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咆哮
気づいていたけど 気づかないふりをしていた
それが 幸せを守るためだと信じていた
普通を普通として生活するのは難しい
登場人物
姫・・・主人公 35歳 主婦
殿・・・姫の旦那 36歳 自営業
彼女をとるのか私をとるのか。
自信はなかったが どう考えても現状の勝者は私だ。
会社の金を握っているのは私だから。
彼女と会ってからの数週間の日々が頭の中をぐるぐるとめぐる。
彼女のあの態度は 妻に対する威嚇だったのだろう。
なのに 何も動じずに低姿勢を貫く私は彼女にとっては脅威だったかもしれない。
ただ 低姿勢がいいと彼女に会った時にそう感じた私の勘はこのためだったのか?
そして 何度も殿の口から出た言葉。
「彼女はビジネスパートナーで、おまえはライフパートナーだから。
人生で大切なのは、姫だから。
彼女のスキルはお前より優っている。
お前には社会で通用するスキルはない。
だから、彼女はビジネスパートナーなんだ」
素直にその言葉を聞いていた。
でも 私は結婚するまで殿と同じくらい働き稼いでいた。
そして 人生も彼女より十年も多く生きている。
「バカにしやがって。バカにしやがって。
信じた私が一番バカだ。信じていたのに」
涙があふれて止まらなかった。
奇声に近い叫び声をあげて泣いた。




