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異世界最強の転移者と15人の美少女闘刃姫  作者: 西村将太郎
第4章 魔人ラッソ
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4-13 ラッソの鼓動

ご愛読、ありがとうございます。

今回は求人の話とラッソらしい話題が出てきます。

 クーヤは産業学校及び付随する工場群の人材を確保するため、ジュレイを白虎国に、ドーテを台湾山岳民族の村へ派遣した。


 〇白虎国 転移147日目 ジュレイ視点

 私は父親である白虎王の執務室でその向かいに座っていた。

「では88名を天都に連れていくと言うことでよろしいですか」

「ああ、女性も可と言うことでずいぶん増えてしまった」


「では父上、一人当たり金貨1枚で天都まで、手配願います」

「解った。しかし。金貨88枚とは太っ腹だな。それに目がくらんだか?」

「まあ、クーヤ様はお金持ちです。それに彼らも西域で暮らすより、天都で暮らしたいと言う思いでしょう」


「そうだな、ここで一生を送りたいとは思えんか」

「今はヨーロッパの戦乱でシルクロードがさびれてますが、産業革命が成ればここは要所として復活します。その時に白虎国が革命の一端を握っておらねばなりません」


「おまえ、王妃に何か言われたな?」

 ばれたか。

「はい、産業革命の利権を少しでも多く握ることを考えろと・・・学校と製鉄所はドワーフ族が取りましたが工場のいくつかを私の支配下にと考えています」

 今考えたことだけどね。こういうのってクーヤ殿が嫌うんだよ。


「噂では天帝様が貴族の参加を遮っておられると言うことだ。つまり人員の求人はクーヤ殿に一任されておる。

 まあ、最初はクーヤ殿の言ってることなど誰も歯牙に掛けなかったんだが、それがガラッと変わったのが軍務大臣のクーデターだ。

 あれで、クーヤ殿と闘刃姫の評価が爆上がりしたんだ」


「父上、そのトウジンキと言うのは何ですか?」

「闘う刃の姫、つまりお前達のことだ」

「ええー」

 いつの間に私達の活躍がこんな辺境まで・・・。


「闘刃姫の一人がわが娘で、近隣貴族からは羨ましがられておる」

 父上はニコニコとしている。

 いつの間にそんなことになってたんだ。


「あ、そうそう、母上にはクーヤ殿の嫁になれと言われてます」

「なんじゃとぉーっ!!」

 父上は椅子から転げ落ちた。


 ******


 〇台湾 山岳民族の村 ドーテ視点

 家の居間で母ちゃんと向き合って座った。

「じゃあ、俺は明日帰るから後は頼んでええか?」

「ええけど、あんたはもう向こうが家なんやね」

 俺は村人に天都での就職の件を説明して、あとは返事を待つだけになった。


「あ、忘れとったわ。母ちゃん、俺の従者になってんか」

「はあ、従者?」


「うん、母ちゃんが孫従者になったら脳内通信が出来るんや」

「ノウナイツウシン?なにそれ?」


「頭でしゃべろうとしたことを相手に伝えられるんや。たとえ、天都に居っても通じるでえ」

「ほんまか?他の人にも聞こえるんか?」


「あほなこと言わんとき、そんなんなったらかなわんわ」

(翻訳:馬鹿なこと言わないで、そんな事になったら困るよ)

