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第四の魔女:消えた痕跡  作者: Test No. 55
第3卷下 - 政変編
122/123

追記 歴史は、生きた伝説を決して許さない。

挿絵(By みてみん) 

 (小額贊助)後記 歷史,從不容許活著的傳奇。


 夜の静寂が馬奎斯マーキス城主の館を包み込んでいた。窓の外では樹影が風に揺れ、壁に夢幻のような影を落としている 。

 寝室では、かすかな蝋燭の灯が柔らかなオレンジ色の光を放ち、部屋の隅々の暗闇を追い払っていた。幼いララは今、自分専用の部屋で一夜を過ごすという試みの最中だった 。

 部屋には彼のために細心の注意を払って準備されたものが揃っていた。サイズの合う小さなベッド、可愛らしいデザインの机と椅子、おもちゃでいっぱいのマット、そして角にあるぬいぐるみ用の収納棚。しかし、この幼い子供にとって、父の付き添いのない夜はあまりにも見知らぬ、恐ろしいものだった 。

 だから彼はいつも、父が物語を読み聞かせて、自分が安心して眠りにつくまでそばにいることをせがむのだった 。


 トムリンはベッドの脇に座り、息子のララを膝の上に抱きかかえていた。その厚実な腕がララを包み込む様子は、まるで温かな要塞のようだった。彼の手には一冊の厚い絵本があり、表紙には鎧を纏いマントを翻して戦場で剣を振るう女性が描かれていた 。

 それは「魔女シリーズ」の絵本だった。大陸全土で絶大な人気を誇る伝説の物語であり、今夜の主役は「第二魔女:不敗の魔女」である 。

 トムリンは低く優しい声で、ゆっくりとページを読み進めた。

「第二魔女は人類の軍隊を率い、再び巨大な怪物『黒潮』を打ち破って重要な拠点を奪還しました。それからというもの、人々は皆、安らかに暮らせるようになったのです……」

 そこまで読むと、彼は思わずあくびを漏らし、肩をわずかに揺らした。しかし腕の中のララは、まだ目を大きく見開いたまま、眠りにつく様子は微塵もなかった。ララは小さな手を伸ばして最後のページをめくり、ぽつりと尋ねた。

「お話、終わっちゃった?」

 トムリンは微笑んで頷いた。

「物語はここでおしまいだよ」

「えー……」ララは鼻をすすらせて、不満そうな表情を浮かべた 。

 トムリンはララの髪を優しくかき回し、穏やかな声で言った。

「魔女はすごかっただろう?」

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