4-14 連休の最後
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連休の最後です。
天帝に休みを貰ったのに求人したり、学校の用事をしたりするワーカーホリックのクーヤだがラッソの情報らしきものを聞いて少し緊張したりするのだった。
〇寮 転移148日目
天帝様に貰った休日も今日で最後だ。
今日の午後は本当に何もしないつもりだ。
従者達も休みにしたのでそれぞれで休んでいるはずだ。
まあ、休みと言っても少女向けの娯楽施設や店舗なんかあるわけもなく、寮にいるしかないかな。
俺は執務室に居ると各所から上がって来た報告書なんかを読んでしまうから、食堂にいる。
ヒイとミヤは訓練も勉強も休ませているので俺のそばで暇をつぶしている。
そこへ、転移三人組がやって来た。
「あー、いたいた」
「やはり、やることがなさそうですね」
「まあ、休みだからな。他はどうした」
「ジュレイは自分の国府へ行きました。ドーテとライヤはドワーフの村へドーテの新しい村の相談に行きました」
「むう、あいつら休んでないな」
「彼女達は仕事を与えられましたから、張り切っているのでしょう」
ワーカーホリックと言われた俺でも休んでいるのに。
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〇 マシロ視点
「私達は今まで疑問に思ったことを聞いておこうと思います」
「まあ、いいよ。ひまだから」
「うふふふ、ありがとうございます」
私は警戒しているクーヤさんに笑っておいた。
「信帝国でのあなたの立場はどうなっていますか。天帝様以外から依頼がないとかおかしいような気がします」
本来ならクーデターで示した突出した武力を持つ私達に、貴族達が何らかの接触を持っても不思議ではない。
「俺は天帝様からのいくつかの依頼を成就したことで帝国相談役と言う地位に就いた。
これは知ってるな」
「はい、位階ばかりが高くて、実際の権力はないと聞いています」
「うん、その通りだ。しかしだ、そのおかげで青龍王、白虎王、朱雀王、玄武王の四天王とも対等に話せるようになった。まあ、話をしてるのは白虎王ぐらいだけどな。
それに軍務大臣を倒したことで俺は貴族に警戒されている。
位階は四天王並み、そして天帝派、これが他の貴族に嫌われる理由だな」
「クーヤさんはそれでよろしいのですか」
「俺は信帝国に根を張るつもりはない。産業革命が成功すればそれを餌に世界中を回るつもりだ」
それは何度も聞きました。
「最終的にはどうなりたいのですか?私達はついて行かざるを得ないので気になります」
「具体的にどうとは考えていない。北アメリカあたりで原住民を集めて国を作るかな」
この人は白人がやったような植民地政策を考えているのかしら。
「クーヤさんはアメリカ大陸を植民地化したいのですか?」
「いやいや、産業革命はすぐに世界に広がる。巨大な船が大陸間を駆けまわる時代が来る。
天帝様なら原住民と一緒に繁栄する道を探してくれると信じてる。
俺自身も文明の格差が出来ないように振舞いたいと思ってる」
そうか、クーヤさんがそう考えてるなら、私達にもお手伝いが出来る。
「なあ、軍隊はどうなったんだ。最近近衛に行ってないから解んないんだよ」
「軍務大臣は近衛師団長のゲントクさんが兼任してる。天都軍はボロボロだったから北部方面軍団長が建て直し中、まともになったら、また誰かを任命すると思う」
フーンあれだけのことがあったけど、あんまり変わらないんだ。
「相変わらずこの国は平和だな」
「そうでもないらしいぞ、北のモンゴル帝国はちょっと危なかったらしい。ここの学校に留学生を受け入れることで沈静化したらしい。詳しいことは分からないけど、モンゴルはもともと軍事行動で欲しいものを手に入れてたが西域が貧しくなって実入りが減ってるらしい」
「それって泥棒じゃないか」
「うん、それで貴族が信帝国を襲おうって言ってたんだけど、皇帝は軍事に頼らずに国を運営したいと天帝様にすり寄って来たらしい」
平和裏に解決出来たらそれが一番いいよね。
「南の方では南招国に越南国が圧力を掛けて来てるそうだ」
「南招国って?」
「日本で言う雲南省にある国で、国の運営を信帝国に頼ってる。いわゆる属国ってやつだな。越南国はベトナムに相当する」
「フーン、まったく平和ってわけじゃないんだ」
「まあ、小競り合い程度なら結構あるらしいぞ」
「クーヤ君は戦わないの?」
「俺が?いやだよ。今までは仕方がないから戦っていたんで、俺は信帝国の軍じゃないし、天帝様もそれは解ってる」
「そうだよね。いずれ出て行く国にそこまで肩入れしないよね」
アオイがそう言うと私達もホッとした。やっぱり人を殺すのは嫌だし、やりたくない。
「あれ」
アオイが後ろを指差す。
ヒイとミヤが座りながら。机の上で腕を組んで、その上に顔を乗せて眠っている。
「ちょっと二人には興味のない話だったかな」
「可愛いな!おい」
クーヤさんは二人の寝顔に目じりを下げている。
いずれは私達もクーヤさんと子を成すことになるんだろうか。
クーヤさんとは二人きりとはいかないけど、それなりに楽しい。
日本にも帰れず、こちらでもここにしか生きる術を見つけることはできないけど、今は幸せと言って良いと思う。
この幸せが死ぬまで続けばいいけど。
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〇 大連 ラッソの拠点 ラミア視点
