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異世界最強の転移者と15人の美少女闘刃姫  作者: 西村将太郎
第5章 産業革命
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5-14 モンゴル帝城奪還

ご愛読、ありがとうございます。

今回は帝城に捕らえられた娘さん達の救出に挑みます。

 産業革命に関する仕事を精力的にこなすクーヤは、もう一つの仕事モンゴル帝国の偵察に帝都ウランバートルに瞬間移動するとそこは襲撃を受けた街だった。


 〇帝都ウランバートル 転移222日目

 俺はウランバートルの帝城の近くの上空500mに重力制御で浮かんでいた

 ウランバートルの街は死んだような静けさに包まれていた。

 崩れた家や路上に放置される死体。

 帝城の近くを歩く男を見つけたので、そっとその男の後ろに瞬間移動で跳んだ。


 汚れた服でよたよたと歩いている男の肩を叩いた。

「すいません。ちょっとよろしいですか?今日ここに着いたばかりなのですが、どうなっているのですか?」

 いかにもお上りさん風に聞いてみた。


 振り返った男は老人のようだ。しわがれた声で言った。

「あ、あんた、金持ってねえか?」

「はい、多少なら、でも訳が分からないと出せませんよ」

 縋りつくように金の無心をする男にあくまで情報を出せと言う。


 男は顔を明るくして話し出した。

「俺の娘が帝城に捕まっちまって、合わせてもらうのに金が要るんだよう」

「どうして捕まったんですか?」

 娘が捕まる?どういうことだ?


「第一皇子が皇帝になって、後宮を作るんだとか言って、若い女を集めたんだ」

 確か中国の昔話でそんな話を聞いたことがある。

 まずはきちんとした政権を作ることを考えろよと思う。

 下半身だけで生きている男だな。


「でも女性を集めるだけなら、街がこんなになるなんておかしいですよねえ?」

「西から連れてきた兵隊に街の略奪を許したんだ」

 なるほど、それで町がこんなになったのか。


「兵隊はまだいるのですか?」

 ちょっと怖がって見せた。

「娘達の見張りが帝城に100人程いるだけで、みんな東に行った。皇太子さまをやっつけると言ってた」

「お爺さん、ありがとうございます。これはお礼です」

 俺は大銀貨を1枚老人に渡した。


 モンゴル帝国は信帝国が作った貨幣を使用しているが流通量は少なく、普段は物々交換が行われている様だ。


「お、お爺さんだと!俺はまだ三十代だぞ!」

「それはすいませんでした。それより娘さんに会いに行きましょう」

「ふん、着いて来い」

 俺の帯同を認めたと言うことは危険を感じているのかもしれない。

 男は硬貨を握りしめると帝城の正門に向け歩き出した。


 正門は閉められ、二人の兵隊が守っていた。

「爺さん、金は見つかったか?」

 正門を守る兵隊の一人が下卑た表情でそう言った。

「おお、これで娘に合わせてくれるか?」

 俺の渡した大銀貨を兵隊に差し出した。


「これじゃあ足りねえなあ、せめて金貨を持って来いよ」

 兵士はそう言いながらも大銀貨を懐に入れた。

 この分ではどれだけ持ってきても懐に入れるだけだろう。


「そんな、あんた達が金目のものは全部持って行ったじゃないか!」

「じゃあ、その若い男が持って来たのか」

 明らかに被害に遭ってない俺の服装を見て、兵隊は俺に目を付けたようだ。

「おい、若いの金を持ってるなら爺さんに貸してやんなよ」

 金を出したのが俺だと思ったのだろう、二人の兵が俺に迫ってくる。


「おい、金出せって言ってるんだ。死んでもいいのか?」

 一人が俺の襟を掴もうと手を伸ばしてきたが、足から崩れるように倒れる。

 俺が顎を軽く叩いてやったので、脳震盪を起こして気絶したのだ。


「おまえ!何をしやがった」

 もう一人は持っていた棒で突いてきた。

 俺のカウンターで気絶して俺に寄り掛かるように倒れた。


「あんた何を・・・」

 男が何が起こってるのか、分からずに右往左往している。

「すみません。隠れていてくれますか?娘さん達は助け出しますから」

「ああ、ああ」

 俺を怖い奴と見たのか、あわてて男は去って行った。


 俺は従者達を招集した。


 帝城の近くの空き家にゲートを繋いだ。

 ヒイ、ミヤ、マシロ、アカネ、ジュレイ、マール、ハイジが参加できた。

 アオイ、ドーテ、ライヤ、ナータは移民対応があるので、参加は見送らせた。

 ついでに気絶させた兵は騒がれないように猿ぐつわをして、縛り上げて空き家に放り込んだ。


「第一種兵装に着替えろ」

 防刃素材の黒の長袖とニーハイソックス、白の超強度複合素材のミニスカート、同じく白基調でパーソナルカラーが入るベスト、白基調にパーソナルカラーのベレー帽・手袋・ブーツ・仮面・ブルマを着ける。

