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異世界最強の転移者と15人の美少女闘刃姫  作者: 西村将太郎
第4章魔人ラッソ
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4-4 魔人ラッソ登場

ご愛読、ありがとうございます。

今回はユキノの話を聞いてクーヤがシンシア様を追います。

 ユキノが目を覚ました。そして失踪した原因を話した。それはシンシア様の護衛の一人が何かに憑依されているというものだった。クーヤ達は慌ててシンシア達を追うのだった。



 クーヤは判断を誤ったのかもしれない。

 人間の攻撃ならばヒイとミヤなら、何とでもなると思ってシンシア様に着けたが、ユキノの話では人外の存在らしい。


 シンシア様たちは時速20kmくらいで進んでいるはず、クーヤ達が倍以上の速度で追えばと2時間ぐらいで追い付けるはずだ。

 クーヤはヒイとミヤを失うんじゃないかと焦っていた。


 ******


 〇シンシア一行 転移141日目 第三者視点

 クーヤ達が出発して1時間余り、一行は昼休憩が終わって再び旅を再開した。

 犯人に気付かれない為、クーヤはユキノの事をヒイ達に伝えていない。

 二人はまだ子供だ。きっと我慢できなくなる。そう思っていた。


 馬車と四騎の護衛は整備された街道の上を滑らかに駆けていく。

 周囲は刈り取った麦畑が続く。

 窓から見える少女の顔は決して明るいものではない。


 普段は見ることのない風景だがこうも続くと飽きてくる。

 天都を出てからほぼ同じような風景が続いているのである。

 窓から入ってくる風は温かいと言うより暑い。


 故郷では田の苗が成長して青々としている時期だ。

 なぜこんな時期に帰らねばならないかとシンシアは考えていた。

 原因は春から続いた事件に巫女たちが大忙しだったからだ。

 せめて晩春には帰りたかったな。そう頭の中に浮かんだ。


 今回は暴漢を天帝様のすぐそばまで近付けてしまった。

 それは元とは言え巫女長であった私の責任だ。

 シンシアは事件を予見できなかった後悔に苛まれたのであった。


 昼ご飯を食べたヒイとミヤはいつの間にか眠ってしまった。

「こんな可愛い顔で護衛だなんて何か変ですね。こうしてあどけない寝顔を見るとうわさで聞く武勇伝がまるで信じられません」」


「ホントよねえ。二人で反乱軍を全滅させたとか信じられないわ」

 メイドの話掛けに少し心が軽くなった気がするシンシアであった。


「園丁が活躍を見たと言ってましたよ」

「あの人大げさだから」

 シンシアはいちいちダニダニと語尾を付ける園丁のとぼけた顔を思い出して微笑する。

 メイドはくらい少女の顔が明るくなってきたことに気を良くしていた。


「この子達の食べてたのっておにぎりよね。こちらでも手に入るのかしら」

「コメは青龍国だけではなく南方でも作っていますよ。

 シンシア様の呟きにメイドは知識を披露した。


「この子達って王都まで付いてくるのかしら?」

 シンシアはメイドの得意顔を見て、すぐに話を変える。

「クーヤ様はこの子達を娘のようにかわいがっています。そこまでは無いんじゃないですか」


 メイドはシンシアの顔を憂いが灯ったのを感じて二人の話を避けた。

「シンシア様は青龍国に戻られたらどうなさるのですか?」

「こちらでは配偶者が見つからなかったから、お見合いが待ってるんじゃないかな」

 しかし、シンシアの顔に明るさは戻らずにメイドは失敗を感じた。


「ご主人様が来る!」

 突然ミヤが飛び起き、ヒイはキョロキョロあたりを見回す。


「どうしたのだ?」

 シンシアが優しく聞く。


「ご主人様が近付いてます。何か焦っているようで・・」

 従者契約の中には相手の方向と距離と感情を漠然とだが感知できる能力がある。それには深い集中が必要なのだが、今回の場合クーヤの二人を思う気持ちが近付いたため、二人に存在を知らせたようだ。


