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~涙~
目の前に広がる大邸宅のような光景、
これを見るのは二度目となる。
美鈴さんにもこのことを電話で伝え、
承諾をもらっていた。
そしてまた広間で数分待たされ美鈴さんが姿を現す。
今日は完ぺきなドレス姿で登場した。
やはり比べ物にならないくらいのお金持ちである。
「どうぞ。」
今回は龍は外にいてもらい私一人でミルのいる
部屋に向かった。
美鈴さんにも外にいてもらい、私とミルのマンツーマンと
なる。
いつもながらの威嚇を抑えないミルは
どうやら私を敵と思っているらしい。
怖いのにミルに歩み寄る足を止めなかった。
わずか数センチの距離に来たときに、
頬に衝撃な痛みが走る。
触れると手に血がついて思わず苦笑をしてしまう。
ミルに引っ掻かれたとすぐに気づく。
でも……。
どうしてなんだろう、どうしてミルはそんなに寂しい目なんだろう?
頭の中はなぜか引っ掻かれたことよりも
ミルの瞳が頭から離れない。
いつのまにか温かいものが目から流れ、
傷口にしみた。
「あれ?どうして私泣いているんだろう?」
決して涙を流したことのない私だったのに、
頬には涙が伝っていた。
痛みからくる涙ではなく心の底がジンッと熱く
なるような涙。
私はいつの間にかその場で泣いていた。