「そんならかまへん、やってくれるか」


『もう終わったで、俺の口動いてへんやろ』

「口が動いてへんのに声が聞こえる」

『母ちゃんもなんか言うてみ』


『ドーテのアホバカカス』

「なんやてーっ!」


「ちゃんと聞こえたみたいやな」

「母ちゃん、あんまりや」

 なんやどっと疲れたわ。


「そやそや、アンタに聞こ思てたんや」

 母ちゃんは紙を一枚差し出した。

「なにこれ」


「じいちゃんが街に薪を売りに行った時、拾って来たんや」

「なになに、「軍務大臣が闘刃姫に退治される」ってだいぶ前のことやんか」


「その闘刃姫て、アンタらの事違うの?」

「えー、そんなん知らんで」

 紙は簡単な新聞のようなもので軍務大臣のクーデターと、それを防いだ闘刃姫なる集団のことが書かれていた。


「そやけど、昨日あんたが言ってた天都の事件の事ちゃうか」

 確かに俺らの事みたいやけど。


「闘刃姫って有名なんか?」

 母ちゃんは首を捻ってた。

「知らんけど」

 そうなんよ、クーデターはひと月以上前、ここは情報でも僻地や。


「それはええけど、アンタ、ほんまにクーヤはんの嫁になれるんかいな?」

「うーん、俺は一生懸命にせまってるんやけど、まだ幼いとか言われんねん」


「どゆこと」

「なんか、骨盤がぁとか言われたけど、ようわからん。母ちゃん解るかぁ?」


「そんなん、知らんわ。俺はアンタの歳でアンタ産んだよってなぁ」

「俺より二つか三つ上の人三人とは出来てるみたいや」


「俺が見る限り、アンタは顔もそこそこやし、胸も尻もええとおもうけどなあ」

「そやろ、俺もそう思うんやけどなあ。もう一人、都市が同じで、やたら色の白い獣人もおんのやけどそいつも相手にされてへんのや」


 久しぶりの親子の会話は夜が更けても続くのであった。


 ******


 〇寮 執務室 転移148日目

 今日は久しぶりにキメイとチョウショウが来ていた。

 執務室に通すとミヤがお茶を持ってきた。

「ごゆっくりどうぞ」


「すごいですね。こんな家を作って貰ったんですね。もっと早く来れたらよかったんですけど。クーヤ様の言うとおりしたらめちゃくちゃ忙しくなっちゃって」

「お嬢、まず挨拶をお願いします」

「あ、ごめんなさい」


 挨拶を済ませ椅子に座ると紙を俺の前に置く。

「この1か月の活動記録です」

「じゃあ、見せてもらうよ」


 俺は信帝国中に情報網を築くために、キメイを中心に旧サル座の人員を地方都市に分散配置した。

 まだ天都周辺ではあるが情報は集まる様になってきた。

 ただ情報員が暇なので何かないかと言われたので、その街の物価を調べて、安い所から高い所へ品物を持っていくことをやらせた。


 その結果、わずかの期間で俺が渡した支度金の数倍を稼いだというのだ。

 今は店舗や倉庫や人員、馬車や御者に金を投資しているので、金は返せないがそのうち帝国内にくまなく視点を立ち上げたら、毎月の利益のほとんどを渡したいと言って来た。


「君達が儲けたんだから、君達で持ってればいいよ」

 俺はそう言ったがキメイは納得しなかった。

「これは従者契約の従者通信のおかげですから、クーヤ様に恩返しをしないと気が済みません」


 なんとか利益が上がり始めたら考えようと言うことにした。

「じゃあ、表向きのお店の名前を考えてください」

 何がじゃあなんだ。俺が名付けセンスがないのを知らないのか。


『ナビさんお願い!』

 ナビさんに丸投げだ。

『天華商会と言うのはいかがでしょうか』


「天華商会と言うのはどうだ?」

「さっきナビさんにお願いしてませんでしたか?」

 鋭い!