「お前達にはそんなことが出来るのか?ある種便利だな」

 まだ、ユキノの失踪を危険な兆候と捉えていないシンシアは、のんびり構えていた。


「それで何をしに来るのかな。もしかしてユキノが見つかって届けに来たの?」

「聞いてたら、自分が追い付くまで待ってくれ、何もしないでそのまま進んでくれって言ってた」

 ヒイの言葉にシンシアはどういうことって驚いた。


「あなた、どうしてクーヤさんの言ってることが分かるの。まだ声が聞こえるわけないでしょ」

「それは私達従者はご主人様と他の従者との間では離れていても話が出来るのです」

 シンシアはヒイに質問したが答えたのはミヤだった。


「じゃあ、何が起きてるのか聞きなさいよ!」

「ご主人様の指示に従ってください」

 シンシアは自分が何も聞かされない状況で、クーヤに指示されるのに腹を立てていた。


「こういう時はね、センセーの言うことを聞いていれば大丈夫なんだよ」

 シンシアはそう言えば。この子達は私が想像できないような修羅場をくぐって来てるんだった。

「分かったわよ。あんた達に免じて静かにしててあげる」


 シンシアは腰を下ろして、隣を見るとメイドが胸をなでおろしていた。

 シンシアはムッとしたが顔に出すことなく我慢した。

 どうもこの子達と話してると地が出てしまう。どうしてなんだろう。


「失礼ですがクーヤ様がこちらに向かっているのですか?」

 いきなり護衛の若い男が騎馬のまま、馬車に近付き、声を掛けて来た。

 窓を開けていたから話を聞かれた?


