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異世界最強の転移者と15人の美少女闘刃姫  作者: 西村将太郎
第4章 魔人ラッソ
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4-15 玄武国事変

ご愛読、ありがとうございます。

玄武国に事件が発生、どうするのか。

 天帝様の命令で3日の休暇を取ったクーヤだったが、休んだのは最後の一日だけと言う見事なワーカーホリックぶりを示したのだった。

 一方ラッソは、憑依体の適合がうまくいかず、ようやく活動を開始したのだが、ハイテンションで部下を驚かすのだった。


 〇学校用地製鉄所建設地 転移150日目

 今日はナオジ達との会合だ。ドワーフが十数人集まっている。

「原料の鉄鉱石と石炭の輸送を考えないといけません」

 ドワーフの一人が言った。

 今は細々とした輸送でそれらを溜めているが、大量輸送をしたいと言うことだ。


「黄河は使えないか?あまり聞いたことは無いが」

 俺は近くを流れる黄河を運搬に使用できないか聞いた。

「それは無理です。黄河は暴れ川でしょっちゅう流れが変わるし、黄土がすごくて川底が浅いんです」


 そうかあ、日本でも黄河の水運なんて聞いたことがなかったもんな。

「じゃあ、思い切って鉄道を通すか、近くの鉱山はどこだ?」

「沁水、太源、大同が炭鉱、大同、邯鄲に鉄鉱石の鉱山がありますが、・・鉄道って何ですか?」


「鉄の細い敷桟を目的地まで二本並べて、その上をゴーレム車が荷台を引いて運ぶんだ」

「良く解りませんが、普通の道を走らせてはいけないんですか?」

「道を走らせるより摩擦が少なくて大量に運べるからなんだけど・・・」

 皆首を捻ってる。そうだよね、見たことも聞いたこともない汽車を想像しろって言うのは無理だよね。


『ナビさん何とかなんない?』

『では貨物列車の映像をライヤを通じて孫従者に映写します』

「じゃあ、映像を送るよ」

 映像には線路と石炭を摘んだ長い貨物列車が映っている。日本じゃなく中国みたいだ。


「おおー」「すごい」「なんだこれは」「石炭を運んでいるのか」


 映像を見てもらった後、皆に言った。

「これが鉄道だよ。最初はこのレールを中心に作ろうか。天都から晋城、太源、大同それに晋城から邯鄲、合わせても1000kmもないだろう」


「しかし、クーヤさん、そんな金があるのですか?学校以外の予算ですよね」

「ああ、前の軍務大臣だけど一族があくどいことをやっていて、没収した金が今年の国家予算を超えるそうだ。そのうちの半分を学校以外に使っていいそうだ」

 俺は首謀者二人を捕まえたり、天帝様を救ったりしてるからな。


 報奨金は一応断ってドワーフの族長の罪を消しているから、学校外のインフラ整備に使える許可が出た。

 帝国の方は干支座の資産が大臣以上らしいから、俺に使う金なんか四分の一以下らしい。

 数百年に渡る、悪事の代償はすごいですね。


 ******


 〇警ら部 練習場 第三者視点

 今日は、ヒイ、ミヤ、マシロが警らの訓練に付き合ってる。

 アカネ、ジュレイ、ドーテは近衛の方へ行った。

 アオイとライヤは作業部屋で発電機を作ってる。


 マシロ達は素手の格闘技を教えているのだが、掛かり稽古になるとマシロの前に警ら隊員たちが多く並ぶ。次はヒイだ。ミヤはあまり手加減をしないので人気がない。


「お前ら、強くなりたかったら、一回でも多く投げられろ。この子達に教えて貰ったから近衛は強くなったんだぞ」

 マオさんが退院に叫ぶ。ぞろぞろとマシロの列から他の列に移るものが出てくる。


「ミヤちゃん、すまないな」

 マオさんはミヤに並ばない隊員に変わって頭を下げる。

 ミヤは自分が教えるのが下手だから仕方がないと思っている。


「いえ、私が悪いので気にしないでください。それより練習しましょう」

「そうだな」


 マオさんの右手が、ミヤの顔目掛けて伸びる。

「へ!?」


 マオさんは自分がうつ伏せに転がって、ミヤに右手を後ろ手に決められている自分に驚いていた。

 一応、けが防止にマットが敷かれているので、痛くはないが身動きできない。

「ミヤちゃん、ごめん!こちらに分かるようにやって貰わないと、練習にならないよ」


「あ、ごめんなさい。なんか今日は動きが良く見えて・・・」

 ミヤは自分がどう動いたのかも覚えていなかった。

 ごく自然に技が出たのだ。


「マシロさん、早過ぎて分かんないよぉ」

「ヒイちゃん加減してぇ」

 他の二人も同じようになってるようだ。


 もしかして私達強くなってる?

 ミヤが意味が分からずに頭をひねる。

 まえに警らへ来てから一週間か十日、その間にやったことは魔刃の習得と恐竜退治。

 それで強くなったのかな???