 俺は白の動きやすさを重視した防刃仕様のスーツだ。


「ドーテはともかくライヤは来れたんじゃないか」

 ジュレイが仮面を着けながら不機嫌そうに言う。

「ライヤは戦いが苦手だから、参加しなくていいと俺が言った」

「そうなのか。みんな闘いたがってると思ってた」

 ジュレイはバトルジャンキーぎみだな。


「ミヤ、闇属性で城の中調べられないか?」

「はい、透視眼で中を調べられます」

「よし、敵兵の配置と閉じ込められた娘達の位置を見てくれ」


 ミヤは城の外壁におでこを当てた。

『画像を共有します』

 ナビさんがミヤの見た城の中の情景を俺達の頭脳に映してくれる。


 ミヤの獲得した異能闇属性は身体機能の向上というか、五感のとんでもない能力が開花する。

 先程のあらゆる電磁波が見える透視や音の反響で見る暗視、相手の五感から消える隠形が現在使える。ナビさんによればさらに多くの可能性を秘める属性だそうだ。


「いいか、娘さん達の救出を優先する。敵兵はやむをえない場合殺しても構わない。娘さん達がいる後宮までは一緒に行動する。

 いいか!」

「了解!」×6


「よし、マシロ、正門の扉を魔刃で斬ってくれ」

「この姿の時はハクアと呼んでください」

 白いミニスカートを翻してハクアが走る。


 薙刀を振りかぶったハクア。

 ハアアアーッ!!

 八相の構えから薙刀を振り下ろし、また持ち上げた薙刀は反対の軌跡を描く。


 巨大で分厚い板を鉄で強化した扉に斜めに線が交差した。

 扉がバラバラになって崩れる。


「誰だ!!」

「曲者だあ!!」

 俺達を見付けた兵隊が騒ぎ始める。

 良し、いいぞ。この正門前の広場に敵を集められるだけ集めなきゃ。


「俺達はサランゲラル皇女の命令により、帝城を奪還に来た!」

 こう言っときゃ後宮の守りには着かないだろ。

 まずは数を減らさないとな。


 ミヤが突っ込む度に数人の敵が倒れる。

 マシロは敵兵の利き腕を峰打ちで叩き折る。

 アカネは敵の両肩を浅く突く。

 ジュレイも峰打ちで両手を砕く。

 ハイジは武器を持った手を嚙み砕く


 ヒイとマールが新しく近付いてくる敵の太ももを矢で打ち抜くので、そうそう広場の中央に来る敵は多くない。

 弓兵もこの乱戦では矢は使えないのでヒイとマールの餌食となる。


 そろそろ数も減って来たし、後宮に行くか。

 俺がそんなことを思っていた時だった。


「なんだなんだ、10人足らずの敵にやられてんのか?」

 2mを超えるムキムキの大男だ。

「テングリ、こいつら強いぞ。気を付けろ」

 そこらに戦闘不能になって転がされてる兵が、テングリと呼ばれた大男に注意する。


「おう、任せとけ」

 何の気負いもなく太い金棒を片手で振る。

 ビューと風切り音が聞こえた。


『ご主人様、相手の異能は身体強化と思われます。従者に戦わせるのは危険です』

 珍しくナビさんが忠告をしてくれた。

「待て!ジュレイ!!」

 ジュレイがテングリに向かって駆けだしていた。


 俺は魔人に憑依されて強化された人間との試合を思い出していた。

 俺の指示が間に合わなかったのか、ジュレイが真っ向唐竹割に斬りかかる。

 テングリは払うように金棒を振る。

 ジュレイの刀は簡単にへし折られ、ジュレイは吹っ飛ばされる。

 ジュレは回転しながら受け身を取りスッと立った。

 俺はホッとしてテングリに向かう。


「俺が相手をしよう」

 俺はテングリと向かい合った。

「お前は強いのか?弱いなら引っ込んでろ」

「まあ、そこそこな。それよりお前みたいな奴が、どうしてこんなところで留守番してんだ」

 テングリはあからさまに不満そうな顔をする。


「俺の乗れる馬がないんだよ」

 なるほどモンゴルは騎馬弓兵の国だ。馬に乗れない奴は強くても使えないか。団体行動がとれないもんなあ。


「テヤアアー!!」

 いきなり俺に向けて金棒を振り下ろしてきた。

 ふむ、パワーだけか。ちょっとがっかりしながら、剣の腹で横から叩いて軌道を変える。

 俺の脇に金棒が落ちる。

 左肩の付け根を刀で浅く突く。


 グッ!!


 テングリは片膝をついたが、立ち上がり、右手一本で金棒を持ち上げた。

 すごいな。その力には感心してしまった。

 しかし、振り下ろすまで待ってやる義理もない。


 俺は魔刃で金棒を切断した。

 そして何が起きたか理解してないテングリの右肩を突き通した。

 こいつはちょっとぐらいのケガじゃあすぐに復活しそうだ、ちょっと念入りに。


 もう新たに出てくる兵もないので、ミヤとジュレイとマールに残党狩りを任せて、後宮に行くことにする。


 後宮には千人近い女性が閉じ込められており、これを解放した。

 敵兵は全員縛って広場に置いた。

 女性が帰ると次々と様子見に隠れていただろう市民が現れた。


 先程の男が現れ俺に話しかけてきた。

「ありがとうよ。娘が帰って来たよ」

「良かったですね。食料とかはありますか?何か足りないものがあったら言ってください」

「あんた本当にサランゲラル皇女様の命令で来てくれたのか?」

「そうですよ。皇女様は皆さんの事を心配していました」

 男は涙を流して喜んでいた。


 皇女の命令で来たことにしたけど問題ないよな、

「ところで娘に聞いたのだけど第一皇子が数名の娘を戦地に連れて行ったらしい」

 うーんかわいそうだけど、そこまでは面倒見れないかな。


 街の片付けや捕虜の取り扱いはここの人に任せて、俺達は一旦帰ることにした。

面白かったですか?何かで評価して頂けると参考になります。

次回は皇太子との共闘を図るために面会に行きます。

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