しく300人程、集めなればならない。


 俺は青龍国、朱雀国、鬼人族、村上水軍、バンコ族、ドーテの村には手紙を書いて工場に就職する気があれば来て欲しいと、玄武国には直接お願いしている。

 天帝様による幹線道路の拡張補修で30%は速く天都まで来れるだろう。もしかしたらもう向かっているかもしれない。


 なぜ天帝様に求人のお願いをしないかと言うと、貴族がどうしても絡んでくるので、それを排除したいのだ。貴族は利権に群がるからねえ。


 俺は寝っ転がって空を見上げていた。夏の日差しはきつく、早々にクーラーの効いた部屋に引き上げようと思って立ち上がった。

 その時、ドドッドドッと言う音が寮の方から響いてきた。


 来たか、あの子らは1時間と俺を一人にはしてくれない。

 灰色の巨大なオオカミにのった二人の少女、へそ出しのTシャツ、幅の狭いショートパンツのヒイとショートパフの黒いミニのメイド服のミヤだ。


「センセー!」

「ご主人様ア!」


 二人が立ち上がった俺に飛び付いてきた。

「なんだ、また新しい服を作ったのか?」

「うん、マシロさんとアカネさんとジュレイさんとライヤさんに作って貰った」


 最近、4人はアオイに服を用意させるのは危険と思ったのか、積極的に裁縫をするようになった。

 日本で買ったのは布とジッパーなんかの付属品と電動ミシンだ


 ナビさんが株取引で日本円を稼いでくれるので、今迄みたいに日本円の目減りが気にならなくなった。

 ただ、過去に行って、値上がりが解ってる株を買う、言わばインサイダー取引をやってるみたいで、罪悪感はある。

 しかし、転移後のネット世界には接続できないみたいで、日本がいまだに回復していないと思われた。


 俺はヒイとミヤに連れられて寮に戻った。

 そう言えば寮の名前が闘刃姫寮になってた。周りの人間には寮の周りで訓練してるからバレてた。


 俺が食堂に入るとアオイが飛び出してきた。

 彼女は魔道具工場の責任者をしている。

「ゴーレムエンジンの生産ラインが出来たんだけど、何を作るつもり」

「ああ、今考えてるのは船外機、これなら車体なんかが要らないから、すぐに売れるだろ」

「フーン、そうね自動車を作る技術も設備もないもんね。それで稼いで自動車工場を作りましょ」

「うん、そうなんだけど。せっかく天帝様が幹線道路を整備してくれてるだろ。バスを先に作りたい」

「そっか、バスで市民の足を作るのが先か。信帝国は広いから鉄道は時間がかかるよね」


「蓄石なんかはどうするのですか」

 ライヤが言った蓄石は蓄魔力石の略語だ。

「それは天華商会にジェネレーターを使って貰って、船外機の販売、蓄石の販売・魔力の充填をやるつもりだ」

「キメイさんのところは大繁盛になりますね」

「まあ。情報収集もやらせてるから、ある程度は儲けて貰わないと、恨まれる」


「天華商会って、玄武王都や大連にも在ったぞ。親分の子分だったのか?」

「マール、親分はちょっと恥ずかしいぞ」

「仕方ねえって、みんな一人ずつ親分の呼び方が違うんだ。ワイも個性を出さないと」

「はあ」


「キメイさんはどうやって天華商会を広げたのかしら。クーヤさんもそんなにお金出してないわよね」

「マシロは知らなかったか?キメイは構成員を孫従者にして、各地に散らばらせて、安くて余ってる物と高くて足りない場所を調べさせて、価格の差で儲けさせてる。初期投資はしたけど、もう数倍になって帰ってきてる。それから干支座の生き残りのうち、忠誠を誓うものを取り込んで、さらに情報網と販売網を広げてる」


「そっかあ、従者通信があるから連絡が速くて、他の商会を出し抜けるんだ」

「キメイさんも頑張っているのだな。私達は魔人を圧倒とはいかなかった。もっと訓練しないといけない」

 アオイの意見にジュレイが自分の要望を入れる。


「なあなあ、ワイの従者にしてくれる話はどうなった?」

「なあに、まだ従者にして貰ってないの?クーヤさんどういうこと?」

 マシロはマールのために援護射撃を試みる。

「マールはちゃんと話せるくせにこんな乱暴な言葉を使うんだ。天帝様にも合わせられんだろ」


「こんな個性の集団の中で埋もれないようにするにはアイデンティティが必要なのだ。大丈夫だ必要があれば丁寧な言葉を話すようにしよう」

 マールは握りこぶしを固めて、決意を固める。


「駄目よ、マールさん、丁寧に話しなさい。クーヤさんに恥を掻かせることになるわ」

 マシロが怒る。さすがマシロに怒られるのは怖かったようだ。

「わかったよ。丁寧に話すから怒らないでくれよ」


「なぜ、俺の言うことは聞かんのだ」

 マシロの言うことは聞く癖に。

「だって、マシロさんに嫌われたら、ここを追い出されるじゃないか」

 マールが力説する。


 つまり俺は舐められてると言うことか、そうなのか。

「従者にするかどうか話し合おう。マール、執務室に来い」


 執務室に行くには食堂を出て、玄関の方のドアを通るか、食堂から俺の寝室を通って執務室に行く二通りの道がある。俺は当然玄関の方へ歩き始めるが、マールは俺の寝室に入ろうとする。


