第四話 「スカーレッド」02
「アルバー、どうだ?」
暫く森の中を歩き、そろそろベヒモスが出ごろかと思い、シュンは声を掛けた。
アルバーは強い【探査】のスキル持っている。
「小物はいくらでもいますけど……」
「そうか、中の中から上を目指そうか」
「はい、いましたね。中の上です」
「よし、それをやろうか」
アルバーの先導で森の中を更に進むと、相手の詳細が分かった。
「相手はミルメコレオです」
「どうだ? できるか?」
シュンがレイキュアとカノーア見ると二人は頷いた。
アルバーが森の奥を指さし距離を説明する。
レイキュアが剣を抜きカノーアが弓矢を構えて少し後ろを進む。
シュンたち二人も支援の為、後に続いた。
森の木々の間に動く黒い影が見えた。
それは遠ざかっているように見える。
気が付いたレイキュアが走り始めカノーアも続く。
開けた草地の先にミルメコレオが見えた。
上半身が獅子で下半身が蟻のベヒモスだが獅子の足を四本残している。
これが後ろ足の二本が蟻の六本や八本足になっている型は上クラスとなる。
カノーアが矢を放ち、それは【飛行】で軌道を変え、速度を増して動く的に【衝撃】のスキルで深く突き刺さった。
その間もレイキュアは剣を抜いて突進し、カノーアもそれに続いた。
レイキュアがミルメコレオの正面に立ち頭を押さえる。
牽制の攻撃を加えながら後ろをカノーアが押さえる。
獲物を挟み二人は連携しながら剣を振るう。
カノーアが牽制しレイキュアが切り付け、ミルメコレオがレイキュアに襲いかかろうとすると、カノーアが肩より少し長い髪を揺らし、その体に剣を突き立てる。
小柄な彼女は体格を生かしたスピードで、レイキュアの援護に徹していた。
「ふーーん、やるじゃないか。どう思う?」
「あの二人ならデスキャンオンに連れてっても良いんじゃないですか?」
シュンとアルバーは剣を抜いたまま、いつでも加勢できるようにして戦いを見守った。
実力もさることながら二人は完璧に連携している。
「まあなあ……、って言うかお前も行きたいのか?」
「興味はありますけどね」
「う~~ん……」
「中に入るぐらいはして、いざとなったら逃げたっていいですし」
アルバーはカノーアに当てられたのか案外に積極的だ。
消耗するミルメコレオの動きを見極めレイキュアが止めを刺した。
シュンとアルバーは二人に駆け寄る。
「いやあ~、二人ともたいしたもんだ」
「強くなっているのはあなただけじゃないのよ」
レイキュアは自慢げに言い、シュンは苦笑いする。
「そりゃそうだ」
確かにこの戦いぶりなら自分らと共同で、それなりの強敵とも戦える、とシュンは思った。
カノーアがミルメコレオからレアクリスタルを取り出しレイキュアに渡す。
「【切断】がメインで【拘束】と【衝撃】少しか、普通ねえ……」
レイキュアは【鑑定】のスキルを持っている。
シュンとアルバーも少量持っているが、ここまで詳しくは読めない。
なかなかレア物にはお目に掛かれないのが現実だった。
倒した大型ベヒモスの革や硬い外皮は加工品の材料などなるので、アルバーが地図に場所を記入する。
後でギルドと契約している業者が回収に来るのだ。
軍や冒険者が使う鎧などベヒモスの素材は需要が多い。
その後、レイキュアたちは更に一体、シュンたちも二体のベヒモスを倒した。