『魔刃の習得により、魔力制御が精微に行えるようになりました。それにより身体強化が向上し、簡単な技は完成域に達しました』


 ナビさんが教えてくれた。ミヤはふーんそうだったのかと思っただけだった。

 クーヤの従者になってからの上達が半端なかったからだ。

 おい、普通の人間ならそれに一生を掛ける人もいるんだぞ。


 ******


 〇 大連 ラッソの拠点 転移151日目 第三者視点

 ラッソはようやく憑依後のハイテンション状態を脱していた。

 そこへラミアが駆け込んでくる。

「ラッソ様、玄武王城の奪取成功しました。王族も残っていたので留めております」


「え、玄武王城?奪取??」

「はい、ご命令通り王城を占領しましたが?」

「それって、俺が言ったの?」


「はい、クーヤに決闘を挑むと仰っておられましたが?」

「け、決闘?俺が?」

「はい・・・」

 褒めてもらえると喜んで報告したが、雲行が怪しくなってきて混乱するラミア。


「他に俺はなにか言っていたか?」

「はい、集めた武芸者とクーヤの従者を前座で、戦わせると仰っておりました。それを天都で見せるのに映像中継装置を魔王様から借りろと、もう届いておりますが・・・」


「魔王様も知っておられるのか?」

「はい、ラッソが何をしてくれるのか楽しみであると仰っておりました」

 ラッソはそんな計画がうまくいくわけはないと思った。


 バッチーン!!


 ラッソは自分の頬を両手で叩いた。

「俺が憑依してから何があったか教えてくれるか?」

「覚えてらっしゃらないのですか?」


「あの後すぐにシンシアの異能をクーヤに移したと発表があって・・・」

「そこは憑依前だ、飛ばせ」


「・・・一週間ほど前、ゼブル様が西域に恐竜魔獣を使って攻め込みました」

「何、ゼブルが!?詳細に話せ!」

 ラミアは巨大恐竜でクーヤを呼び寄せ、小型の恐竜魔獣でクーヤ達と戦ったことを告げた。


「40体のヴェロキラプトルの魔獣で、相手は重傷者一人か。割に合わんな。

 にしてもだ、クーヤに魔人が異能を狙っていることが丸わかりではないか」

「はあ、その通りですね」


「決闘を申し込んでクーヤが来ると思うか?」

「普通なら来ないでしょうね。従者くらいは来るかもしれませんが」

「じゃあ、なんで止めなかったのだ!!」


「私達魔人が真魔人のラッソ様を止めることはできません」

「・・・お前の言うとおりだ」


「で、どういたしましょう」

「とりあえず、王城に行って考える」

「はい、解りました」


 はあああ


 ラッソの大きなため息が拠点の中でこだました。


 ******


 〇帝城 天帝執務室 第三者視点

 天帝とコウメイは昼食を終え、執務室で午後の業務をこなしていた。

 そこへリョウカが飛び込んで来た。

「天帝様!大変じゃ。玄武国の王城が魔人に占領された」


「なんじゃと!巫女通信か!詳細は解るのか」

「いえ、占領された以外は解りません。担当の巫女の魔力が乏しいらしく、そこまでで通信が切れました」


 巫女通信を行う巫女は、クーヤの従者ほどの魔力は持っていない。その日の調子によっては短文を送るのが精いっぱいと言うこともある。

 リョウカは戻って行った。


「兄上!クーヤに調査させよう!」

「待て、どう見てもクーヤを狙った魔人の策略であろう。クーヤを失ってもいいのか?」

「それは困る」

「ならば諦めるのだな」


「しかし、兄上、巫女が頼りにならぬ上は、調査だけでも・・・」

「相手が魔人となれば、玄武国一国の軍勢が必要となるかもしれん。しかも相手が城に籠っているならなおさらだ。それでクーヤを頼りにせぬことが出来るか?」


 コウメイは天帝としてより、自分の代わりに重責を負わせてしまった妹として見てしまう。

「明日、魔力が回復した巫女の連絡を待とう。な!」

 天帝は兄に言われてもなお、クーヤの事を考えていた。

 それは国を治める最高責任者としての苦悩であった。


 ******


 〇寮執務室

 天帝が巫女の方を受けたのと同じころ、キメイからクーヤに異変が報じられていた。

「玄武国の王城がおかしいと言うのか?」

『はい、兵や文官があふれ出て来て、門が閉められました』


「何が起こったのか分からないのか?」

『はい、魔人が攻めて来たと、外に出て来た人達が言っているようで・・え、何?』

 追加情報が来たようだ。


『・・・王族が捕らえられているようです』

 キメイの声が少し高くなった。

「ありがとう。また何か解ったら連絡してくれ」


 さあて、また魔人か。俺を呼び寄せようとしているんだろうな。

 天帝様に連絡するか。

 あちらにも連絡が入ってるかな。


『天帝様、今よろしいですか。・・・はい、・・・では今からそちらに伺います』

 俺は瞬間移動で天帝様の執務室に向かった。


 ******


 〇帝城 天帝執務室

「はあ!!」

 天帝様が驚いて仰け反った。

 俺が瞬間移動で現れたからだ。


「ファティマ王国の王子を従者にしただと!」

「君はもう、何でもありだな」

 瞬間移動を取得した理由を説明すると、天帝様とコウメイ様に呆れられてしまった。

「それで君が玄武国の情報をなぜ知ったかと言うことだが?」


「はい、クーデターの情報ですが、サル座の頭領の娘キメイの協力を得て、その情報を取得しました。その功に報いるため、彼女とその部下に商会を作らせ、各有力都市に支店を作らせました。

 もちろん彼女を従者にして商会長を各支店長を孫従者にしました。それで各地の情報を瞬時に手に入れられるようになりました」


「おのれ、朕の巫女通信のはるかに上を行く通信網を作り上げたと言うのか」

「はい、結果的にそうなりました」

 本来は情報機関を作るのが主で、商会は副次的なんだけどな。


「その商会の名は何と言うのだ」

「はい、天華商会と言います」

「お前の名付けだな」


「良くお分かりで」

「ダサいからな」

 ガーン、そこまで言わなくても良いんじゃないかな。

面白かったですか?何かで評価して頂けると参考になります。

やっぱり玄武国に行くんだろうな・・・。

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