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清算
普通を普通として生活するのは難しい
登場人物
姫・・・主人公 35歳 主婦
殿・・・姫の旦那 36歳 自営業
その夜 殿は帰って来なかった。
不思議と心配する気持ちはなかった。
なるようにしかならない。
私は 息子たちをまもらなければならない。
ただ しっかりと腹をくくった自分だけが信じられた。
私は間違っていない。
そう強く信じた。
意気消沈して帰ってきた殿は口を開かなかった。
私からどうなったか聞くこともしなかった。
自分の尻は自分で拭いてくれ。
数日たった夜 息子たちが寝静まってから 殿は重い口を開いた。
「きちんと切ってきた。仕事はしない。」
「そう」
「あいつら、襲ってくるかもしれない」
「は?」
なんだ?
この展開は?
そして なぜ複数形?
「襲われるって?」
「金を払わないと家にも押しかけてくるかもしれない」
全く話がわからなかった。
「どういうこと?」
「仕事を一緒にできないと話したら、自分は一緒に仕事するって聞いていたから、この数か月間職に就かずに待っていた。こんなことなら仕事をさがしていた。その期間分の給料を支払え!と言ってきた。月二十五万×六か月分を請求してきた。毎日、外人の友達を使って電話してきて、払えと脅されてる」