「無礼な、王女の話を盗み聞くな!」

 シンシアは叫んだ。

「こまるなあ、予定通りに行動してくれないと」

 護衛の男はにやりと笑う。


「ゲン!何をしている!」

 30半ばぐらいの護衛のリーダーが近付きながらゲンを窘める。


「近づいちゃダメ!逃げて!」

 ミヤが叫ぶ。

 ゲンの手が動いたと思ったらリーダーの首が飛んでいた。


 ミヤはシンシアの腕を引っ張り、馬車の奥に押し込む。

 ヒイは馬車の扉を開け放つ。


 いつの間にかヒイの手には弓矢が引き絞られ、ゲンに向かって発射される。

 喉を狙って飛ぶ矢をゲンは剣を持たぬ手で払いのける。


「ヒイ!馬を撃って!」

 ミヤは開いた扉からゲンに向かって跳ぶ。


 ゲンはリーダーを斬った剣を振り返してミヤを迎撃する。

 空中で動けないミヤは脇差で剣を受け止め、その反動で馬車の屋根の上に跳ぶ。


 その間にゲンの馬には首から胸にかけ、三本の矢が突き立っていた。

「おのれ!」


 ゲンは馬の上に立つとバッと跳んだ。

 そのままリーダーの馬に乗ると、亡骸を蹴落とし跨った。


 ようやく反対側に居た護衛もこちら側に回り込んで進路を塞いだ。

「ゲン!お前何をしている!おまえ、リーダーを!」

 リーダーの馬に跨るゲンを見て、その護衛はリーダーの末路を知った。


 その時、氷の槍、石の槍、鉄球がゲンめがけて飛んできた。

 ゲンは後ろを向いて左手を前に突き出し、手のひらを広げた。


 氷の槍、石の槍、鉄球がゲンの広げた不可視な壁に弾かれて、足元に落ちる。

 クーヤ達が追い付いたのである。


「結界!?」

 マシロが自らの異能と同等と認めた。


 マシロとアカネとライヤの運転するスクーターの後席には、ジュレイ、ドーテ、アオイが座る。

 住居が帝城から郊外に変わることで、個々の足が必要と考えスクーターを三台買って、ゴーレム車に改造しておいたのが役に立ったようだ。


 ワンボックスが現れ、運転席のドアが開いた瞬間。


「わ!うわ!こら!」


 クーヤを押しのけ、ハイジが飛び出し、大きくなりながらゲンに向かって駆けだした。


 ハイジは飛び掛かるが結界に弾かれる。

「キャン!!」

 地面に叩きつけられる。


「ハイジーッ!!」


 ハイジを心配したヒイの声が響く。

 いつの間にか馬車はずいぶん先の方へ行っている

 ハイジはすぐに起き上がって、馬車の方に走って行った。


 ハイジの相手をしている間にすっかり囲まれたゲン。

「お前の名前と目的を教えてもらおうか?」

 カッコ良く登場するはずが、ハイジに邪魔されて恰好が付かないが、なかったことにするクーヤ。


「お前がクーヤか?ここにいると言うことは、鬼人の少女が見つかったのか?」

「質問に質問で返すな。まあ良いか。少女はもう助けた」


 ゲンは仕方がないと言う顔で話し始めた。

「私の名はラッソ、お前達は魔人ラッソとか呼んでいるらしいな」

「ラッソだと、おまえよくも!聖女を!」


 ドーテが怒ってスクーターを降りて突進しようとしたがアカネに止められる。

「ドーテ!クーヤの邪魔をするな!」

「ごめん」


 ドーテが下がろうとするとラッソが煽った。

「そこにいるのは勇者パーティーの剣士か。まだ生きていたのだな」

「ナニィ!!俺を馬鹿にするのか!!」


「ああ、この馬鹿、相手の誘いに乗ってどうすんだよ!」

 アカネに槍の石突で頭を叩かれる。

「アイタァ!殴らなくてもいいだろう。悪かったよ」


 ドーテはスクーターに跨った。

 相手が馬に乗っている以上、すぐに追えるように準備しておかないといけない。

 これは事前にクーヤが説明しておいたことだ。


 ラッソは包囲の一角をドーテを煽って崩すつもりだったが、見抜かれて新しい策を考える。

「私の狙いはシンシア殿の異能だ。もちろん、こんなところでことを起こすつもりはなかった。我拠点の近くで人数を掛けて行う予定だったのに邪魔をしてくれたよ」


「えらくあっさり言うんだな」

「実はこの憑依している人間が気に入っている。このまま逃がして欲しい」


「またシンシア様を狙うんだろ。逃がせるか!」

「私を倒したところでシンシア殿が狙われるのは変わらないし、良いじゃないか」

 ラッソはひょうひょうと話す。


「まず、馬から降りろ」

「ええ!この姿だと馬がないと帰るのがしんどいんだよ」

 まったくこちらに折れる姿勢ではない。


 俺は剣を抜いた。

 同時に囲んでる味方が戦闘用意をした。


「やだねえ。こっちが平和的に話してるのに殺気立っちゃって」

「やかましい、これからもシンシア様を狙うって言ってるのに許せるかよ」

 クーヤは精一杯脅してみる。彼は本来こういう場が苦手だ。


「仕方ないですね」

 彼は護衛二人に左手を向けると護衛達が吹っ飛んで馬ごと倒れた。

「ウワー!!」


 ラッソは開いた隙間に馬を走らせる。

「しまった。あとを追うぞ」

 従者たちはスクーターで後を追う。クーヤもバイクを出して続いた。


 速度は馬よりバイクやスクーターの方が速い。

 走りながらなので数は少ないがジュレイ、ドーテ、アオイが魔法を放っている。

 それをラッソは左手で防ぎながら、離れて止まっていた馬車に近付いてきた。

 

 後ろからは氷の槍や石の槍、鉄球が散発的にだが飛んでくる

 馬車の屋根に居たヒイが矢を射る。

 左からの攻撃にラッソは右手の剣で打ち払う。

 突如右からミヤが飛び出た。


 ミヤが脇差を振るうと右足を切断した。

 落馬するラッソ。

 さらに接近するミヤ。


 ラッソの首筋に脇差を突き立てる。

 黒い霧が背中から噴き出す。

 霧はすごい勢いで上昇する。


 ミヤが手を交差するように脇に手を入れると、指に鉄串のような千本が挟まれている。

 両手を開くように千本を投げるが、黒い霧の方が速く届かない。


「その体は残念だが返しておくよ。クーヤ殿、また会おう」

 そんな言葉を残して、黒い霧は北の方に消えて行ってしまった。

面白かったですか?何かで評価して頂けると参考になります。

次回はシンシア様の異能を巡ってドタバタします。

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