私の名はラミア、まだ真なる魔人ではありませんが、ラッソ様のおかげでほぼ真なる魔人の能力を手にしています。
ラッソ様は異能の奪取に失敗して、憑依体を失ってここへ帰ってきました。
新たな憑依体を得た今はその憑依体に慣れるまで静かに暮らしています。
「ラミアよ」
ラッソ様が呼んでいます。
今度の憑依体は若い筋肉質の男でお顔も凛々しいです。
と言っても前の憑依体はこちらでお披露目する前に殺されていますので知りませんが。
「はい、ラッソ様、なんでしょうか」
「募集した武道家は集まりましたか?」
「はい、お屋敷で部屋を与え、待たせています」
ラッソ様はちょっと考える仕草をしました。
「では、魔人を憑依させてください。寝ているときにすればいいでしょう」
「ラッソ様は、面会なさらないのですか?」
「人数が必要なだけで、内容は良いのです」
「それより本国に頼んだものは着きましたか?」
「はい」
あんなものを何に使うのか良く解りませんが、聞き直すことは失礼なので遠慮しておきましょう。
「では玄武国の王城を占拠しましょうか?」
「申し訳ありません。ラミアにはそれがどういう意味があるのか解りません」
ラッソ様は少しほほ笑まれました。
「良いでしょう。ラミアにも作戦を教えておきましょう。
まず、異能を手に入れるためにはクーヤを呼び寄せねばなりません。
以前は自分の意図しない場所での戦いになりましたから失敗しました。
ですから今度は自分の拠点の近くに来ていただきましょう」
「それが玄武国の王城と何の関係があるのですか?」
私にはラッソ様の作戦が解りません。
「ラミアよ、せっかちはいけません。エレガントではありません。
王城を奪取されれば天帝は必ずクーヤを偵察に出します。
そこで私が彼に決闘を申し込むのです」
えーって感じです。なんか新しい憑依体がおかしいんじゃないかしら。
「クーヤも誇り高い人間です。必ず受けるでしょう」
そうなんだろうか?
「あのう、集めた武道家はどうするんですか?」
「私達の前座で彼の従者と戦ってもらいます」
真なる魔人様のお考えには着いていけない気がします。
「そう言えば、モンゴル帝国に送ったスパイはうまくいかなかったのですか?」
「そうですね。思ったより時間がかかりそうです」
さっきせっかちは云々って言ってませんでしたか?
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〇 白虎国国府 ジュレイ視点
「ジュレイ、また来たのか」
「兄上、それはないと思います」
「しかしだな、昨日母上に報告に来たばかりではないか」
ジュレイは昨日に続き国府に来ていて、王太子である兄にからかわれていた。
「だから、母上に学校の求人の様子を聞きに来ただけで・・・」
「昨日の今日で変わるわけないだろ」
「まったく、せっかく天帝様に休みを貰っても、好きな男にしなだれかかることもできないのかい」
厳しい声に振り返るとそこには母上が立っていた。
「す、好きな男なんて・・・」
な、何をいっているのかな?
「西域から帰ってきてからクーヤ殿の名前を言うだけで、もうはっきりわかるくらい動揺するなぜなの?」
はう!!
「お前、クーヤとかに惚れたのか。あいつはダメだ!何人も美少女を侍らせてるそうじゃないか!」
兄上が真っ赤になって怒っている。
私を心配してくれているのか。いままであまり接点がなかったから新鮮だ。
「何をニヤニヤしている。俺は許さんからな。いままでお前は西域に居たのにわざわざ女たらしのところへ行くなんて」
そうか私は笑っているのか。
「いや、兄上が私を心配してくれるなんて新鮮で、ありがたいです」
「クーヤ殿に嫁に貰っていただくのは私の指示です。白虎国の未来のためにジュレイにはやって貰わねばなりません」
「しかし、母上、あいつは」
「おだまり!クーヤ殿の起こす産業革命はシルクロードの復活につながります。それに学校や工場の利権に食い込めれば白虎国1000年の繁栄に繋がるのです」
「はあ、でも何人も美少女が・・・」
「かまいません、何人もの女を従えてこそ英雄と言って良いでしょう。お前のような矮小な存在と比べてはなりません」
「は・・・い」
兄上は塩を掛けられたナメクジのように小さくなっていった。
やはり、白虎国は母上が中心なのだな。
「ジュレイ、つかぬ事を聞くが、お前達と一緒に居る獣人の子供がいるでしょう」
「はい、イヌに見えますが狼獣人と、猫獣人の子供がいますが、なにか?」
「先日、警らに寄った時にちらっと見たのですが、あの子達なにかおかしくはないでしょうか?」
うーんそう言えばって感じはあるけど・・・。
「はい、五感が際立って優れているとかは感じます。
獣人としてのレベルを逸脱してるんじゃないかと、」
「そうですか。生い立ちを知っていますか?」
「狼獣人の方は反乱鎮圧の英雄と青龍国の東北地方の犬獣人の子供で、孤児になったのをクーヤ殿が引き取ったと聞きました。
猫獣人の方は青龍国のオオツの商人の子供で、奴隷として売られて病気で捨てられたのをクーヤ殿が拾って治療したのだと聞きました」
「分かりました、こちらでも調べてみます」
「なんなのですか?」
「私は先代天帝の巫女だったのは知ってますね。私には不思議な力を感じることがあるのです。
二人の子供からは力を感じます。特に狼獣人の子からは大きな力を・・・」
母上はそこまで言うと執務室に戻どられた。
面白かったですか?何かで評価して頂けると参考になります。
いよいよおかしなテンションのラッソが動き始めます