「ちょっと候補を上げてもらっただけだよ」

「まあ、良いです。工場が出来たらその製品も扱わせてくださいね」

「分かったよ。だが本分を忘れるなよ」


「もちろんです。あ、少し気になることがありまして、大連に送った手下からの連絡なんですけど、武道の出来る人を個人が募集してるみたいなんです」

「大金持ちの道楽かなんかかな?」


「なんかその個人の裏どりが出来ないみたいです」

「なんか怪しいな。でも危なくない範囲で情報は集めてね。どうしようもないようだったら、俺達が出るからね」

 潜入捜査なんか考えてないからね。


「ありがとうございます。クーヤ様に置かれましては、我々をあまり甘やかさないようにお願いします」

 チョウショウがキメイを押さえて口をはさんで来た。

「我々はクーヤ様のおかげでお天道様の下を歩けるのです。言っていただければこの命の一つや二つ惜しくはありませんぜ!」


 どうもこのチョウショウと言う男は浪花節の好きな昭和男みたいだ。

「チョウショウ、君は命がけでクーデターを知らせてくれた人だね」

「はい、ケガを直して頂いてありがとうございます。あのままなら死んでいた命、クーヤ様のために使って見せます」


「君はキメイのためにその命は使うべきだと思うけどね」

「ど、どうしてですか?」

「君はキメイが好きだし、キメイも君のことを憎くは思っていない」


 チョウショウもキメイも赤くなって下を向いた。

 実はナビさんが二人の強い感情を察知して、俺に報告して来たんだ。

「もう、サル座の身分は解消された。今は商会長と副商会長だ。誰も文句は言わんだろう」


 二人は下を向いたまま何も言わない。

 まあ、不器用で朴念仁の俺が世話を焼くのはこれくらいでいいだろう。

 結局二人はほとんど話さずに帰って行った。


「どうだった?これでくっつくかな?」

「どうでしょう。旧家のしきたりと言うのはなかなか強力ですよ」

 気配を消してソファーの後ろに隠れていたミヤが顔を出す。


「そうかな?でも俺は良くやったんじゃないかな?」

「なぜ、二人にお節介を?」

「だって、従者にした女の子が、全部俺の嫁ってきついだろ」


 ミヤは少し口角を上げた。

「私は5年後にお嫁にしていただく約束は忘れませんが」

「そんな約束に縛られなくてもいいからね」


「約束は約束です」

 すこし、ミヤの頬が膨れた。

「はい」


「ご主人様。大連はラッソの拠点があった場所です。キメイにもっと深く探る様にお命じ下さい」

「そんなの危険だよ。それに探ったところで尻尾を出す奴じゃない」

「ご主人様はラッソの事が分かるのですか?」


「ああ、むやみに人を殺す奴じゃないけど、それは奴がユキノを殺さなかったことでも解る。

 ユキノが生きてなければ、シンシア様を助けられなかったかもしれない。

 奴はプライドが高くて、頭の良い奴だよ」

「なるほど、その通りです。でもでも、護衛には無慈悲でしたよ」


 ミヤは指を頬に当て、ぶりっこしながら話を続ける。

 可愛いけどミヤには似合わない。


「こら、真面目に聞け。奴は非戦闘員は殺さないと言うだけで優しい訳じゃない。情報の件はキメイの部下が聞こえる限りでいい」

 ミヤは「はーい」と返事をしてお茶を下げて行った。


 ******


 〇寮 食堂

 俺は戻って来たジュレイとドーテの話を聞くことにした。

「ジュレイが88名でドーテも村ごとの引っ越しか。うまくやってくれたな」

「ありがとうございます。私はこの後国府に行って、このことを母上にも伝えます」


 ジュレイが礼をして出て行った。

 スクーターで行くつもりだろう。

 まあ、ジュレイのところはかかあ天下だからな。報告も必要だよな。


「ドーテのところは村を作らないとな」

「うん、農地も欲しいって言ってた。工場では働けそうもない爺さん婆さんも多いからな」

「用地の西側が良いだろう。軽い傾斜地だが畑は上に田んぼは下に作ればいいだろう。天都で人を集めて作りなさい」


「ええ、俺がやるのかよ!」

 ドーテが驚いているが容赦はしない。

「お前もそろそろ何か仕事を与えないとと思っていた」


「工事人は用意してやるから、お前の母親と話し合って、どういう村にするか決めなさい」

「はーい」


「アタイ達は何をすればいい?」

 アカネがマシロと乗り出してきた。

「君達には紡績、製織、縫製なんかの服飾系を任せたい」


「おお、インストールで勉強しよう」

「そうね、アオイが魔道具で頑張ってるから、何かしたかったのよね」


「私は何をすればいいのかな?」

 ライヤ不安そうに尋ねる。

「ライヤは圧延、矯正なんかの製鉄の次工程だな」

「うん、それならお兄ちゃんと頑張る」


「ねえ、センセー、僕は何をするの?」

 ヒイがしがみ付いてきた。

「お前とミヤは俺のお世話に決まってるじゃないか。いやか?」

「ううん、それが一番いい」


 ヒイにギューッと抱きしめられ、幸福を享受する俺だった。

面白かったですか?何かで評価して頂けると参考になります。

ラッソが北の方で動き始めます。

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