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第四話 「スカーレッド」03

 夕刻近くになり、狩を終わらせたメンバーが続々と森の外に戻って来た。


 中にはちゃっかりと兎を狩って来た者もいる。

 肉屋に持って行きサラミや燻製肉などの加工肉に交換してもらうのだ。


 ブレイソンからの報告では討伐したベヒモスはバジリクスやブラウニーなど中の下程度と、他には栗鼠(りす)(ねずみ)、猫程度の小さなベヒモスだ。


 バジリクスは羊ほどの大きさの四本足の鶏で、黄金の羽を持つが空は飛ず、蛇のような尾を持つ。


 ブラウニーは完全に二足歩行する猿のような姿をしていて、人間の子供程度で非力だが、集団で冒険者を襲う。


 アルバーが、皆がそれぞれ手に入れたレアクリスタルを回収する。


「ねえ、今回の取引はウチに任せてくれないかしら?」

「そっちにか?」


 シュンは少し考えた。

 レイキュアたちは手に入れたレアクリスタルを直接貴族たちのマーケットに流す。

 そちらの方が良い値がつくからだ。


 一方、シュンたちはギルドの仲買に任せる。

 それはこの街の冒険者たちの手に渡り力となる場合が多い。

 貴族に渡しても玩具になるだけだった。


「合同で仕事をする時だけよ」

「まあ、それならいいか」


 チーム・スカーレッドは貴族のパーティーに呼ばれてスポンサー獲得の営業をし、レアクリスタルを直接贈り物などにも利用している。

 高価なドレスなども必要で色々と金がかかるのだ。


 貴族の中にも多少のコンテナを持っている奴もいる。

 ベヒモスと戦う訳ではない。

 街近郊の森で狐や兎を狩るのに使うのだ。


 ベヒモスの巣窟に突出させたこの街と違って、他の普通の街は平和だった。


 今日の稼ぎはチームで二分割すると話はついていた。


 シュンたちはギルドに赴き手に入れたレアクリスタルを鑑定に回す。

 手に入れたポイントを分けてそれぞれのチームに加算する。


 ミルメコレオのポイントはレイキュアが手にした。

 シュンたちが倒した一体はアルバーのポイント物とする。

 他のベヒモスは個人のランクに反映されるレベルではなかった。



 夕食はチーム・スカーレッドの経営する飲み処兼、食堂の酒場、フィオーレを貸し切りにして行われた。


 レイキュアとカノーアはなかなかやり手なのだ。

スカーレッドのメンバーでまだ力のない者はこの店で働き、いつの間にかこっちが専門になった者もいた。


 店の天井には小さな発光する半導体の明りが数個と、補助の為のランプがテーブルに置いてある。


 ベヒモスは電磁波などに反応して集まり、人間を殺戮するように調整されている生物兵器だ。

 なので、この街は電力の使用が極力抑えられていて、市民は不自由な生活を強いられている。


 ベヒモスを呼び寄せる訳にはいかないので仕方のない話だった。



 店内のテーブルにそれぞれが今日の組み割りで座り、酒と料理が運ばれた。


「さあ、皆、今日は思いのほか稼げたからな、大いに飲んで食ってくれ」


 そう言ってからシュンはビールジョッキを掲げ、皆で乾杯をする。


 シュンとアルバー、レイキュアとカノーアは同じテーブルに座っていた。


 ブレイソンはまだ経験が浅い連中の中に入って、色々と今日の戦いについて身振り手振りを交えて話をしていた。


 シュンが言うでもなく後進の指導に気を使ってくれている。


 シュンはレイキュアと並び二人で話をする。


「たまにはこんなことをやるのも良いかもなあ……」


 確かにいつもより討伐したベヒモスの数が多かった。

 チーム・ランツィアのメンバーにとっても良い刺激になっているようだ。


「そうでしょ! 私の発案よ」

「思いつきだろ?」

「深い考えあってよ!」

「ホントかよ~」

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