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ガンサバイブオンライン ~コミュ障の元箱入り娘。職業、キラーのおじさん~  作者: くろぬか
1章

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第18話 新しい鉄砲


 何と言いますか、初っ端から泣きそうになってしまった。

 キャラ作りでも待たせてしまったので、チュートリアルをまとめてスキップ。

 そのせいで、私には武器が無かった。

 当たり前だけど、今回はお兄ちゃんからのサポートが無いのだ。

 だからこそちゃんとプレイして、“普通の”オンラインを経験しようというのが目的だったのに。

 相手を待たせたらいけないと焦ってしまい、最初から迷惑を掛けてしまう事に。

 黒沢君から渡されたハンドガンの詳細を調べてみれば……“友人紹介特典”とか書いてあるし。


「コ、コレ! 普通には手に入れられない銃って事ですよね!? 頂けないです!」


「いや、ホント気にしないで? それにハンドガンなら、自分でカスタムしたヤツの方が数値も良くなるし。俺が持っていても使わないって事で……出来れば、貰ってくれると嬉しい、かな? マーケットに出しちゃうのも、何か運営に申し訳ないし」


 なんて言われてしまい、返却さえも出来なくなってしまった。

 とはいえ、此方としてもありがたいのは確か。

 実際今、私は武器を持っていない状態だし。

 そうは言っても、コレはつまり……他の人を招待して、その人がゲームを始めたら貰える武器って事だよね?

 “6key”に関しては、完全に運営用アカウントとして切り離されてしまったらしく。

 今使っている“46leather(シロレザー)”が、私の最初のキャラクターという扱いになっている様だ。

 まぁそっちは良いとして……間違いなく、私では一生手に入れる事の出来ない武器を頂いてしまった事になる。

 誰かを紹介って何、リアルで他の人をゲームに誘って、実際相手がプレイしてくれないと貰えないって事でしょう?

 そんなの無理だ、そもそも声を掛ける相手すらいないのに。

 という事で、アワアワしながら渡されたハンドガン調べていると。


「名前は……グ、グロック……? えぇと、どう使えば良いんだろう」


 とても四角い、と言ったら良いのか。

 元は結構小さめな形なのか、何より軽い。

 そんなのに、いくつかのパーツが追加され……いつも使っているハンドガンくらいに長くなっている様な見た目。

 でも分かりやすい所にセーフティとか無いし、そもそもハンマーすら無いんだけど。

 え、なにこれ。

 いやゲーム内で見た事はあるけど、多分相手の武器を奪って使った事もあるけど。

 でも実際に自分の物として手にすると、色々と困惑してしまうのだが。

 相手が使ってるヤツなら……ちゃんと撃てる状態になっていただろうけど、最初からとなると……不味い、全然使い方が分からない。

 私、2011って銃しか使って来なかったので。


「あはは、本当に初めてっぽいね。まずはホルスターに仕舞っちゃって? 射撃場とかに行ってから、色々教えるよ」


「す、すみません! いつまでも街中で銃を振り回しちゃって……」


 という事で、脇のホスルターに銃を収めてから二人で移動開始。

 このゲームで真っ先にやっておいた方が良い事が~とか、序盤のお金の稼ぎ方は~とか。

 本当に細かい所まで説明してくれる黒沢君。

 凄いなぁ……此方からすると、既にベテランって感じがするのだ。

 私の場合、お兄ちゃんに指示を貰ってその通りに動いただけだったし。

 普通にゲームをする、という目的で始めてみれば……本当にこのゲームの事を何も知らなかったのだと、改めて実感させられるというもの。

 いつだって見ていたのはスコアばかりで、ストーリーとか殆どスキップしちゃってたし。


「しらか……じゃないじゃない。思わず名前呼びそうになっちゃうね……今の内に呼び方決めておこうか」


 隣を歩きながら、困った様に笑う彼に対し。

 はて? と首を傾げてしまった。

 呼び方……呼び方? え、プレイヤーネームじゃ駄目なのだろうか?


「えっとね、俺のプレイヤーネームって96sourだけど……友達とかが普通に呼ぶと、やっぱり黒沢ってなっちゃうんだよ。そしたら、他の人からも“本名かー”ってバレちゃう訳で」


「あっ! なるほど……たしかに、本名をもじっただけだと、そういう弊害が……」


「そこまで大したモノではないんだけどね? 珍しい苗字って訳でもないし。でも皆は“96”と“sour”で分けたりして、適当に呼んでたりするんだけど……46leatherさんの場合は、どう呼ばれるのが馴染むかなって思って」


 あ~、あぁ……そっか。

 プレイヤーネームは、ゲーム内での名前なんだから、相手から呼ばれる事を想定して名付けるべきだったか。

 だとしたら、“46leather”って滅茶苦茶呼び辛そうだよね……どうしよう。


「で、であれば! せっかくネームが白黒ですし、私がシロで、そちらはクロさんって言うのは……どうでしょう? 馴れ馴れしかったら、すみません……」


「いや、全然……平気、なんだけど。むしろソレで良いなら、こっちも呼びやすいけど……良いの?」


「? 私は全然、平気ですけど。何か駄目なんですか?」


 よく分からないけど、相手は少々赤い顔をしながら視線を逸らして頬をポリポリ。

 もしかして、また何か失礼な事をしてしまっただろうか?