「そこは俺のプライベート空間だ!入るな!」

 寝室に入ろうとするマールに叫ぶ。

「ええ、マシロさん達も入ってるじゃん」

 ウ、それは夜の事か?それを大きな声で言われるのは、ヒイとミヤに悪影響だ。

「と、とにかく玄関を回りなさい!」


『マールと従属契約を結びました。マールは従者となります。身体強化、脳内地図、従者通信、インストールおよびマールの異能命中が共有されます』

 うーん、命中か?ヒイの狙撃と同じような異能だな。できればジュレイの氷属性や、ドーテの土属性、ライヤの金属加工なんかの生産系に使えるのが良かったな。


「これで従者になったのか?なんか力が湧いてくるみたいだな」

 神妙な顔から変わって笑顔が咲いた。可愛いと言うより美しいと言う感じだ。

 しかし言葉遣いはまだ乱暴だ。


「お前も武道で俺に従うのなら、護身術の一つも覚えておいてくれ。ナビさんよろしく」

『解りました。適当に見繕ってインストールしておきます』

「うぉー!頭の中で声がする!」

 マールは頭を抱えて椅子から跳び上がった。


「それがお前を導いてくれるナビさんだ。異能の事や生活で質問があったら、頭の中で呼びかけて見ろ」

「そうなのか?じゃあ、ナビさん、アタシは何時になったら親分に抱いてもらえるんだ?」

『マールの場合、身体的成長が未熟なため、妊娠出産機能を成熟させる必要があります。成熟まではあと3年は掛かると思われます。性的交渉はそれ以降に許可します』

 マールはあからさまに頬を膨らませ、不機嫌を表した。

 まあ、ワイからアタシになっただけ成長はあったのか?


「なんで、やったって出来るかどうか分かんないじゃん。アタシは親分が好きなの。だから抱かれたいの。解んないかなあ?」

『今の状態で妊娠すれば、母子ともに危険な状態になる可能性が非常に高いです。そのため行為自体を慎むことが一番有効です』


 マールはむきになって反論する。

「じゃあさ、マシロさん達が夜親分のところに行ってるのは良いのか?」

 こういう話は頭の中だけでやって欲しい。

『マシロ達はすでに身体的成長が終了しています。そのため、排卵を止め、確実な避妊が出来ています』


「じゃあ、アタイのも止めろよ」

『身体的成長は時間を掛けて自然に任す方が正常な発達が見込めます。欲望の方は緩和しておきますので我慢願います」

 マールは仕方ないと言う顔をする。ふう、良かった、俺はロリコンじゃないからな。


 ******


 〇帝城、拝礼殿 天帝

 ここは拝礼殿、歴代の天帝の魂を祀った場所。

 朕は毎日朝夕ここで祈りを捧げる。

 ここには常時10人くらいの巫女が居り、朕の祈りを補助するとともに四天王との巫女通信を担当する異能者でもある。


「製鉄所が完成すると聞きました。おめでとうございます」

 中年の巫女が朕に話しかけてきた。

「そうだな。あれが出来ると大量の鉄を供給できる。それで機械や橋、建物などを作れる」


「良く解らないのでございますが、信帝国はどう変わるのでしょうか」

 中年巫女は本当に分らないらしく戸惑った顔をする。

「すぐに変わらなくても、庶民が工場で働き、賃金を手にし、工場で作った製品を買って、皆が豊かに暮らせるようになる」


「平民が豊かになるのですか。では貴族はどうなるのですか?」

 おっと巫女は貴族の出身者が多い、庶民が豊かになれば貴族に従う必要は無くなる。

「平民が豊かになるのだ、それを管理する貴族は言わずもがなだ」

 中年巫女は胸を押さえホッとした表情になった。


「お前達がクーヤの存在を見つけてから、まだ半年だと言うのに偉く進んだものじゃ」

「私達が???、クーヤ様をですか?」

 中年巫女が頭を傾げた。


「何を言っておる。クーヤにこの世界を教え、四天王の元へ行くように仕向けたではないか」

「さあ、おっしゃることが良く解りません」

「いや、シンシアが中心になっていたとはいえ、お前達も知っているはずじゃ」

 中年巫女はさらに混迷を深めた。


「おい、お前達!」

 周りにいた巫女たちを集めてクーヤを呼び寄せた時のことを聞いた。

 しかし皆首を振るばかりだ。


「天帝様、どうされたのですか?」

 リョウカが寄って来た。

「いや、お前が来る前の話じゃ。しかし誰も覚えておらんとは、いったいどうなっておるのじゃ?」


 そう言えば、クーヤを見つけてなぜ呼ぶことになったのか、なぜ周りにいた娘も一緒に呼んだのか。思い出せん。

 朕は自分の意志で今まで動いてきたはずじゃ。

 が、何者かに動かされてきたような不安が押し寄せてくる。

面白かったですか?何かで評価して頂けると参考になります。

次章ではナータが登場する予定です。

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