 こういう部分のネットマナーって、全然詳しくないので……もしかして、やらかした?

 とか思いつつ、再びプルプルし始めると。


「あ、いや、そんな泣きそうな顔しないで!? 大丈夫、本当に大丈夫だから! 嫌だったとか、そういうんじゃないから!」


「ほ、本当ですか? こういうの、全然分からないので……もしも些細な事でも、御不快な事がありましたら仰って頂けると……」


「あ、あはは……とりあえず、そこまで肩ひじ張らない喋り方のほうが良い……かな? 悪くは無いんだけど、凄く白か……じゃないって。“シロさん”っぽいけど」


 何やら困った様に笑いながらも、そう言ってくれる彼の言葉にホッと息を零していると、相手がさっき私の提案した呼び名を使ってくれている事に気がついた。

 お、おぉ……凄い。

 誰かのあだ名みたいなの、人生で初めて決めたかも。

 なんだかソレに嬉しくなってしまい、「ヘヘ……エヘヘ」みたいな気持ち悪い笑い声を零してしまったが。


「そ、それじゃ此方も。改めて、よろしくお願いします……えと、“クロさん”」


「う、うん。よろしくね?」


 妙にギクシャクしてしまうのは申し訳ないが、とりあえず色々と当初の目的は少しずつ達成出来ている。

 普通に“オンラインプレイ”をする事、いつかはと願っていた“フレンド機能”を使う事。

 早くも、二つも叶ってしまったではないか。

 やっぱり、お兄ちゃんの作ったゲームは凄い。


 ◆


「おぉ……凄い、飲み込みが早いというか。上手いね、シロさん」


「ほ、本当ですか? ありがとう、ございます……」


 射撃場に連れて来られ、早速さっきの銃を撃ってみようって話になってから。

 ちゃんとこの武器を使うぞーって思いつつ、撃ってみると……凄いなぁ、今まで使っていたハンドガンとは全然違う。

 何度も言う様だけど、まず“軽い”。

 そしてこのグロックという銃は、そこまで難しい事は無い様で。

 簡単な説明だけで、すぐ慣れた。

 弾も普通のヤツを使うみたいだし、覚える事は少なそうで助かった。

 全然ステータス育てて無いから、反動に負けてるけど。

 というのと。


「この銃を強くしようとしたら、やっぱり弾を変えるんですか?」


「ん、まぁそういうのが一般的ではあるんだけど。あんまり“強装弾”の使用はお勧めされてないんだよね……どうしても、武器の耐久値をガッツリ下げちゃうし。実銃で言うと、銃の寿命を縮めたり壊れたりって感じかな? あとは射撃時のトラブルとか、ゲームでもたまに発生するよ」


「きょーそーだん?」


「さっき弾丸をショップで買う時に、何mmとかって書いてあったでしょ? 銃に合ったソレを選ばないと撃てないのは当然なんだけど、同じ名前でも“+p”とか“+p+”とか書いてあるのが売ってなかった? アレだね」


 あぁ、その表記なら見た事がある。

 というか、“6key”の方でお兄ちゃんから貰ったハンドガンに使っていたのはソレだった。

 弾が特殊だよーとは言われていたけど、そういう意味だったのか。

 いや、詳しくは未だに分かって無いけど、というか他にも色々書いてあった気がするけど。

 これまでも個人でやっていた時は、ガンショップに行って「この銃の弾」って言って終わらせてたし。

 一回ちゃんと覚えちゃえば後は簡単なんだろうけど。

 とりあえずプレイ出来れば、あとはスコアばっかり気にする癖が悪い所で出てるなぁ……。


「ちなみに、今シロさんが持ってる銃。26アドバンスなんて名前が付いてるけど、実銃では存在しません。カスタムされてない小さいままのなら、ちゃんとあるけど」


「え」


「トイガンメーカーのオリジナルカスタムだねぇ、随分古いけど。普通のグロックはもっと四角い、そして形がみんな似てる。多分17とか19を並べたら“どっちも一緒!”って言われると思う」


「それ、余計に貰っちゃうの申し訳なくなるんですけど……紹介特典どころか、現実にも無いオリジナルとか……」


 そんな会話を続けつつ、その後も射撃練習。

 改めてこういう所で撃って思うけど……鉄砲って、遠いと当てるの難しいよね。

 というか、ほんっとうに当たらない。

 なんかもう、当たる自信のある所まで接近したくなっちゃう。

 今の初期ステータスだと、それすらも大変そうだけど。

 テストプレイの時、よく私コレでクリアしたなぁ……。

 何度も死に戻りして、その度にステータス弄った甲斐があったよ。


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